
あれから六年、大学を卒業した早苗は結婚。就職が決まらぬ香織は、道場での指導の日々を送っていたが、玄明先生が倒れ、道場に後継者問題が…。
香織と早苗それぞれの方法で道場を守ろうと奮闘する姿を描く「武士道」サーガ第四弾。はたして、この勝負、如何に―。
番外編の「美酒道コンペティション」と書店員座談会も特別収録。
「BOOK」データベースより
唐突な感じもしたけれど、早苗の大学時代と結婚後、その早苗を中心として歴史問題が取り上げられる。
従軍慰安婦問題、南京大虐殺、真珠湾攻撃……
これはもちろん、誉田哲也の考え方なのだろう。
これを盛り込んだことで、この小説の賛否は分かれるのかもしれない。
賛否の“否”の組は、単純に、この物語にこれが必要だったのか? という武士道シリーズファンと、何を書いているんだ、という“自虐史観”に染められてしまった人ではないだろうか。
作家としてインタビュー形式のものに自分の考え方を表明するのは問題ないとしても、小説に盛り込むのはかなり危険な試みだったように思う。
東京裁判(極東軍事裁判)におけるインドのパール判事が主張した内容については書かれていなかったけど、ざっくり補足するなら「全員無罪」。
そのあたりも含めて誉田哲也はよく知っていると思った。
日本軍は民間人を攻撃しなかった。それは戦争の決まり事(戦時国際法)における非戦闘員を攻撃してはならないというハーグ陸戦条約の最も大事な部分だからだ。
それを完全に無視したのが米軍だった。
日本各地の都市、民家密集地への無差別な空襲、広島長崎への原爆投下。
戦争犯罪を起こしたのは、アメリカに他ならない。
しかし、作家としては読者離れを起こしかねないことだと危惧した。
個人的には、誉田哲也がこんな考え方をする人だったというのはうれしかった。
いや、考え方ではなく、事実なのだけれど。だから僕はもちろん支持する。
そんな僕が嫌いな、戦後日本を最も貶めた政治家、“河野談話”の河野洋平はまだ生きている。
詫び状を書いて、腹を切るべきだと僕は本気で思っている。
“武士道とは死ぬことと見つけたり”の「葉隠れ」、新渡戸稲造の「武士道」
かつて僕が取り上げたことのあるものも書かれていた。
武士道とは、特攻とは……問いかけは重い。
明らかにねつ造である従軍慰安婦問題に関しては、個人的に、いつかそれをブログに上げようと膨大な資料と写真を集め続けていた。
先代のパソコンのご臨終により、すべては失われてしまったけれど。
こんなことを長々とブログに書くと、もう読みに来てくれない人もいるかもしれない。
でも、それはそれでいい。
“自虐史観”に捕らわれた、日本や日本人に誇りを持てない人とお付き合いしてもしょうがないから。

ここまで書いたことをすべて置いても、香織と早苗、とてもいい関係だった。ライバル黒岩レナもよかった。
久々登場の酔いどれ剣道先生吉野もよかった。
小説を読んで涙が景色を揺らすことはあるけれど、タオルハンカチを2度も3度も取り出してしまった。
“なぜ生きるか、ではなく、どう生きるか”
桐谷玄明先生も良かった。

最後、謝辞の次のページに出てくる長崎訓子のイラストをじっと見る。桐谷道場での集合イラストのようだ。
わかるわかる、手前に座っている子供たちは別として、誰が誰だかわかる。ちゃんと武具を身に着けた蒲生武道具店のたつじいもいる。
漫画やアニメを見たわけではないのに、イラストでそれを分からせるって、ある意味凄いな。
でも一人だけわからない女の人がいた。僕は重要な登場人物の一人を忘れてしまっているのかもしれない。
あ……モデルをしている早苗のお姉ちゃんか? それしか考えられないな。
桐谷道場を継いで、晴れて道場主になった香織が登場する物語が、いつの日か読めることを期待して……。
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