東京の電車はいつになっても学ばない。冬は雪だって降るのに、もう、グダグダになる可能性があるのに学ばない。
それはそう、僕のように……。
突然だけれど、イソップ童話のアリとキリギリスという話はみんな知っているよね。
夏の間、冬の食料を蓄えるためにアリたちは働き続け、キリギリスはバイオリンを弾き、歌を歌って過ごす。

やがて冬が来て、食べ物を探したけれど見つからないキリギリスは、最後にアリたちに乞い願い、食べ物を分けてもらおうとするんだ。
だけど、「夏には歌っていたんだから、冬には踊ったらどうだい?」とアリたちは食べ物を分けることを拒否して、キリギリスは飢えて死んでしまう話だ。
僕はアリだろうかキリギリスだろうか。
君はアリだろうかキリギリスだろうか。
キリギリスは愚かしく見える。けれど、こつこつと働いたアリたちには慈悲がないように見える。
どちらが正しくどちらが間違いとも判断しかねる。
だって、キリギリスのように好きなことして生きていきたい。
でも、アリのようにこつこつと働かなければ生きていけない。
一つ目は希望であり、二つ目は現実である。
僕はキリギリスより働くけれど、アリほどは計算できないし、働き者でもない。だけど、それなりの慈悲はある。
でも、それはたぶん何の役にも立たないことを僕は知っている。
僕はキリギリスのようなアリになりたい。
うん、アリのようなキリギリスではなくね。
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作詞:作曲:歌/吉田拓郎
「どうしてこんなに悲しいんだろう」