先輩奏者のBachトランペットに加工させて頂きました♪ | 喇叭吹きのdeepな日常

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心機一転新たに始めてみようと思います。
機材の紹介やレビューなど事細かに記して行きます。

blogを立ち上げてから更新をサボってしまっておりましたが、ネタが溜まりに溜まって来たので少しずつ更新していきます。

今回は主管近辺のCustomについて。

内容は、同業の先輩AさんのV. Bachの主管下側の外管をカットし別に用意した真鍮管(今回は同メーカーの物)を露出するよう改良しました(下画像)。

うん、めちゃめちゃ綺麗✨

ここからくどくど説明パートです(笑)
通常、BachやYAMAHAのB♭管は主管が入る外管が上下二本ストレートに付いています(下画像)

明らかに下側の長さが長く見えるのがお分かりでしょうか?
しかし実際の内管はそこまでの長さはありませんしバルブから生えている枝管もとても短いです(下画像参照)。

だとすると、主管と枝管の間には約3cm程の隙間が出来ることになってしまいます。
ではどうしているのかというと、大半のメーカーが主管と枝管の間を埋める為に、下側の外管内部に“捨て管”と呼ばれる真鍮の管を繋ぎとして仕込んでいます(稀に主管が長い場合やその他の製造法の場合もあります)。
そしてこの“捨て管”は基本ハンダで止まっているのですが、この構造が吹奏感に大きな影響を及ぼしているのではないか?とふと疑問に思ったのです。

では何故ハンダが影響を及ぼすかというと、そもそもハンダというのは、金管楽器を構成する金属の中で最も柔らかい為、少な過ぎると強度面と振動伝達の面であまり良くありませんが、逆に多過ぎても振動を止めてしまう要因になってしまいます。
そこでハンダの設置面を減らせないかと思ったわけです。

話が少し逸れましたが、そんな訳で方々を調べてみると、昔からこの“捨て管”を露出した設計にしているモデルはやはり存在しているようで、Besson, Benge, Calicchioなどのメーカーが代表的です。近年でもYAMAHA YTR-8340EM, Charlie Davis(Calicchio type)などがそれに当たります。
そしてこれらのメーカーの楽器に共通して言える事は反応の軽さや立ち上がりの良さがやはり特徴かと思います。
一方Bachは、どっしりした粘り強い立ち上がりで比較的しっかりした吹奏感ですよね。
なので他のメーカーでもこの機構を取り入れれば立ち上がりの向上が図れるのではと思い、手持ちのBachでテストを行ったところ、音はそのままに反応が向上しとても扱いやすい楽器になったのです。
それ以降所有のB♭管には全て同等の加工を施しています。

私は、Twitterでもしばしば「ピストンにはまだまだ改良点があるように思う」と言っているのですが、この加工もそうした改良点の一つだと確信しています。

上手くまとまっているか不安ですが、それではまた〜♪✋