台所の小さなブラウン管で観た日常洋画劇場が人生の特等席だった僕のもうひとつの、父が教えてくれた人生の特等席は、アルプス席とライト側外野。今春もアルプスは関係者のみとなったので迷わずここで、雨が降るまで観戦しました。


右中間を割る飛球を2人の外野手が追う、打者走者が二塁を蹴る、中継プレーが点を線にする、走者と白球が同軸を描く、その向こうでもうひとりの外野手が無駄走りをして送球をカバーしている。攻撃中が休憩時間な野球というスポーツで最もスペクタクルな瞬間のすべてが見える場所。1試合の中でそれが見られる確率は1.3%(当社独自調査)。そこがいい。

謎の前方詰め込み販売システムにより、好みより前方かつ右寄りだったけどまあいいか。

All those moments will be lost in time…
like tears in rain.
だからこそ、人生で大切なことは思い出づくりであり、思い出を作ってるいまというこの瞬間なのであろう。
ブラスバンドがアルプスに帰ってきた。