評価 微妙映画
得点 45点
・赤塚不二夫の漫画「おそ松くん」を原作としたアニメ「おそ松さん」の実写映画。クズで童貞のニートな六つ子達が騒動を巻き起こすという内容。決してお粗末な出来では無いが、素直に楽しめるとは言い難い内容の映画だった。
①作中のギャグ描写はそこそこ出来がいい
・やりたい放題な赤塚不二夫先生の作風は上手いこと落とし込めており、アニメ版の声優による実写に対する苦言を初めとしたメタネタやおそ松さん本編にも様々な形で取り入れられていたパロディはどれも面白い。
②オリジナル設定自体は面白い
・「物語終わらせ師」という収拾がつかなくなった物語を終わらせようとする役割を持つキャラ達が登場するのだが、彼らの立ち回り方がかなり秀逸で、物語に面白みが加えられている。
不満点はこのようなところ。
①シナリオのハチャメチャさが悪い方向へ作用している
・シナリオ内容は前半の大企業の社長が亡くした息子にそっくりなおそ松達から誰か1人を養子として引き取りたいという話になり六つ子が他を蹴落として勝ち組人生を手に入れるために努力するという展開はいいもののそこから後半は様々な映画のパロディの展開を初め、迷走してしまう。(一応原作でお蔵入りにされた1期1話も似たようなノリだったが…)話の方向性が有耶無耶になり全体的に意味不明な内容に頭を抱えさせられた。
②「おそ松さん」らしさがほとんど皆無
・ギャグ映画としてなら見られなくは無い一方でおそ松さんらしい要素は本作品でほとんど見られない。六つ子の個性の大半の抹消(一松のネガティブ発言、トド松の腹黒キャラ等)ややりとりの少なさなどの改変(改悪)やオリジナル要素の悪目立ちが揃って悪影響を及ぼし、「おそ松さん」の名前を使う必要が無い、「Snow Man」がただ駄弁っているだけの作品に見えてしまう。
単純にギャグ映画として見るなら出来が多少悪めの凡作として十分見られなくは無いが、おそ松さんとしての要素に期待をすると肩透かしを食らう微妙な作品。