古びた体育館の裏はいつも日陰で、木々を揺らして吹き抜ける風さえ、湿り気を帯びていた。
青く伸びた空、白く散らばる雲、強い日差し、地面を切り取る濃い影。

サッカーのゴールネットが揺れる校庭で、君は逆光線の中に立っていた。
笑っていたのか困っていたのか、眩しくて見えない顔で。
今でも、そのもどかしい空間に君が取り残されているようで、僕は時を越えてそこに駆け戻り、思い切り声を掛けたくなる。
夕方の雲が ホームの空を抜ける
この街で僕は 夢を見て旅している
ああ 青いベンチ腰かけ
君が手をふった あの日思い出すよ
この声が枯れるくらいに 君に好きと言えばよかった
もう二度と戻らない恋 痛みだけがちょっと動いた
青いベンチ/サスケ
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