胃の不調でお悩みの方は、ピロリ菌の検査を検討してみてはいかがでしょうか。ピロリ菌は、胃炎や十二指腸潰瘍、胃がんの原因となる細菌です。福岡でピロリ菌検査を受けようと考えている方に向けて、ピロリ菌の特徴や検査時の注意点について解説します。
1. ピロリ菌とは
ピロリ菌は、正式名称「ヘリコバクター・ピロリ」といい、らせん状の細菌で、胃の粘膜に感染します。この微生物は胃酸の分泌を促進し、胃炎や十二指腸潰瘍、そして最悪の場合、胃がんを引き起こす可能性があります。
⑴ ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌は主に口から口への感染が一般的で、乳幼児期に家族から感染することが多いと考えられています。日本では成人の約60%が感染していると推定されています。
⑵ ピロリ菌感染の影響
ピロリ菌感染が様々な消化器関係の病気を引き起こす可能性があります。
① 胃炎や十二指腸潰瘍の原因となる
ピロリ菌感染により、胃の粘膜が炎症を起こし、胃炎や十二指腸潰瘍を引き起こす可能性があります。これに伴う症状には胃痛、吐き気、食欲不振などがあります。
② 胃がんのリスクを高める
ピロリ菌感染は胃がんのリスクを増加させます。感染者は一般の人に比べて2~3倍もの高いリスクがあるとされています。
③ 貧血や低栄養の原因となる
ピロリ菌に感染すると、鉄やビタミンB12の吸収が低下し、貧血や低栄養の原因となることがあります。
2.早期発見と治療の重要性
ピロリ菌感染が引き起こす症状は進行すると深刻なものになります。ただ、
早期発見し治療をすれば、ピロリ菌は駆除できるのです。健康診断や人間ドックでピロリ菌検査ができる場合もありますので積極的に活用しましょう。
⑴ 検査の種類と注意点
ピロリ菌検査は、呼気検査や血液検査など、さまざまな方法があります。それぞれの検査方法によって、検査時の注意点が異なります。
① 呼気検査
呼気検査は、胃酸の成分である尿素を摂取し、尿素を分解する際に発生する水素を呼気中に検出する検査です。所定の薬を服薬し、吐いた呼気から判定します。
② 血液検査
血液検査は、血液中に含まれるピロリ菌の抗体や抗原を検出する検査です。
③ 内視鏡検査
内視鏡検査は、胃カメラを用いて胃の粘膜を直接観察する検査です。
また、胃カメラ検査の際、ピロリ菌感染が疑われる場合は、血液検査や呼気検査も行います。
どの検査も予約時に注意事項はお伝えしますが、基本的に下記の注意点をお守りください。
・検査当日は、空腹の状態で受診をお願いします。
・検査前日の夕食は、消化の良いものを食べてください。
・検査当日は、飲酒、喫煙だけでなく、水以外は飲食しないでください。
また、ピロリ菌検査を受ける前に、服用している薬がある場合は、医師に相談をお願いします。
3. 福岡でのピロリ菌検査と治療について
日本成人の半数以上がピロリ菌を持っていると言われる現代、胃がんのリスクを考えると検査と治療はとても重要です。福岡でも検査できる医療機関はたくさんありますので、健康診断や人間ドックの時だけでなく、お時間あるときに一度検査をし、治療を始めましょう。
⑴ ピロリ菌の治療について
ピロリ菌の治療は、抗菌薬を用いた除菌療法が一般的です。除菌療法は、1週間または2週間の期間、2種類の抗菌薬と1種類の胃酸分泌抑制薬を併用して行う治療です。
除菌療法の成功率は、約80%とされています。しかし、ピロリ菌に耐性をもつ菌が出現することもあるため、除菌療法が失敗することもまれにあります。
除菌療法が失敗した場合は、別の抗菌薬を用いた除菌療法を行うか、内視鏡検査でピロリ菌の有無を確認して、感染が続いている場合は、抗菌薬の種類や投与期間を変更して除菌療法を試みることになります。
ピロリ菌の除菌が成功すると、胃炎や十二指腸潰瘍の再発率が低下し、胃がんのリスクも低下することが知られています。
⑵ ピロリ菌の除菌療法を受ける際の注意点
・除菌療法は、医師の指示に従って、きちんと服薬することが大切です。
・除菌療法中は、アルコールは厳禁、刺激物の飲食も避けましょう。
・除菌療法中に、吐き気や下痢などの副作用が現れた場合は、医師に相談してください。
当院も検診や人間ドックだけでなく、ご予約いただければ、胃カメラ、呼気検査、血液検査などピロリ菌の検査を行っています。
検査結果が判明するまでは数日間必用ですが、ピロリ菌が陽性であれば、1週間程度薬を内服することで、ピロリ菌を除菌することができます。
福岡でピロリ菌検査をお考えの方は、お早めにご予約下さい。放置する期間が長くなると、胃潰瘍や胃がん発症のリスクが知らないうちに進行しているかもしれません。