「響け!ユーフォニアム 3」
第五回「ふたりでトワイライト」
麗奈がかわいいって。かわいいんやって。
「音大は?」
「つまりできるなら仕事にしたいってこと?」
「何を目標に生きてるわけ?」
追い込んで(追い込んでるつもりはなさそう)久美子の進路を自分と同じ道にしようとする麗奈かわいすぎる。みぞれが音大に受かったことも持ち出して。必死やないか、かわいい。
現実的には、久美子が音楽の道へ進むことは視聴者も賛成しかねる。全国金を目指す部の長として恥ずかしくないレベルではあっても、おそらく現段階で実力は真由に劣るレベルだ。真由はそれに気づいてる。
久美子は部長の仕事で自己研鑽の時間が足りてないのは明らか。麗奈は久美子の演奏が好きと言うが、オーディションは好きだけでは済まされない。
「家来る?」
「音大でいいんじゃないの?」
「音楽じゃだめなの?」
必死の麗奈が続ける。
友達と会えなくなるって経験をしたことないからな、麗奈は。同じ音楽は2度と奏でられない、それが私と久美子の間で起きるなんて考えられない。
トランペットとユーフォのソリ、確かめ合うふたり。真由と久美子の練習ソリを聴いたから(しかも真由はトランペットパートを…!)麗奈は必死さを隠さない。
あれ?なんで麗奈宅にユーフォニアムがあるんだ?久美子が来やすいように買っておいた…?怖いとかわいいが同義語になった。かわいい。
まあとにかく。
大吉山で愛を見つけた一年目、
喜撰橋から花火を見上げた二年目、
麗奈宅のスタジオで吹く三年目。
ずっと一緒にいたい。ずっと一緒にいてほしい。こんな思いを何度も抱かせる第五回だ。
あがた祭の光景を目に焼き付ける視聴者。
もう2度と同じ演奏はない、できない。
あがた祭の日はみなうわついてる感じ、いかにも「響け!ユーフォニアム」らしい。
みどりが葉月とはしゃぐ姿を見てた求の表情。みどりへ抱いてる感情に変化か?姉の姿を見ていただけ?
あ、香織先輩と晴香先輩がいた。誰も気づいてないってのがいい。
進路についての久美子と美知恵先生の会話も実によかった。
「迷いをなまけの言い訳にするなよ」
「安定した職業に就きたかったからだ。今ではいちばん良かったと思ってる」
「設計図通りには行かないものだ。考え過ぎはよくないぞ」
久美子が言う。
「目標もなく決めていいのかな」
美知恵先生が答える。
「少なくとも、流されがちな生徒の言葉ではないと思う」
視聴者は1期での滝先生の言葉を思い出す。
「でも選んだのはこの仕事でした。結局好きなことって、そういうものなのかも知れません」
この言葉で自分がいかにユーフォが好きであるかに気づいて走り出した久美子だった。
進路についても「好き」が大きく関わってほしいものだ。美知恵先生との対話はまたあるのかな。久美子の進路、コンクール以上に気になる。
美知恵先生との場面が終わる時、一瞬映った磁石の意味は?ひとり離れることを暗示してる感じだが、なぜここで?久美子がひとりに?
「特別だから大丈夫」と語り合った久美子と麗奈の場面でも、最後に映った宇治川に映る月の光が磁石と相似形だった。なぜこの場面で。輪からひとりが離れてる。久美子が四面楚歌に?
クローズアップされた久美子の瞳がグロテスク。きれいってグロテスクと表裏一体だと思う。もちろん褒めてます。
真由に関して。
久美子の領域にずかずかと土足で、いや上履きで踏み込む真由、そこから出ていく久美子。
あがた祭に誘われたけど先約があると本能的に嘘をつく久美子。単なる真由への警戒心からか、あるいは嫌悪か、自分がオーディションで落ちる恐れを感じてか、麗奈との関係に都合が悪いと感じてか。
「そのオーディション、私もやるんですか?」
「あがた祭ってなに?」
「もしよかったら一緒に行かない?」
久美子への特別な感情を感じる。
裁縫が得意なことに加えてフィルムカメラが趣味ときた。フィルムカメラの特徴ってなんだろう?切り取り、焼き付け、現像、何を暗示してるのだろうか。
真由のことが分かったとき、好きになりそうだ(もう好き)。
そういえばエンディングアニメーションでカルテットがひとりひとつのカメラを持って写真撮ってるよな。
全国で金を獲るための、変えなきゃならないこと。オーディション3回。体がもたない。