ついに天竺国の近くへとやってきた三蔵一行…

しかし彼等の行く天竺国西域の村はすでに妖怪達の手がまわっていた…

天竺国守備隊の活躍もありなんとか妖怪達を倒したものの村の人々は…

しかし大半が天竺国に居ると聞き…

三蔵一行は西域の村を後にし、天竺国へと急いでいた。


八戒「どうなっているんだ!?一体?」

悟浄「天竺国は無事なのか!?」

承恩「…わかりません。」

三蔵「とにかく、急ぎましょう!!」

悟空「何もなければいいが…」

玉龍「城門が見えてきました!!」


天竺国の城門前まで着いた三蔵一行。


三蔵「開けてください!!私は玄奘三蔵です!!」


城門の扉がゆっくりと開いた。


悟浄「…こ…これは。」


そこには何も無かったかのように平穏な時間を過ごす人々がいた。


門番「三蔵一行様ですね。皇后陛下がお待ちです。」

三蔵「ちょっと待ってください!!西域の村が襲われているのですよ!!何故皆さんを避難させないのですか!?」

門番「…少し落ち着きください。」

八戒「落ち着けだ!!ふざけんな!!あっちの村はすでに火の手がまわっている!!妖怪達がすぐにこっちにも…」


怒号に気付きどよめき出す人々。


門番「無用な心配はかえって混乱を生みます!!!!」

悟浄「…八戒止せ。…どうやらここの警備は万全らしいな。…たしか西域の村人がここに避難したと聞いたのだが?」

門番「村人は街の中の診療所に避難しています。」


それを聞くと走り出す承恩。


三蔵「承恩!!」

玉龍「お師匠様!承恩さんは私が!!」


承恩の後を追いかけて玉龍も走り出した。


悟浄「…村人が避難したのに。誰も不思議がらないのか?」

門番「…正直…あきらめなのかもしれません。」

悟空「何?」

門番「今月に入ってもう何回も妖怪達に襲われています。初めは四方の村だけだったのですが…」

悟浄「…西域の村が墜ちた今、次に狙われるのは…」

三蔵「この国。」

八戒「…くそっ!!なにがどうなってんだ!!」

門番「詳しくは皇后陛下より仰せられるでしょう。…さぁ三蔵様、どうぞ皇后陛下様のもとへ。」

三蔵「はい。」

悟浄「いいのですか!?師匠!…その…会わなくても…」

三蔵「…今会った所で彼の危険が無くなるわけではありません。ならばまず私のするべき事はその危険を取り除く事。」

悟空「…三蔵。」

八戒「…お師匠様。」

悟浄「師匠がそうおっしゃるのなら。」


城門を後にする三蔵達、一方その頃町の診療所ではけが人を治療する医者や介抱する人、怯える人、泣き叫ぶ人、その中で一人の少年が目の前に横たわって苦しそうに寝ている少年の介抱をしていた。


ユンファ「…亮杏。」

承恩「亮杏!!!亮ぃ杏!!!」

ユンファ「おば様…、おば様!!」

承恩「…ユンファちゃん!!」

ユンファ「亮杏が…亮杏が…」

承恩「…亮杏。」

ユンファ「亮杏がアチシをかばって妖怪に…」

承恩「…守ったのね。」

ユンファ「お医者さんの話では命には別状は無いって…ただ2日は安静にしてくださいって…」

承恩「…そう…最後まで村を守ろうとしたのね。…ちゃんと約束を守って…。…ユンファちゃん…。…亮杏をよろしくね。」

ユンファ「…え?」

ジョーオン「私にはまだやる事があるの。…大丈夫、必ず帰ってくるわ。」

亮杏「……母さ…ん…」

承恩「…亮杏。…よく頑張ったわね…。あなたはもう立派な守手です。……二人とも良く聞いて…いいこと……これから先何があろうと、二人で力を合わせて、限られた時間を精一杯…生きなさい。…人の命は儚く尊い物…それを…決して忘れないで。」

亮杏「………う…ん…」

ユンファ「おば様。」

亮杏「……かぁ…さん…」

承恩「……ん?」

亮杏「……心配…し…な…いで…」

承恩「…うん。」

亮杏「…行って……らっ…しゃい…」

承恩「…うん……行って来ます!!」


亮杏とユンファに笑顔を見せてその場を後にする承恩。少し走った所で玉龍が止めた。


玉龍「承恩さん!!」

承恩「玉龍さん?」

玉龍「何故!?そばに居てあげないんですか!!」

承恩「…あの子も守手としての宿命は知っていますから。」

玉龍「そんな…。そんなの…守手なんて関係ない!!あなたは一人の母親なんですよ!!」

ジョーオン「出来れば私だってそうしたい!!………ですが…今、私がやらなければ…また、多くの人の悲しみが増える。多くの人の命が奪われる。目の前の事に執着したばかりに周りに被害がかかる。…そうはしたくないんです。自分が出来る事は精一杯したい。…あの子も…きっと…そうしたはずですから。」

玉龍「…そんな……辛くは…ないのですか!?」

ジョーオン「…ありがとう、玉龍さん。心配してくれて。ですが、今は個人の感情で動いてられない。早く皇后陛下のもとへ行き。原因を突き止めなくては。」

玉龍「……。」

ジョーオン「……ただ、自分の子供の事なのに……子供って、いつの間にか、1人前になっていくんですね。…あの子に勇気付けられちゃいました。……心配しないでって。」

玉龍「……承恩さん。」

承恩「さぁ、皇后陛下の城へ行きましょう!!」

玉龍「はい!!」


二人は一緒に皇后陛下の城へ向かった。その頃、三蔵、悟空、悟浄、八戒は皇后陛下の間に居た。


皇后陛下「よぅ、参られた。玄奘三蔵。」

三蔵「初めてお目にかかります、皇后陛下。」

皇后陛下「長旅ご苦労であったな。」

三蔵「いえ……皇后陛下。先ほど我等は西域の村を通ってまいりました。」

皇后陛下「西域の…」

三蔵「…村は妖怪に襲われ、酷い有り様。…一体何があったのです?」

皇后陛下「……うむ…本来そなたには教典を渡すだけにしたかったのですが。……そなたに全てをお話いたしましょう。…その前にその物達にはおさがり頂いても宜しいかな?」

悟空「俺達に話せない事か?」

悟浄「悟空!口を慎め!!」

八戒「……出てけばいいんだろ!」

悟浄「八戒!!…申し訳ない。失礼します。」


席を外す三人。


三蔵「………お話とは?」

皇后陛下「…三蔵。そなた…牛魔王とゆう妖怪を聞いた事がありますか?」

三蔵「えぇ、たしか妖怪の中でも1、2を争う力の持ち主だと、聞いたことがあります。古い文献にも載っていますがたしかその力故、神に封印をされたと…」

皇后陛下「…西域の村を……いえ、今、この国を襲っている妖怪達…、それこそが牛魔王の手下なのです。」

三蔵「…では、この国を狙っているのは…」

皇后陛下「…そう、牛魔王なのです。」

三蔵「…そんな。」

皇后陛下「…そなたに渡すはずの教典……それも奪われてしまいました。…なんとか守ってはいたのですが、そなたが近くに来たと聞き、彼等も焦ったのでしょう。……それまでに無い数でこの国を襲ってきました。…その際に…。」

三蔵「…では教典も牛魔王が…」

皇后陛下「おそらく…」

三蔵「そうですか…」

皇后陛下「…なんとか止めようと我等も必死に戦っていたのですが…」

三蔵「……私の周りではいつも争いがおきる…」

皇后陛下「……三蔵?どうなされた?」

三蔵「…あ、いえ。…状況はわかりました。では皇后陛下様、私達一行にその牛魔王の居場所をお教え願えませんでしょうか?」

皇后陛下「なんと!?牛魔王の元へ行こうとゆうのか!?」

三蔵「……私達一行が牛魔王を倒し、教典を取り戻してみせます!!……それでこの国が救われるのなら。」


決意を決めた三蔵。しかし彼の前に表れたのは以外な人物だった。


この話は三蔵一行が消息を絶つ前…


三年前の出来事である…





彼等、三蔵一行は幾多の試練を乗り越え遂に…


三蔵「ジョーオン、あれが…」

ジョーオン「そうです!天竺国ですよ!!」

山の中腹にいる彼等、そして遠くに見える街それが天竺国…

八戒「着いたんだ…本当に、着いたんだぁぁ!!!」

悟浄「…ようやく、たどり着いたな。」

玉龍「やりましたね!皆さん!!」

悟空「……」

三蔵「どうしました?悟空?」

悟空「…いや、長かったと思ってな…」

八戒「おいおい、まさか泣いてんじゃ無いだろうな?」

悟空「バ…バカやろう!何いってやがる!!」

悟浄「猿の目にも涙…か。」

八戒「初めて見るな~。悟空の涙。」

悟空「だから、泣いて…」

玉龍「意外と涙脆いんですよ。この前なんて…」

悟空「うぉい!!」

悟浄「面倒くさい奴だなぁ。」

三蔵「さぁ、では少し休んだら、西域の村に行ってみますか。」

八戒「何でだよ!!直接皇后の所に行って教典を貰いに行かねぇのかよ!?」

悟浄「八戒…気を使え。」

八戒「え?…あぁ、そっか。」

悟空「三蔵…あんた自分の息子にまだ会ってないのか?」

三蔵「えぇ。…恥ずかしながら。」

ジョーオン「大丈夫。すぐにわかってくれますよ。」

三蔵「なら、いいのですが…」

玉龍「きっと大丈夫ですよ。自分の父親がどんなに偉い偉業を成し遂げたのかを、伝えれば。」

悟浄「そうですよ。師匠。」

八戒「…なぁ悟空?お前、この旅が終わったらどうすんだ?」

悟空「…特に考えてないな。」

悟浄「天界には帰らないのか?」

悟空「色々悪さしちまったからな、あそこには居場所が…」

玉龍「十分、罪は償いましたよ。」

悟空「……どうかな。」

八戒「…あ~あ。いいなぁ~。最愛の人が近くに居るってのはよ~。」

悟浄「どうした?翠蘭の事でも思い出したか?」

八戒「当然でしょ!?早く帰って逢いたいの!!オレは!!あ~!!翠蘭~!!」

悟空「…うるさい、色豚。」

八戒「なんだとこのチンパンジー!!」

悟空「何をこの黒豚!!」

八戒「あ~!!言いやがった…」

【すぐ近くで爆発音がする。】街の西側にある小さな村から黒い煙がたっていた。

悟浄「なんだ!?」

玉龍「あれ!!」

ジョーオン「そんな…村が…」

三蔵「皆さん!!参りましょう!!」

全員「おう!!」

三蔵一行は急いでその場を後にし、西域の村に行く。その途中…

ジョーオン「…何故?…どうして?……亮杏。無事で居て。」

八戒「ジョーオン!ボサッとしてるな!!」

悟浄「道が開けてきた!!そろそろか!?」」

ジョーオン「えぇ!!もうすぐです!」

悟空「三蔵と玉龍は下がってろ!!」

三蔵「しかし!?」

悟空「あんたが前に出ても迷惑だ!!」

玉龍「…心配なのはわかりますが、ここは彼等に任せましょう。」

三蔵「…頼みます。皆さん。」

山の中の鬱蒼とした森を抜け小さな村につく彼等、しかしすでに火の手は勢いを止める事は出来ないぐらいに燃え盛っていた。その中を妖怪達が襲っている。

ジョーオン「ヤメロォォォ!!」

ジョーオンが先陣を切って突き進んで行く。

悟空、悟浄、八戒「ジョーオン!!」

ジョーオン「皆さんは手を出さないで……天竺西域が守手、誤ジョーオン…」

手にしている剣により一層力を込めた。

ジョーオン「押して参る!!!」

次々に妖怪を斬り進めていくジョーオン。しかし妖怪達の数は圧倒的に多かった。

悟空「ジョーオン!!」

八戒「助太刀するぜ!!!」

悟空、悟浄、八戒が戦闘に加わりなんとか抑える事は出来ているがやはり数が圧倒的に違い過ぎた。

ジョーオン「…っく、天竺国守備隊は何をしているの!?」

悟浄「数が違い過ぎる!!」

三蔵「ジョーオン!!皆さん!!」

玉龍「駄目ですよ!!お師匠様!」

悟空「二人とも出てくるな!!!」

三蔵、玉龍は近くに身を潜めていたのだが三蔵が前に出て、それを抑えるのに必死な玉龍。それに気づく妖怪達。

悟浄、八戒「お師匠様!!!」

ジョーオン「三蔵!!!」

悟空「玉龍!!!」

二人に向けて迫っていく妖怪達。それに対し近づけない悟空、悟浄、八戒、ジョーオン。

玉龍「きゃぁぁ!!!」

三蔵がとっさに構えた直後、妖怪達に無数の矢が刺さる。それは同時に悟空達の戦っていた妖怪達にも…

三蔵「……これは」

守備隊「三蔵一行様でございますね。」

少し小高い山そこには多くの人がそれぞれに剣や弓を構え見事に並んでいた。

三蔵「あなた方は?」

守備隊「我等は天竺国守備隊です。到着が遅れ申し訳ない。ここの妖怪達はあらかた倒しました。しかし数が多い故…」

三蔵「いえ、助かりました。」

ジョーオン「村の人々は!?」

守備隊「大半は天竺国へ避難を…しかし…」

ジョーオン「…そうですか。」

守備隊「…あなた方が無事でよかった。皇后陛下も喜ぶ事でしょう」

ジョーオン「……」

三蔵「ジョーオン?」

守備隊「さぁ、後は我々に任せて天竺国へ。」

八戒「ジョーオンの子供は!?無事なんだろうな!?」

守備隊「…分かりません。ですが、避難所行けばきっと…」

悟浄「…行ってみよう。」

玉龍「…ジョーオンさん。」

悟空「……」

ジョーオン「…あの子は私に似て強い子…だからきっと大丈夫。」

三蔵「ジョーオン。」


守備隊に村を任せて天竺国へ行く三蔵一行。


ゆっくり振り返るジョーオン…その目には燃え広がる村が映っていた…



三蔵『…亮杏、それが私の子供…』