皆様、こんにちは。消化器内科外科の院長です。
胃カメラ・大腸カメラをはじめ、おなかの痛みや痔などの消化器系疾患を専門としています。今回もお腹の不安が少しでも和らぐ情報をお届けしていきます。
インフルエンザとノロウイルスは、毎年冬にピークを迎える代表的な感染症です。
福岡でもすでにインフルエンザ注意報が出ており、今季は例年より流行が早い傾向が見られます。一方で、正しい予防と初期対応を押さえておけば、「家族全員がダウンする冬」をかなり減らせます。
この記事では、冬に流行るインフルエンザとノロウイルスを中心に、仕組みと予防、家庭での対処を徹底的に解説します。
1.最強の対策は「基本の徹底」
冬の流行性感染症に勝つカギは、特別なサプリや高価なグッズではなく、手洗い・ワクチン・生活習慣という基本の徹底です。
インフルエンザにはワクチン接種、ノロウイルスには手洗いと食中毒対策が、それぞれ最も効果的な予防策とされています。
そこに、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動で免疫力を底上げする習慣を組み合わせることが重要になります。
この「当たり前の三本柱」をどこまでやり切れるかで、冬に病気になりやすいかどうかが大きく変わるといえます。
2.インフルエンザとノロウイルス性胃腸炎の特徴を知る
インフルエンザは飛沫感染と接触感染が中心で、咳やくしゃみ、会話でウイルスが周囲に飛び散ります。潜伏期間は一〜三日ほどで、突然の高熱、全身のだるさ、関節痛、咳などが急激に出る点が特徴です。
福岡では2025年シーズン、秋からすでに流行が始まり、注意報レベルを超える地域も確認されています。例年よりもピークが早いと予想されており、12月は一層の警戒が必要です。免疫ギャップや行動制限の緩和などが重なり、ここ数年は流行時期が前倒しになる傾向が指摘されています。
一方ノロウイルスは、ごく少量のウイルスでも感染し、主に嘔吐や下痢、腹痛を引き起こします。カキなどの二枚貝、生焼けの食品、汚染された手指や調理器具を介して、家庭や施設内で一気に広がりやすい病原体です。
冬は気温低下と乾燥でウイルスが長く生き残りやすく、窓を閉めがちな環境も重なって、集団感染が起こりやすくなります。
だからこそ、ウイルスの入り口をふさぐ対策と、入ってしまったときの広がりを抑える対策の両方が必要といえます。
3.今日からできる予防習慣
⑴ 手洗いとマスクの徹底
最も効果が高いのは、正しいタイミングでの手洗いです。
外出後、トイレのあと、調理前、食事前は必ず石けんと流水で30秒ほどかけて指先や爪の間まで洗います。
ノロウイルスはアルコールに強いため、手指消毒だけでは不十分で、石けんによる機械的な洗浄が重要です。インフルエンザの流行期には、人が多い場所や公共交通機関でマスクを活用すると、飛沫の吸い込みを減らせます。
⑵ ワクチンで重症化を防ぐ
インフルエンザワクチンは「かからない魔法の注射」ではありませんが、重症化や入院のリスクを下げる効果が確認されています。
福岡でも、流行が早まるシーズンは特に、早めの接種が勧められており、自治体や医療機関から情報発信が行われています。
高齢者、基礎疾患を持つ人、妊婦、小児といったハイリスク群では、ワクチン接種の優先度がさらに高くなります。家族単位でスケジュールを決めておくと、「気付いたら流行ピークで予約が取れない」という事態を避けやすくなりますので、早めに検討しましょう。
⑶ 食事と睡眠で免疫力を底上げ
十分な睡眠は、免疫細胞の働きを支える基本条件です。
夜更かしや不規則な生活が続くと、インフルエンザワクチンの効果さえ十分に発揮されない可能性が指摘されています。
食事では、タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよくとれる和食中心のメニューが日本人の体質にはあっていると考えられます。腸内環境を整えるために、味噌やヨーグルト、納豆などの発酵食品を日々少しずつ取り入れることもおすすめです。
4. 受診の目安と家庭でのポイント
⑴ こんなときは早めに受診
高熱が続く、呼吸が苦しい、意識がもうろうとする、強い倦怠感で動けないといった症状は、インフルエンザや肺炎のサインかもしれません。
乳幼児や高齢者、持病を持つ方は、軽い症状でも悪化が早いため、自己判断で様子を見過ぎないことが大切です
嘔吐や水のような下痢が続き、水分がとれない、尿が極端に少ない、ぐったりしている場合は、ノロウイルスなどによる脱水の危険があります。その際は、時間帯にかかわらず医療機関へ相談し、必要なら点滴などを含めた治療を受ける必要があります。
⑵ 家庭内で広げない工夫
家族の一人がインフルエンザやノロになった場合、同じタオルやコップの共用は避けてください。
トイレや洗面所、ドアノブなど、みんなが触る場所は、こまめに拭き掃除と消毒を行うと二次感染を減らせます。
嘔吐物や下痢便を処理するときは、使い捨て手袋とマスクを着け、ペーパータオルで静かに拭き取り、塩素系漂白剤を薄めた液で消毒します。掃除後の手洗いも忘れず、衣類や寝具はほかのものと分けて洗うようにしましょう。
冬に流行る病気として、代表的なインフルエンザとノロウイルスの症状と対策を解説しました。正しい知識と日々の小さな習慣で、リスクを大きく減らすことができます。
福岡でも流行が早まるシーズンが続いているからこそ、今のうちに家族で予防ルールを話し合い、寒さに負けない冬を準備していきましょう。