青い空に浮かんで、俺達はビルの窓を拭く―メシを喰うために、家賃を払うために。
けれど俺達はそれぞれやりたいことを別に持っている。音楽、芝居、写真、マンガ…。だから、俺達が窓を拭いているのは、夢を見続けるためなのだ!
熱く純なハートを持つ男達の夢と友情を感動的に描いた表題作。
ほかに、第十六回太宰治賞受賞作「多輝子ちゃん」を収録する。
─「BOOK」データベースより─
辻内/智貴
1956年福岡県生まれ。シンガーとしての音楽活動を経て、’00年に「多輝子ちゃん」で第十六回太宰治賞を受賞。
独自の世界観から紡ぎ出される小説は平易な文章でユーモアを交えながらも、人間にとって何が大事かを鋭利な刃物のように突きつけてくる。
現在最も期待される作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
─「BOOK著者紹介情報」より─
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ずいぶん昔に読んだから、内容なんてすっかり忘れているのだけれど、ずっと心に残り続けている小説。
読後感は爽やかだった。優しい気持ちになれた。鼻の奥がつんとした。ラストシーンは人の心にずっと残り続けるに違いない。
ご本人はそれほど読書家ではないそうですが、高校生の時に読んだ松本清張の『点と線』が気に入って清張の本は、よく読んだそうです。
ビルの窓ふきも経験したことがあるそうで、物語はリアルに展開されます。
青空のルーレットを読んで僕が感じたのは、ああ、こんないい作家さんがいたんだあ、という心躍るような喜びでした。
その後も追いかけて何冊か読みましたが、辻内智貴さんの本って、書店にもそれほど並んではいないような気がします。
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