ふと思った。
監禁されているように思っていたが、そんなのはよくある夢なのではないだろうか。
私は幼稚園児だった頃、とても怖がりだった。
ダンゴムシやアマガエルくらいならよく触っていたが、六本足の昆虫なんて、壊してしまいそうでとても怖かった。
それが虫じゃなくて、人間同士ならもっと怖かった。
自分から人に声を掛けることは、ほとんどなかった。
よく話していた友達は、近所に住んでいる同い年の女の子一人のみ。
そんな性格もあり、怖い夢はよく見ていた。
よくあったのは、空を飛ぶ夢。
始めはワクワクするが、ふと気付く。
降りる方法が分からない。
慌てて少しでも降りようとするが、暴れれば暴れるほど空に舞い上がっていく。
恐ろしい。
ここから落ちたら、絶対に死んでしまう。
誰か助けて!
すると、突然落ち始める。
実際に、空中を落ちているような感覚がある。
謂わば、浮遊感が実際にある。
ブレーキなんて、どうしたら掛けられるのかも分からない。
たちまち、そのまま地面に墜落してしまう。
少しも動かせなくなった身体。
見えるのは、地べたからの横向きの光景。
すると、ようやく目が覚める。
夢だと分かると、とてもホッとした。
夢かどうか、ほっぺをつねって確かめるなんて、誰が考えたんだ。
そんなのじゃ絶対に分からない。
つまり、先ほどの監禁された夢も、私の深層心理が原因なのではないだろうか。
自分の生活に失敗がないのか、不安に思っていたのだろう。
そう考えると、よく分かる。
でも、これまで、誰かに騙されたこともないし、大きな病気に罹ったこともない。
むしろ、スイミングスクールに行っていたせいなのか、風邪もほとんどひかなかった。
健康過ぎて、小学校ではよくズル休みをしていたくらいだ。
学校を一度も休んだことがないという父の血が憎かった。
今も、目覚めれば普通に自宅の布団の中で寝転がっているはずだ。
しかし、今日はなかなか目覚めないな。繰り返し夢を見る。
例えば、サーカスの夢。
誰だったのか思い出せないが、最近よく会う女性が、サーカスを開催すると言い始めた。
象が登場するらしい。
驚いたことに、このサーカスに私も参加するらしい。
なんだか面白そうじゃないか。
連れて行かれたのは、学校の教室。ここが待合室のようだ。
女性は何か用事があるようで、私にしばらく待っているように言って、部屋を出ていった。
私はサーカスに出るための衣装を選びながら、一人で待っていた。
すると、窓の外にライオンが飛び出てきた。
これ、サーカスに登場する動物なのだろうか?
象じゃないじゃないか。
襲われないだろうか?
かなり怖いぞ。
女性が戻ってきた。
良かった、ライオンを何とかしてくれるはずだ。
ところが、その女性は「もう時間がないから無理だね」と言い、教室から出て行った。
おいおい、勘弁してくれ。
ライオンをどうにかしてくれ。
怖すぎるぞ。
だが、私はいつの間にかベッドにいた。
すぐにサーカス団の女性がやってきたが、その話は何も言わない。
私は声を掛けようかと思ったが、怒られるかもしれない。
黙っておくことにした。
例えば、新型コロナの夢。
最近、国内の港でフェリーの乗客が新型コロナに感染していると分かり、大騒ぎになっていた。
現在私がいる場所で聞こえる声によると、世界中で大勢の人間が死亡しているらしい。
この新型コロナに罹ると、かなり苦しいそうだ。
現在の病院や警察、刑務所の業務は解体状態となり、各国はそれぞれの業務を放棄してよいというお達しが出た。
ただ、条件があるらしい。
恩赦をもらわないといけないそうだ。
私が今いる部屋の真横に、大きなスペースがある。
そこで恩赦を受け取るようだ。
覗いてみると、たくさんの人が並んでいる。
あまりの行列に、私はどうでも良くなり、そこには行かないことにした。
夜になると、私は何故か幽霊になっていた。
それにより、空を飛べるようになった。
もしかすると、これは私が新型コロナで死んだということだろうか。
近くには同じように幽霊になった人が数人いた。
その中に、私の同僚もいた。
同僚は、「志村けんが死んだらしいよ」と言った。
特に志村けんに興味はないが、日本では大きな事件ではないだろうか。
その後、ベッドに戻った。
あれ? どうやって戻ったんだろう?
私は死んだんじゃなかったのか?
数日後、部屋の近くを通りかかった人が、こんなことを言った。
「昨日、志村けんが亡くなったらしいね」
おや? 昨日じゃないだろう。
もしかして、日にちが戻ったのか? それとも、同僚が未来を見通せる力を手に入れたのだろうか?
それがあの幽体離脱?
であれば、私もその力を持っているのだろうか?
例えば、入院の夢。
部屋に医師らしき男性が入ってきた。
死神博士か。
何を言っているのかよく分からない。
その医師は、ある紙を私に見せた。
どうやら、CTで撮影した私の脳のようだ。
だが、私にはそれが脳には全く見えない。
何かがぐちゃぐちゃに引き延ばされ、くっちゃくちゃに折りたたまれたような写真だ。
これが私の脳?
そもそも、自分がどんな姿になっているかも分からない。
この場所で鏡を一度も見ていないし、身体も動かせないから、どんな状態になっていてもおかしくない。
きっと、人間には見えないくらい醜い身体になっているだろう。間違いない。
目玉は一つに変えられたり、複数個に増やしたりして、実験しているのだろう。
鼻の穴も、2つでは無くて3つあったりするのだ。いや、絶対そうだ。
口の形も、ホラー映画のような形になっているはずだ。
時々、女性が私の隣に来る。
極悪ナースだろう。
その女性は、私の鼻の中にチューブを入れて、何かを吸い出す。
これが、かなり苦しい。
何のために何をされているのかさっぱり分からない。
これこそ、人造人間にするための手術なのだろう。
もしくは、ただ面白がって遊んでいるのかもしれない。
考えれば考えるほどおぞましい。
逆らうこともできない。されるがまま。
時刻は分からないが、一日に何度もその手術が行われる。
もう勘弁してくれ。生きたくなんて無い。悪の組織の悪巧みなんて、関わらせないでくれ!
え? なにしてたんだっけ?
あ、今はまだ夢を見ているんだった。
私はそれに気付いたじゃないか。
あぁ、家族と会ったことも、夢なのだろう。
そう考えると、現実味が欠けている。
妻が私に膝枕をしてくれるなんて、有り得ない。
夢だと分かる代表的な例として、私はこうなってから、何も食べていない。
それなのに、お腹は一切減らない。そ
んなの、夢としか思えない。
しかし、長い夢だな。私はどれだけ眠り込んでいるのだろう。
…いや、ここしばらく私が見ている映像は、実は全部が夢ではなく、一部が現実なのかもしれない。
例えば、先ほどチューブで鼻から何かを吸われて、とても苦しかった。
あれが夢だとは思いにくい。
……。
途端に不安になってきた。
これが夢でないとすると、みんなはどうしているのだろう。
次男は幼稚園年少組だ。あまりに可哀想だ。
……あれ? 次男の顔って、どんな形だっけ?
次男って、本当にいたっけ?
他の家族を思い出そうとしてみても、妙に現実感がない。
もしかすると、私が家族だと思っている人たちは、全部嘘っぱちなのかもしれない。
私が息子だと思っていたのは、私の空想なのかもしれない。
え? それって、ちょっと恐ろしくないか?
あぁ、もう頭がおかしくなりそうだ。
もう目覚めなくていい。
早く殺してくれ!
殺して楽にしてくれ!
現在からの振り返り
どんな動物でも、思考には個性があると思います。
過去の経験によって、心の奥底に培われた発想が、死に近づくことで芽吹くのかなぁと思います。
私は、みんなに慕われていないって思うような寂しい人格だったんですね。
怖がりだった小学低学年の頃は、さらにマイナス思考だった気がします。
でも、今回私の夢の話を考えると、マンガやドラマみたいな、ストーリー感があって、なかなかいい発想かなぁと、自分ながら思います。
一つ目のサーカスの夢で出てくる女性は、看護師さんのひとりですね。
その看護師の表情が、私にとってはドラマに出てくる登場人物のように見えていたんだと思います。
二つ目の恩赦の夢ですけど、この画面のようにでっかい螺旋階段があって、そこに何人もの人が並んでて驚きました。
私は絵を描けないんですけど、行列に並んでいる人たちの多くは、杖を突いていたり、車椅子に乗ったりしていました。
まぁ、自分が病院にいることを、無意識に自覚していたんだと思います。
志村けんについて話している人達は、私の担当のリハビリ士さんたちです。
時系列が分からなくなってる理由は、未だによく分かりません。
まぁ、単純に時間間隔があべこべになっていたのかなぁと思います。
三つ目の鼻の中の治療は、これは現実ですね。
看護師さんが、気道を確保するため、チューブで痰吸引を行います。
これをしないと、呼吸困難になるリスクがあります。
まぁ、何をされているのか分からない状態で顔面の治療は怖いですよね~。
次回は、実際に何が起きていたのか、お話ししようと思っています。お楽しみに!
・・・訂正・・・
すみません、一点訂正です。
先ほど痰吸引のことをお伝えしましたが、その場所が違いました。
私の痰吸引は、鼻でなくて、喉だったそうです。
この時には自覚していませんでしたが、治療用に喉には穴が開いていました。
その喉に痰が詰まるので、その痰を吸引していたんですね。
この話は、妻にこのYouTube動画を見てもらって指摘されたんですけど、私はかなり苦しんでいたみたいです。
まぁ、そうですよね。喉に掃除機突っ込まれて、起動されてるみたいな状況ですもんね。
いやぁ、私、頑張ったんですね~。
喉に穴が開いている話は、この後に出てきます。
楽しむような話でもないですけど、お楽しみに!





