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福岡の内科外科院長のブログ

福岡の内科外科院長のブログです。医療の事はもちろん、日々のクリニックでの出来事など投稿します。

皆様、こんにちは。消化器内科外科の院長です。

胃カメラ・大腸カメラをはじめ、おなかの痛みや痔などの消化器系疾患を専門としています。今回もお腹の不安が少しでも和らぐ情報をお届けしていきます。

 

やっと朝晩は秋らしくなってきましたね。35度を超える猛暑が続く残暑もやっと落ち着きそうです。ただ、夏の暑さが厳ければ厳しいほど、この時期にも夏バテのような症状が出てきます。なんだか体がだるい、食欲もない…そして、追い打ちをかけるようにやってくる「吐き気」。その不快な症状に、あなたも今、悩まされていませんか。水分補給もしているし、しっかり寝ているはずなのに、どうして調子が戻らないのだろうと、不安に感じているかもしれません。

 

その不調、単なる夏バテ、秋バテだと軽く考えていると、長引いてしまう可能性があります。実はそれ、「胃腸夏バテ」と呼ばれる、胃腸のSOSサインかもしれません。この記事では、あなたのその辛い吐き気の原因を優しく解き明かし、今日からすぐに始められる具体的なセルフケア方法をお伝えします。この記事を読み終える頃には、きっと心も体も軽くなり、快適な日常を取り戻せる希望が見えてくるはずです。

 

 

 

1. 吐き気の正体は「胃腸の冷え」と「自律神経の乱れ」

 

 

夏に感じるその辛い吐き気、その根本的な原因は「冷たいものの摂りすぎによる胃腸の冷え」と「室内外の寒暖差による自律神経の乱れ」、この2つが大きく関係しています。これが、あなたの胃腸が悲鳴を上げている「胃腸夏バテ」の正体です。

 

暑いからといって、アイスやキンキンに冷えた飲み物ばかり口にしていませんか。冷たいものが直接胃腸に入ることで、内臓が急激に冷やされ、消化機能がガクンと低下してしまいます。すると、食べたものをうまく消化できなくなり、胃もたれや吐き気を引き起こすのです。

 

さらに、猛暑の屋外と冷房の効いた室内を行き来する生活は、体温を調節する自律神経を疲弊させます。また、朝晩と日中の気温差が大きくなる10月も自律神経が乱れ、胃の働きをコントロールするバランスも崩れます。すると胃酸の分泌が過剰になったり、逆に動きが鈍くなったりして、不快な吐き気につながってしまうのです。つまり、夏の生活習慣と残暑、秋の寒暖差が複合して、あなたの胃腸を追い詰めているのです。

 

 

 

 2. なぜ夏に胃腸は悲鳴を上げるのか

 

 

特に近年の酷暑の夏から残暑にかけて、いかに私たちの胃腸にとって過酷な環境であるか、その理由を知ることで、対策がより明確になります。胃腸の不調は、単に「食べ過ぎた」といった単純な理由だけではないのです。

 

漢方の考え方では、夏バテそのものが「胃腸の弱り」からくるとされています。胃腸は、私たちが生きていくためのエネルギーを作り出す「工場」のような存在です。しかし、夏の暑さや湿気はこの工場の働きを著しく低下させます。エネルギー生産が滞ることで、全身のだるさや無気力感といった、いわゆる夏バテの症状が現れるのです。

 

また、大量に汗をかくことで体内の水分やミネラルが失われると、血液がドロドロになり、胃腸への血流も悪くなります。血流が悪くなった胃腸は、栄養を十分に受け取れず、ますます機能が低下するという悪循環に陥ります。さらに、暑さで食欲が落ち、そうめんなど喉越しの良い炭水化物に偏った食事は、ビタミンやミネラルの不足を招き、胃腸の働きをさらに弱めてしまいます。このように、夏の環境と生活習慣が複合的に絡み合い、あなたの胃腸に大きな負担をかけているのです。しかも今年も35度以上の残暑が10月の初旬まで続く地域もありました。自律神経もかなり疲れています。

 

 

 3. 今すぐできる!胃腸をいたわる簡単セルフケア3選

 

 

辛い吐き気を和らげ、弱った胃腸を元気にするために、今日からすぐに実践できる簡単なセルフケアを3つご紹介します。

 

* 「常温」の飲み物を意識する

まずは、冷たい飲み物を控えることから始めましょう。キンキンに冷えた水やお茶ではなく、常温のものを意識的に選んでください。それだけで、胃腸への直接的な冷えを防ぎ、消化機能の低下を食い止めることができます。白湯や温かいハーブティーなどもおすすめです。

 

* 消化に良いものを少しずつ食べる

食欲がないからと食事を抜くのは逆効果です。胃腸に負担をかけない、おかゆやうどん、豆腐、鶏のささみ、白身魚などを少量から試してみましょう。大根や生姜、ネギなどの薬味は、消化を助ける働きがあります。脂っこいものや刺激物は、胃腸が元気になるまでお休みしましょう。

 

* お腹を物理的に温める

腹巻きをしたり、シャワーで済ませず湯船に浸かったりして、お腹周りを物理的に温めることも非常に効果的です。外側から温めることで、胃腸の血行が促進され、機能回復をサポートします。寝る前に、温めたタオルをお腹に乗せるだけでも、心がほぐれてリラックスできます。

 

 

 

4. 胃腸をいたわる生活で、快適な夏を取り戻そう

 

 

いかがでしたか。この時期も続く不快な吐き気が、なぜ起こるのか、そしてどうすれば和らげることができるのか、お分かりいただけたかと思います。「胃腸の冷え」と「自律神経の乱れ」という2大原因を理解し、今日からできる小さなセルフケアを積み重ねていくことが何よりも大切です。

 

あなたの体は、正直です。冷たいものばかりを欲していた体に、少しだけ温かいものを与えてあげる。忙しい毎日の中で、少しだけ胃腸を休ませてあげる。そんな小さな優しさが、確実にあなたの体を良い方向へと導いてくれます。

 

もし、セルフケアを続けても症状が改善しない、または悪化するような場合は、決して我慢せず、専門の医療機関に相談してください。胃腸炎や食中毒など、別の病気が隠れている可能性もあります。自分の体を大切にすること、今日から胃腸をいたわる生活を始めて、辛い吐き気にさよならを告げましょう。