武田花著『写文集 猫と花


武田花さん、4月30日に亡くなられたそうです。


武田泰淳さん武田百合子さんのひとり娘。写真家、エッセイスト。


百合子さんの『富士日記』に書かれている幼い花さんの様子を読んでいて、何となく同年代位かと勘違いしていましたが、ちょっとお姉さんでした。


本書は街なかで撮った猫の写真と、身近にいた猫に関する文章で編まれた一冊。


他にも『猫光線』『ポップス大作戦』など何冊か家にあるのを引っ張り出して拾い読み。


お母様の百合子さんの著作は飾らない素直な言葉で普通の日常を書き綴ったもの(日記ですから)がおもしろかった。

花さんの本は、目に映る風景を切り撮っていてどこかにあっていつか見た気がするのだけれど、でも異世界の入り口のようなあやうさや現実感のない印象を受ける。


写真集は値が高くて諦めたものもあったけど、もっと手に入れておけばよかった。

小説を読むのとはまた違ったふくらんだ時間をもたらしてくれるものだったな。

ありがとうございました。