【秋バテ?】胃もたれ・食欲不振が続く…何科を受診する?医師が解説する見極めポイント | 福岡の内科外科院長のブログ

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「夏の暑さは過ぎたはずなのに、なぜか胃が重い」「朝ごはんを見ただけで食欲がわかない」「好きだったものも、半分食べるともう入らない」。10月に入り、少し真夏の暑さは和らいでも、こうしたご相談はたえません。

 

仕事や家事は待ってくれませんから、「そのうち治るだろう」と我慢してしまう方も多いと思います。一方で、「ただの疲れならいいけれど、何か悪い病気では…」と不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

 

この記事では、胃もたれや食欲不振が続くときに、様子を見てよい場合と受診したほうがよい場合の見極め方、そして何科にかかればよいのかを、説明します。

 

 

 

 胃もたれ・食欲不振が続くとき、何科を受診すればいい?

 

 

胃もたれや食欲不振が続いているものの、「何科を受診すればいいのか分からない」という方もいるでしょう。そのような場合は、まず一般内科やかかりつけ医に相談することをおすすめします。

 

胃もたれや食欲不振は胃腸の不調だけでなく、体調の変化や服用している薬など、さまざまな原因が関係していることがあります。一般内科やかかりつけ医では、症状や経過、生活習慣などを確認したうえで、必要な検査や治療について判断してもらえます。

 

診察の結果、胃や食道、十二指腸などの病気が疑われる場合には、消化器内科や胃腸外科などの専門科を紹介してもらうこともできます。

 

また、最初から消化器内科など、胃腸を専門的に診療している医療機関を受診しても構いません。胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が必要かどうかを含め、より詳しい検査について相談できます。

 

 

 

 秋バテ」って何?なぜ胃腸にくるの?

 

 

「秋バテ」は正式な病名ではなく、夏の疲れや秋の気候の変化によって起こる体調不良をまとめた呼び方です。胃もたれ、食欲不振、だるさ、眠りの浅さなどが代表的です。

 

胃腸の動きは、自律神経という体の調整役が支えています。夏は冷たい飲み物やそうめんなどで胃腸が冷えやすく、冷房と屋外の気温差でも自律神経は疲れがちです。そこへ秋の朝晩の寒暖差が加わると、調整が追いつかず、胃腸の動きが鈍って、胃もたれや食欲低下として表れることがあります。

 

10月は日中が過ごしやすくなる一方で、朝晩はぐっと冷え込む日もあります。「暑さが落ち着いて、ほっとしたら一気に疲れが出た」という方も多く、気が緩んだ時期に症状が表に出てくることもあります。

 

ただし、ここが大切なところです。胃もたれや食欲不振の原因は、秋バテだけとは限りません。胃炎、逆流性食道炎、機能性ディスペプシア(検査で目立った異常がないのに胃の不調が続く状態)、胃や十二指腸の潰瘍など、さまざまな可能性があります。症状だけで見分けるのは、医師でも難しいことが多いのです。

 

 

 

 様子を見るときのセルフケア

 

 

症状が軽く、数日で少しずつ楽になってきているなら、次のような工夫で様子を見てもかまいません。

 

- 食事は少なめに、回数を分けて:一度にたくさん食べず、消化のよいおかゆ、うどん、豆腐、白身魚などを選びます。

- 脂っこいものや刺激物は控えめに:揚げ物、辛いもの、アルコール、カフェインは、症状が落ち着くまでお休みしましょう。

- お腹を冷やさない:冷たい飲み物は控え、白湯や温かいお茶をゆっくり飲みます。入浴で体を温めるのもおすすめです。

- 睡眠と休息を確保する:自律神経を整えるには、睡眠時間と生活リズムが欠かせません。

- ゆっくりよく噛んで食べる:早食いは胃への負担になります。

 

食欲がないときは、無理に食べようとするより、まず水分を切らさないことが大切です。常温の水やお茶、薄めのスープ、経口補水液などを少しずつ口にしてください。食べられるようになってきたら、様子を見ながら少しずつ量を戻していきましょう。

 

市販の胃腸薬を使う場合は、用法・用量を守り、服用しても改善しないときは使い続けずに相談してください。なお、痛み止めを日常的に飲んでいる方は、それが胃に負担をかけていることもあります。服用中のお薬は、受診のときに遠慮なくお伝えください。

 

 

 

 こんなときは早めに医療機関へ(受診の目安)

 

 

「様子を見てよいか迷う」という方は、次のポイントを目安にしてください。

 

 

早めの受診をおすすめするサイン

 

 

1. 胃もたれや食欲不振が2週間以上続いている

2. 食事量が減り、体重が落ちてきた(特に思い当たる理由がない場合)

3. 食べ物が飲み込みにくい、胸やのどにつかえる感じがある

4. みぞおちの痛みや胃の不快感が、くり返し起こる

5. 貧血を指摘された、立ちくらみやふらつきが増えた

 

 

 

当日または急ぎで受診してほしいサイン

 

 

- 黒いタール状の便が出た、血の混じった便が出た

- 血を吐いた、コーヒーのかすのようなものを吐いた

- 激しい腹痛がある、お腹が硬く張っている

- 嘔吐が止まらず、水分もとれない

- 発熱や皮膚・白目の黄ばみを伴う

 

また、強いストレスや緊張が続いているときにも、胃の不調は起こりやすくなります。「忙しいから仕方ない」と流さず、体が出しているサインとして受け止めてあげてください。

 

特に40歳を過ぎてから初めて胃の不調が続くようになった方、ここ数年胃の検査を受けていない方は、「年のせい」「疲れのせい」と決めつけず、一度相談してみてください。症状が軽くても、検査で安心できること自体が、立派な治療の一歩になります。

 

 

  診察室ではどんなことをする?医師からひと言

 

 

診察では、まずお話をうかがいます。いつ頃から、どんなときに症状が出るのか、食事や睡眠、お仕事の状況、服用中のお薬などをお聞きし、お腹の状態を確認します。そのうえで、必要に応じて採血や胃カメラなどの検査をご提案します。

 

受診の前に、次のことをメモしておくと診察がスムーズです。

 

- いつ頃から症状があるか(急に始まったか、少しずつか)

- 食事との関係(食後に出るのか、空腹時に出るのか)

- 体重の変化、便の色や回数

- 服用中のお薬やサプリメント

- 直近の健康診断や胃の検査の時期

 

完璧でなくても大丈夫ですので、思い出せる範囲でお話しください。

 

また、必要に応じて胃カメラなどの内視鏡検査もあります。

胃カメラと聞くと「つらそう」と身構える方も多いのですが、「見える形で確認できる」ことは大きな安心材料になります。検査をした結果、特に大きな異常がなければ、「秋バテによる一時的な不調でしょう」とお伝えできますし、胃炎や逆流性食道炎などが見つかれば、早い段階で適切な治療を始められます。

 

 

我慢強い方ほど、受診が遅れがちです。「こんなことで来てもいいのかな」と思う段階が、実はちょうどよい受診のタイミングだと思って受診してください。

 

 

 

  最後に

 

 

胃もたれ・食欲不振が続くときのポイントを振り返ります。

 

- 受診先で迷ったら、まずは内科・消化器内科・胃腸外科など胃腸を診てもらえる科へ

- 秋バテは、夏の疲れや寒暖差による自律神経の乱れが関係することがある

- 軽い症状なら、少量で消化のよい食事・体を温める・しっかり休むことで様子を見る

- 2週間以上続く、体重が減る、飲み込みにくい、黒い便が出るなどのときは早めの受診を

- 吐血・黒い便・激しい腹痛などは、すぐに医療機関へ

 

胃の不調は、体からの大切なサインです。ひとりで抱え込まず、気になる症状があればいつでもご相談ください。

 

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。