思い出は、記憶の中で白く飛んでいる。
まるで真夏の校庭に落ちていた、誰かの落としたハンカチみたいに。
僕は正しい道を歩んでいるのだろうか。それともどこかで迷路に迷い込んだのだろうか。
歩いても歩いてもたどり着けない道はどこに行くのだろう。
誰か言ってくれないか、君は間違えた道を歩んではいないよ、と。
その時僕は、強い一歩を踏み出すだろう。
励ましは、誰のためでもなく自分のためであったりする。
だから、息絶え絶えでありとも僕は叫ぶ。
前だ!
君の道は間違えてはいない! 胸を張りなさい! と。
22歳 / 谷村 新司