貧しい中でも、僕は本を読んだ。
明日食べるものがなくなろうと、本を買って読んだ。僕はきっと、生きる意味を探っていた。
その中のひとりが亀井勝一郎(文芸評論家)だった。
―人生論・幸福論―

―恋愛論―

―青春論―

─愛の無常について─

この人の言葉がどれほど自分の身についたのか、どれほど役に立ったのか、今となっては分からない。
人は言葉を咀嚼し、嚥下し、役に立たないものは排泄し、心にしみたものは血肉となっていく。
そう、自分の身となり言葉になっていくのだから、分からないのは当たり前かもしれない。
どんなに感銘を受けた言葉でも、忘れてしまうことがある。けれど心動かされたものなら、必ずやこの身のどこかで生きているはずだ。
人間は死ぬべきものだ。恋愛が成立するための、これが基本条件である。
愛情がこもっていて無口な人こそ、人生の伴侶としてふさわしい。
恋の味を痛烈に味わいたいならば、それは片思いか失恋する以外にないだろう。
結婚生活を末永く導いてゆくものは、普通の意味での恋愛でもなく、また情痴の世界でもなく、それらを経た後に来る慈悲――人間のあるがままの姿への愛情であろう。
絶望は人生に必ずつきまとうものだ。絶望しないような人間はある意味でたよりない人だといえる。
食べることはもちろんだけれど、生きてゆくことに、僕は必死だった。
「俺たちの旅」 作詞:作曲/小椋桂 歌/中村雅俊
ポチポチッとクリックお願いします。
短編小説 ブログランキングへ
にほんブログ村