ふと、スコット牧師を思い出す年始。


「祈るだけではだめだ。行動せよ!

神はあなた方に、強くなれと願っている」


体重や年齢で気後れし、牧師についていくのを渋る婦人シェリー・ウィンタースの 「上に行けば何かあるの?」に対しては、 


「あります。命が」   


自分を救うのは常に自分だ。祈るだけでは助かるものも助からない。とにかく行動するんだと伝えるスコット牧師。教会から爪弾き、僻地に左遷された俺たちのアウトサイダーが、キリストやモーゼのごとく遭難者を率いて地獄から脱出を図る。 


その過程で、シェリー・ウィンタース扮する太った婦人(役作りで太った)がピンチの牧師を助けるため水に飛び込む蛮勇を見せるが、牧師を助けた直後、心臓発作で他界する。足手まといになってるのではないかと常に気にしていた婦人は、かつて水泳の金メダリストだった力を発揮。牧師を助けた事で自信を回復し、生ききった達成感を抱きしめながらこの世を去る。


最後の扉を目の前にした時、ことあるごとにスコット牧師に反発してた刑事ロゴの妻リンダが命を落とす。ロゴを演じる眉毛俳優は俺たちねアーネスト・ボーグナイン。実は似たもの同士なのに逆恨みしてスコット牧師をののしる。その時、パイプが破裂して高温の蒸気が吹き上げ、道が閉ざされる。意を決し、決死の行動に出るスコット牧師。  


「神よ、あなたは一体何人の命を奪えば気が済むのですか?私達は、何もあなたの助けを求めず自分たちでやってきた。もう邪魔するのはやめてくれ!!」


牧師の命を賭した行動に声もないロゴ刑事。スコット牧師が死んで絶望したスーザンは「無理よ、誰も助けてくれないわ」と泣き叫ぶ。 


だが、「いや!牧師ならやめない」とひたすら鉄板を叩き続ける人々がいた。これだ、スコット牧師が残してくれたものは。