「捕まえに来るってこと」
「そうさ、そして怖いところへ連れていかれる」
「ホケンジョだ! 聞いたことがある」
「殺されちゃうの!?」
「新しい人間の家族が見つからなければ、最悪そうなるかもしれない」
「ダメよそんなこと!」
「だって、僕らの公園を奪われたんだよ。そもそも悪いのは向うじゃないか」
「愛がないわ」
「愛ってなに?」

視線の先で子猫たちが振り向いた。
「食べ物じゃないよ。愛って何かを、今キャラが説明してあげるよ。な、キャラ」
「急にそう言われても困るんだけど……たとえば、食事を運んでくれる人たち、あのおじちゃんやおばあちゃんや、親子連れ。あれって愛なんじゃないのかな。私たちは何もお返しなんてしないわ。あの人たちだって、それを望んでのことじゃないだろうし」

「僕も、その乱暴な案には賛成できないな」三毛猫が首を振った。

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