【熱中症は予防できるのでできることはやる】
今日も暑いです!!暑い日はまだまだ続きます。なので、まだまだ熱中症に注意が必要です。
熱中症は、もちろん暑さが発生機序となることがほとんどです。
しかし、多くの場合暑い所にいていきなり熱中症になる訳ではありません。熱中症のリスクが高まる前提というものがあります。それがスポーツ現場でも職場や学校などでも軽視しがち、軽視されがちな内容です。
その前提とは『疲労』です。
疲労があると熱中症のリスクが高まります。
なぜなら、疲労も熱中症も視床下部が関係するからです。視床下部は、自律神経系と内分泌系の司令塔でありホメオスタシス(恒常性維持機構)の根幹を担い、体温調整中枢もそこにあります。疲労しているということは、視床下部に機能低下が生じやすいということ。それは、体温調整中枢が狂いやすいことを意味します。
なので熱中症になりやすい。
また、疲労は目で見えるものではなく感じるものなので、本人にも周りの人にもそれがリスクになっていると認識されにくいです。だからこそ注意が必要、ということになります。
水分やミネラル補給は意識が高いと思いますが、疲労に対しては意識が低い人が多いです。
熱中症は以下の4つをひっくるめた症状名です。
※特に、お年寄りや小さい子供に関わる方、スポーツ選手、指導者の方などは必ずおさえていないといけない知識です。これを機に見直しをぜひしてみてください。
①熱痙攣
→ミネラルバランスの破綻(主にナトリウム不足)による筋肉の不随意収縮。
症状は筋肉のつり、痙攣など。
②熱疲労
→過度な脱水。
症状は倦怠感、頭痛、吐き気、悪心、頻脈、浅い呼吸など。
③熱失神
→皮膚毛細血管の拡張による脳への血流不足。
症状は②に加え、めまい、立ちくらみ、軽い意識障害など。
④熱射病
→視床下部の体温調整中枢の機能破綻。
症状は昏睡などの強度な意識障害。脳、肝、腎、心などの多臓器に渡る障害やDIC(播種性血管内凝固症候群)により最悪の場合、死に至る。
解釈の仕方にもよりますが、基本的には①→②→③→④の順に状態が良くないということになります。
※②熱疲労と③熱失神は、別々ではありますが似た病態です。
※他に日射病というものもありますが、病態は熱射病と似ているので割愛します。
日常生活での具体的な注意信号は、継続的な倦怠感、トイレの回数が減る、頭痛、爪を圧して白くなったのがすぐに赤く戻らない、口が中が常に渇いている、手がいつもより冷たく感じるなどです。これらは、水分不足や自律神経の変調を意味します。
具体的なこれらの症状を明らかに出ている時、②の熱疲労になる手前か、すでに②の熱疲労になっているかもしれません。
予防のポイントは、「疲労」や「倦怠感」だけで済んでいる時にしっかり休むことです。そのレベルが高まるとひどい熱中症になりやすいという認識を持っておいた方がよいです。今回、それが皆さんに1番お伝えしたいことになります。
どうしても休む時間がない時は、当たり前のことですが、水分やミネラルの補給、体を冷やすツールを有効利用する、外でもなるべく日陰にいる、などの気配りがより一層必要です。最近はマスクの影響も大きいですしね。
そして、運動指導者は、さじ加減は非常に難しいですが、選手達と良くコミュニケーションを取り、選手の表情や所作などを観察し、その変化からリスクをできる限り軽減させる気配りが必要です。
特に各カテゴリーの一年生や立場の弱い選手(補欠の子など)は、しんどくても自分からは辛いと言い出しにくいことも多いです。指導者や保護者の方からより注意を払っておくべきです。普段から話しやすい環境作りが必要です。
アスリート自身は、キツイ練習が続いて「倦怠感」が明らかに続くようなら、勇気を持ってそれを指導者に伝えることも必要ですし、しっかりと「休息時間を作る」努力も必要となります。睡眠時間を削ってまでスマホをやっている場合ではないですよね。
なんにしろ、ここ最近スポーツ現場の選手達や、スタジオに来るクライアントさんから「倦怠感」や「疲労」の訴えが増えています。猛暑になってから約一カ月が経ち、そのため「疲労」を感じやすくなっているのだと思います。繰り返しになりますが、熱中症の前段階かもしれないと思い注意しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
追伸
様々な「疲労チェックシート」が開発されているので、それを利用して「疲労」を管理するのも良いと思います。内容はご自身でお調べください。