渡部遼介オフィシャルブログ「Ryosuke’ Note」powered by アメブロ -377ページ目

内輪ネタ

だんだんと形が出来てくると、出演者は観客とコミュニケーションを取り始める。それは観ている側を実際に見たり話し掛けるということではなく、感じながら演じる。映画やTVとは異なり、舞台が実は一方通行でないメリットだ。

ところが稽古中に、見ている側が身内であることを忘れているとすぐに問題が生じる。今回は見ていてそれがとても顕著(けんちょ)だった。
実際の客は全員が初見(しょけん)とわきまえる必要がある。彼らは台詞を取り換えたからと言って反応はしないし、また前回と動きが異なるからという理由で笑ったりもしない。

台本の流れとは無関係の小ネタは、何度も見ている自分たちにはフレッシュで良いが、1度でストーリーを追いかけたい客にはよほど気をつけないといけない。

情報を選別する能力(ちから)

今回は昼夜とグループが2つに分かれている。どちらも30名弱。それをさらに2分して全部で4チーム。

不思議なことに15名程度が出演していても目立つ人はいる。それは見た目の美しさや声の良さ。アイディアの面白い人など、見ていて気持ちの良い人にアンテナが反応する。
逆にやり過ぎだと、観客は頭から排除しようとする。周囲から聞こえる複数の雑音から、誰かの声だけを聞き分けるように。つまりは人間の本能だ。

エリーダ〜海の夫人〜

基本的には新劇のようなストレートプレイが好き。でも現代では、少しばかり古めかしい印象がある。それを軽々と払しょくさせてくれたのが当時の"TPT"だった。

初めて観たのは『エリーダ~海の夫人~』。確かもう十数年前だ。知り合いが出演していて、原作はイプセンかまたはそれをモチーフにしていたと思う。戯曲は古いが、あまたある中で生き残っているのは、逆にそれだけの価値を有しているということ。

客席に挟まれた細長の舞台はわずかに傾斜し、片側を本物の水に浸(つ)けていた。そう水辺の景色だったのだ。それがデヴィッド・ルヴォーの演出だった。