「梟 -フクロウ-

原題:올빼미(フクロウ)

英題:THE NIGHT OWL

2022 韓国 118

@UPLINK京都 平日11:50 観客11


細いものが目に刺さる映画と言えば、僕ら世代は未来永劫「サンゲリア」だから、てっきりホラーだと思って見にきたら違った。

相変わらず予告編では目を瞑るしチラシの文字情報もほとんど読まずインスピレーションで見る映画を選んでるからすべてがサプライズ。つくづく映画は事前情報少なめで見るほうが純粋に楽しめる。


時代劇版「見えない目撃者」。ホラーじゃなくてサスペンススリラーだった。ちょっと物足りなさはあるけど、やはりこういった映画の手堅さやぬかりのなさは韓国映画の秀でたところ。またしても羨ましいなと感じてしまった。前半はコミカルなつくりなのに、中盤にギアを上げてからの展開力はさすがの韓国。映画館だからこそ楽しめる暗闇シーンの多いこと。これ、家で見たら画面に色々映り込むからいまひとつに違いない。


会社や上司や先輩の不正に気づいてしまったらどうする?故意に植栽を枯らしたり、故意に数字を偽ったり、売上のために確証なきまま誰かを貶めたり、血税で私腹を肥やしていたら?不正とまではいかなくても、現代の自分にも置き換えてみることもできる、知らんほうがよかったと思うか知っといてよかったと思うかを咀嚼する時間をくれる映画。


関係ないけど、ブルース・スプリングスティーンのアルバム「HUMAN TOUCH」収録の「I wish I were blind」は自分史に残る名曲。


ハコヤナギの花を見るのが好き

早春に青い鳥が愛のメッセージを運んでくるのを見るのも好き

だけど、あなたがあいつと歩いてるのを見ると、目なんか見えなけりゃよかったのにと思う