星の数ほどにも思えた選択肢。
右にも左にも、それどころか上や下にさえも道がありそうに見えた未来。
やがて、夢見るころは過ぎて、選択肢がひとつふたつと消えてゆき、ときとして絶望で黒く塗りつぶされた明日。
来るはずもなさそうに思えた遥か彼方の未来はここにある。
けれど、そこに立ったのも束の間、良かれ悪しかれ、その未来という名の現実は、足早に過去へと過ぎ去ってゆく。
時は幻、時間は妖(あやかし)。
戻れないOne way ticketを握りしめて、揺れて揺られて泡沫(うたかた)の夢。
それさえもおそらくは、まぼろし。
それが生まれてきた意味だとしたら。
誰かが嗤(わら)うだろうか。
嗤わば嗤え。
誰の上にも、陽はまた昇る。
諦めない限り、陽はまた昇るのだから。
Grover Washington Jr/Winelight
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