【収縮と弛緩、どちらが重要?】
最近、トレーニングや予防運動の
内容でよく見かける構図として
「収縮」vs「弛緩」
「力み」vs「緩み」
「力強さ」vs「しなやかさ」
どちらが良いのか?!
といった対立構造で示しているものを目にします。
「柔よく剛を制す」「剛よく柔を断つ」「柔剛一体」という言葉がある通り、この議論はおそらく日本人に昔から付きまとっている課題であると思います。もしかしたら、狩猟時代から大きい獲物を獲るためにそのような発想があったかも。。。とすら想像してしまいます。
こういう問いかけをされると、ほとんどの人が「大事なのは筋力(収縮)でしょ!」と答えるか、なんとなくそう感じているか、だと思います。
運動指導の専門家でも「その通り!筋力(収縮)がやはり1番大事ですよ。」という人もいれば、「いやいや、ヒトの身体は効率良く省エネで動いた方が良いので、筋力よりも身体の使い方が大事なんですよ。」という人もいるでしょう。
色々な考え方があります。筋力でパフォーマンスを高める戦略もあれば、身体の使い方でパフォーマンスを高める戦略もある訳です。パフォーマンスを高めるために身体の使い方が土台となり、その上に筋力などの要素があるんですよ、という戦略もあります。考え方は様々ありますし十人十色。どれも悪くありません。
でも、それはそれで答えがないので困ります。
では、「収縮」と「弛緩」のどちらが大事か?
の結論は
「両方大事」と個人的には考えます。答えになっていないような答えですが、それが最適と思います。
つまり、どちらかだけができるより両方バランス良くできる方が良いということです。こうやって改めて文章にすると、当たり前のことに感じます。。。が、バランスを崩し何かに偏ってやってしまっていることが非常に多いです。
※この内容に限らず、最近のトレーニングメソッドは分かりやすく伝えないと!とか、端的にプレゼンしないと伝わりにくいかな!?という想いが強すぎるせいか、極端に何かに偏って伝えてしまっているものが非常に多いです。解釈の仕方にはとても注意が必要です。何かを極端に推す内容は、語り手がそんなつもりがなくても、聞き手に他を否定している印象を刷り込んでしまう場合があります。
その結果、健康を損ないやすい(パフォーマンスダウンや怪我や慢性障害)負の連鎖にはまってしまう人がたくさんいます。
皆さん自身や周りの方にも、ウォーキングや筋トレ、ヨガ、山登り、ダンス、各種スポーツと、本来身体に良いことをやっているはずなのに、かえって調子が悪そうにしている人は結構いるのではないでしょうか?
そのような負の連鎖にはまっている場合、心も体も何かに偏ってしまっている可能性が高いと思います。
「収縮」と「弛緩」の話に戻ります。
MAXの筋力が10の「収縮」で
力を抜いた時が0の「弛緩」と
した場合、
例えば、
1もできるし
5もできるし
7もできるし
10もできるし
0.5もできるし
2.5もできるし
1.25もできるし
0.75もできるし
1.125もできるし
0.875もできるし
0.625もできるし
さらに細かいのもできるし。。。
と、より細分化してコントロールできるのが理想です。その時の状況やタイミングにより、体の必要な部分の「力の出し入れが最適に自由にできる」ということです。
時には「力強く」動き、
時には「しなやか」に動く
その考えがある上で
時には「あえてめちゃくちゃ力んで動く」
時には「あえて腑抜けに見えるくらいフニャフニャに動く」という極端さ(ある一定の要素だけ尖らせる)を作ることができると、それがその人のストロングポイントであり武器となります。
ただ、これは口で言うのは簡単ですが、より高みを目指すほど終わりのない話になります。なので、どの程度のレベルで行うのか?自分でコントロールが必要です。
情報過多な時代に踊らされず、トレーニングやエクササイズも柔軟な思考を持ちつつ芯を持って取り組んでいきたいですね。
〈一例として、デッドリフトで「収縮」と「弛緩」の関係性を考えます。デッドリフト は、臀部〜ハムストリングス、傍脊柱筋、肩甲骨周囲筋を一斉に使い、股関節の使い方も学べる種目。ダイエットや姿勢矯正、筋肥大させて身体にボリュームを作りたい時などにもおススメだし、パワー要素を高めたいアスリートにも推奨されるエクササイズの王様。なのでよくメニューに取り入れます。しかし、この種目は基本10(Max)の力を使うもの。ゆえに、やりすぎるとしなやかさは犠牲になります。解剖学上は、高重量に対し、骨盤軽度前傾位と脊柱全体の伸展位を保ち続けるため、傍脊柱筋に遠心性収縮が入ります。すると、慢性的で不必要なトーヌスが傍脊柱筋に入りやすくなり、脊柱の屈曲、伸展、回旋、側屈と全方向のしなやかさを失わせてしまいます。それは、グローバルマッスルの優位性を高くし、ローカルマッスルの機能を失わせることにもなり、大腿骨〜骨盤〜腰椎の各セグメントの関係性が悪くなり腰椎骨盤リズムが崩れます。それを永遠と続けると、特に腰か膝に痛みを誘発する環境を体に作ることになります。デッドリフトはたしかに良いエクササイズです。だからと言って、固めてしまうメニューに偏りすぎていないか?何かを犠牲にしすぎていないか?収縮と弛緩の観点からも考える余地があります。ただ、その考えが極端になると反対に、デッドリフトは腰や膝に悪いし硬くなるからからやらない方が良いよ、という偏った意見になってしまいます。〉
最後までお読みいただきありがとうございました。
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