小学生の男の子に、お母さんが縄跳びを教えている。
手取り足取りというのではなく腕組みをして見守っている。その顔には、やれやれ、といった色を浮かべながら──。
サンタの服を着た小さい女の子が、うんしょこうんしょこと自転車を押していく。姉妹だろうか、それとも友だちだろうか、もう一人の女の子と、そばにはお母さんと思われる人。
どの人とどの人がどうつながっているのか判然としない昼下がりの公園。
その向こうには、もみの木にも劣らない、クリスマス然としたヒマラヤ杉。
冬枯れの木立の上には雲ひとつない空。時折吹く強い風。
僕達が受け継いできたもの。僕達が伝えなければならないこと。
僕達が、抱いて歩いて、背負ってきた荷。
雲が風にちぎり飛ばされるように、流れゆく時が曖昧にしてゆくものたち。
魅せられて / ジュディ・オング
台湾出身の有名人はたくさんいる。
「チキンラーメン」と「カップヌードル」を開発した日清の創業者安藤百福。ハーフだけれど世界の王貞治。金美齢。蓮舫議員。若い人は絶対読めない欧陽菲菲。テレサ・テン。インリン・オブ・ジョイトイ。ビビアン・スー。
でも僕はジュディ・オングを思い浮かべる。
この人のことを随分と年上の人だと思っていた。子供の頃などは、失礼なことを言えばおばさんに見えた。
若さというものから遠ざかって驚く。年齢なんてそれほど離れてはいなかったのだと。
若さを武器に、僕はきっと誰かを傷つけたに違いない。
若さは好奇心。若さは輝き。若さは可能性。みなぎる力、果てる底のない怠惰。
時として若さは罪。
真昼の蜃気楼──。
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