三蔵一行は自分達が居る所が時の神殿であると知り皇后は時の創世をねらっている事を牛魔王より教えられた…

直後、時の神殿は崩れさった…

三蔵一行は皇后を止める事を決意したが妖怪達に阻まれる…

悟浄と八戒を残し先に進む三蔵達、しかし玉龍をさらわれ、それを追う悟空、承恩と三蔵は二人、皇后の元へ急いでいた…

悟空は玉龍を助けに向かうが玉龍を捕まえていたのは紅該児だった。悟浄と八戒はすでに紅該児に食べられていた…

悟空は紅該児に戦いを挑んだ…

二人を火柱が包みこんでいた…

一方、三蔵と承恩の目の前には多くの妖怪を従えた皇后がいた…


皇后「それは困りますね~。玄奘三蔵。」

三蔵「…皇后陛下。」

皇后「ワラワと共に都に凱旋とまいりましょうか?」

承恩「ふざけないで!!」

皇后「ただし、その前に…コレの封印を解いてもらわねばならぬがのう。」

三蔵「…お断りします。」

皇后「ほお。」

三蔵「人が人の領分を越えることは決して許されません。定められた天命を精一杯生きるからこそ、人の命は尊いものなのです。」

皇后「有り難い説法、傷み入りる…しかし、これを見ても同じ事が言えるかのう?」

承恩「何ですか!?」


玉龍が紅該児に捕まりやってくる。その後ろには焼かれてボロボロな姿の悟空がそこにあった…


承恩「玉龍さん!!」

玉龍「お師匠様、悟空が…悟空が燃やされて!!」

三蔵「…悟空。」

皇后「この者達の命がおしくば、封印を解け。」

玉龍「すみません…国の人たちを盾に…」

紅該児「天界の者は人を傷つける事が出来ぬ故、赤子の手を捻るがごとくであったわ!!」

承恩「きたない!!」

紅該児「当たり前だ!!」

三蔵「…何故…こんな事を…」

皇后「仕方が無かろう、時の管理人によってほどこされし秘術は最高僧である、お主にしか破れぬのだから。」

三蔵「……」

皇后「さぁ、ワラワに従え!!さすればすぐに二人を解放してやろう!!」

玉龍「お師匠様!!駄目です!!」

皇后「紅該児!!」

玉龍「きゃぁぁぁ!!」

承恩「玉龍さん!!」

紅該児「お主も見なくは無かろう?弟子が死にゆく様を…それとも、あの二人のように見捨てるか?」

三蔵「まさか!?」

紅該児「焼き豚と焼き河童のことよ!!」

承恩「二人をどうしました!?」

紅該児「喰ろうた!!肉汁がジュワ~って出てジュウシィで…おいしかったです。」

承恩「アアァァァ…!!!」


咄嗟に剣を抜き紅該児に向かってゆく承恩、しかし攻撃はかわされ捕らえられる…


三蔵「承恩!!」

皇后「もう一度言う。この者らを助けたくば封印を解け、玄奘三蔵!!」

三蔵「……わかりました。」

承恩「駄目!!こんな奴の言いなりになどなっては!!」

皇后「母に向かってこんな奴とは…娘とは薄情なものよのう…」

承恩「あなたなどもう母ではありません!!」

紅該児「キエェェイ!!」


紅該児が承恩を殴りつけた…


承恩「きゃぁぁぁ!!」

三蔵「お願いです!!封印を解きます…だから皆を…」

承恩「三蔵!?」

皇后「それでよいのだ!!」

承恩「あなたが!!……西域の村を襲ったのですか!?」

皇后「えぇ、結界を破るためにねぇ。」

玉龍「そんな事の為に村を!!多くの人を…」

皇后「そんな事とは!!口が過ぎますよ!!小娘!!」

承恩「お母様も、守手だったではないですか!!何故!?自分が守ってきた物を…そんなに…簡単に…」

皇后「…あなたはまだ若い。…年をとれば自分の老いる体に嫌気もでよう。」

承恩「……そんなの…わかりません!!」

皇后「ワラワの言葉は届かんか。」

承恩「…私は…三蔵に…皆さんに出会って、何が大切なのか分かりました。」

三蔵「…承恩。」

玉龍「…承恩さん。」

皇后「やはり、あなたを旅に出したのは間違いでしたねぇ。」

承恩「そんな事は…」

皇后「仕方ない!!…全てを忘れてもらおうかのう。」

承恩「え?」

皇后「小娘…あなたもねぇ。」

玉龍「……」


承恩と玉龍の動きが止まっていた…


三蔵「何を!?」

皇后「ワラワの秘術を使って二人の記憶を消してくれるわ!!」

悟空「…やめ…ろ…」

皇后「猿め…まだ生きておったか……ちょうどいい。愛する者が自分を忘れる所を見るがいい!!」

三蔵「やめてください!!」

皇后「汝等ワラワの可愛いクグツよ!!」

悟空「…やめろ!!」

皇后「汝等の心にある愛しき者を汝等の過去から消せ!!」

紅該児「……あぁあ…」

皇后「もし、思い出せし時は、汝等が死す時なり!!」

三蔵、悟空「やめろぉぉ!!!!」


何かが砕ける音がし、承恩と玉龍が膝をついた…


三蔵「…承恩。」

悟空「…玉龍。」


承恩と玉龍の近くへ駆け寄る二人…


承恩、玉龍「…あなたは?」

三蔵「承恩…承…恩…」

皇后「あはは…!!生かしておいてやっただけでも、感謝するんだな。」

三蔵「あなたは…愛する人を忘れられた人の気持ちは分からないんですか!!」

皇后「わからぬな!!」

紅該児「……」

三蔵「あなたはそうやって…愛する人を忘れたのですか!?」

皇后「そうだ!!」

三蔵「あなたにも…愛する人が居たはずです。…その愛した人の気持ちは考えられないのですか!?」

皇后「そんな事…」

三蔵「ずっと側で守っていたんですよ!!最期までずっとあなたを思っていたんですよ!!それを忘れたなんて……そんなに簡単に……忘れたなんて………簡単に言うな!!」

紅該児「……三…蔵…」

皇后「まるでワラワの夫にあって来たかのようですなぁ。」

悟空「…会って…きたさ。」

皇后「何?」

悟空「知らな…かったのか、牛魔王は…あんたの……夫だ!!」

皇后「……馬鹿な事を……あの人はずっと前に…」

三蔵「あなたが妖怪と契りを交わした時…神は……あなたを消すように彼に…命じた!!……彼は…変わりに罰を受け、時の神殿に…」

皇后「何を…言うておる…あそこには……牛魔王が…」

三蔵「それは我々人間が勝手に言っているだけの事……彼は…あなたを一時も…忘れてなんていなかった!!」

皇后「嘘…嘘よ!!」

悟空「嘘じゃない!!アイツは…最期に……あんたを……止めてくれって!!」

皇后「……そんな…私は………いえ…まだ…間に合う!!時の創設さえ使えば!!」

悟空「やめろ!!…アイツは…そんな事は……望んでいない!!…もう…あんたに……罪を…重ねてほしくないんだ!!」

皇后「うるさい!!猿が!!」


皇后が手を振り上げると鎌鼬がおき、それが悟空を襲った…


悟空「グアァァ…!!」

皇后「さぁ、封印をとけ三蔵!!さもなくば貴様の息の根を止めるぞ!!」

三蔵「……私は…力には、屈しない!!」

皇后「…ああぁぁぁ!!」


またも鎌鼬を起こし三蔵を攻撃する皇后…
その時、三蔵の前に承恩が…


三蔵「承恩!!」

承恩「……三…蔵…」

三蔵「承恩!!記憶が!?」

皇后「あぁ…そんな…」

承恩「あなたに……出会えて…私は……幸せだった……あり…がとう…三…蔵…」

三蔵「…承…恩…」

皇后「駄目!!承恩!!こんなの!!…こんなはずしゃない!!……私は……私は…ただ……あの日のように…幸せの時間を……家族で…暮らしたかっただけなのに!!」

紅該児「…皇后。」

皇后「…時の創設よ!!…アレの封印さえ解ければ…承恩は蘇る!!三蔵!!時の創設の…」

紅該児「もうよせ。」

皇后「紅該児!!貴様……あ…なた…」


そこには紅該児ではなく牛魔王と呼ばれた男が立っていた…


男「承恩は蘇えらない。人の天命は限られている。承恩は…三蔵を守る為に精一杯……生きたさ。」

皇后「……ずっと…そばに…いたんですね。」

男「もう…終わりにしよう…」

皇后「……えぇ。」


男が皇后を抱き寄せると火柱が二人を包んだ。そこにはもう二人の姿はなかった…


玉龍「……」

悟空「……三蔵…」

三蔵「あ…あぁ…」


三蔵は承恩の亡骸を前にへたり込んだ…


悟空「…終わったんだ…」

三蔵「……何が…何が終わったんですか!?」

悟空「……」

三蔵「承恩……私は…承恩を守れなかった!!…承恩がいなくては…私の生きる意味など!!」

悟空「…三蔵。」

三蔵「神は何故こんな仕打ちを!!…神に仕えてきたのに!!……こんなの!!私は!!望んでない!!」

悟空「……」


ふと目に付くのは時の創設…


三蔵「こんな物が…どうして…この世に存在する!!……それも神の意志か!?………コレさえ……コレさえ無ければ!!……承恩は!!」


時の創設を手にした三蔵、しかし顔色がみるみる変わっていった…


三蔵「……そうか…コレが……神の意志か……はは…アハハハ…!!」

悟空「…三蔵?」

三蔵「そうだ!!コレで全てを無かった事にすればいい!!」

悟空「…止めろ!!…三蔵!!俺達の…してきた事を……全て…無駄にする気か!!」

三蔵「我は咎人…」

悟空「悟浄や…八戒や…」

三蔵「血に染まりし名…」

悟空「皇后や…牛魔王…」

三蔵「玄奘三蔵が呼ぶ…」

悟空「承恩がしてきた事を…」

三蔵「目覚めよ!!時の創設!!」

悟空「無駄にするなぁぁ!!!!」


悟空は三蔵の下に走り出した、時の創設から青白い光が、三蔵、悟空、玉龍、その場にいた全員を光が包み込んだ…


天竺へとやってきた三蔵一行、村は妖怪に襲われ、天竺国も襲われそうになっていた…

妖怪を手引きしているのが牛魔王と聞いた三蔵は、牛魔王の神殿へと…

牛魔王に天竺国皇后が村人を操って天竺国を襲っている事を知った一同…

天竺国では皇后が元老院で長老達を殺し神殿に向かっていった…

三蔵一行は自分達が居る所が時の神殿であると知り皇后は時の創世をねらっている事を牛魔王より教えられた…

直後、時の神殿は崩れさった…

三蔵一行は皇后を止める事を決意したが妖怪達に阻まれる…

悟浄と八戒を残し先に進む三蔵達、しかし玉龍をさらわれ、それを追う悟空、承恩と三蔵は二人、皇后の元へ急いでいた…

悟浄と八戒は紅該児と戦っていた…


八戒「うあぁぁ…!!!!」


勢い良く飛ばされる八戒、二人はもうボロボロだった…


悟浄「クッ…八戒!!」

八戒「グハッ!!……強ぇ。」

紅該児「どんだけやられりぁ気が済むんだ?」

八戒「……くそっ…たれ!!」

悟浄「…まだ…まだぁ!!」

紅該児「フン!!」


紅該児に斬りかかって行く悟浄と八戒、しかし攻撃はかわされ返り討ちに…


悟浄、八戒「うあぁぁ……!!!!」

紅該児「まったく、いい加減諦めろよ!!」

八戒「…諦め?……何を…諦めるんだよ!!」

紅該児「生きることを!!」

悟浄「…ふざけ…るな。」

紅該児「何故、立ち上がる?」

八戒「…当たり前だろ!!」

悟浄「俺達には…守るべき物がある。」

紅該児「なんだ?世界の平和か?」

悟浄「…そんな…大きな物は、守りきれんさ。」

紅該児「じゃぁなんだ?仲間か?」

八戒「…仲間は…それぞれ自分を守る力がある。そんなもんじゃねぇ!!」

紅該児「何?何なんだ!?一体!?」

悟浄「元は牛魔王だったんだろ?…そんな事も忘れたのか?」

紅該児「…ムカつくな。」

八戒「…お前、ちょっとは人間として、暮らして居たんだろ?」

紅該児「…嫌な思い出だな。」

八戒「人間の本当の強さの源は…わからなかったのかよ!!」

紅該児「わからねぇよ!!」

八戒「あの国に足らなかったのは何だと思う!!」

紅該児「なんだ!?」

悟浄「…希望だよ。」

紅該児「あぁ!?」

八戒「希望を持った人間は何者よりも強くなる。」

紅該児「だから、何だってんだ!?」

悟浄「お前も分かるだろう!!希望をもった人間の強さを!!」

紅該児「あんな弱っちいもん、この世から消してやるよ!!」

悟浄「無理だな。」

紅該児「あぁん!?」

八戒「そんな事は…」

悟浄「俺達がさせない!!」

紅該児「そうかい!!…じゃぁお前達を…いや、希望ってやつを消してやるよ!!」

悟浄「八戒……行けるか?」

八戒「あぁ…どうやら三蔵達には追いつけそうにないな。」


二人は大きく深呼吸して構えなおした…


悟浄「…倒了…お前に会って伝えたい事があったのに。」

倒了『師匠!!』

悟浄「…倒了?」

八戒「ゴメンね…翠蘭…約束……守れそうにないや。」

翠蘭『私は八戒を信じます!!』

八戒「…翠蘭?」

悟浄「…聞こえたか?八戒。」

八戒「あぁ、聞こえた……ありがとう…翠蘭…」

悟浄「すまん…倒了…流石、自慢の弟子だ……八戒!!心置きなくゆけるな!?」

八戒「あぁ!!…例え俺達が死んだって…」

紅該児「何をゴチャゴチャ言ってんだ!!」

悟浄「希望は!!!!!」

八戒「消えない!!!!!」


叫びながら斬り込んで行く悟浄と八戒…


紅該児「死ねぇぇ…!!!」


燃え盛る炎があたりを埋め尽くす…

一方三蔵と承恩は天竺国へと急いでいた…

承恩「大丈夫ですか?三蔵?」

三蔵「えぇ、ですが悟空達が…」

承恩「あの者達なら、きっと大丈夫……それより…教えてください、三蔵。」

三蔵「…何を?」

承恩「私達は正義の為に戦っているんですよね!?」

三蔵「……」

承恩「あなたは都に教典を持って帰って、人々が幸せに暮らせる世の中を作る為に、天竺国まできたのですよね!!」

三蔵「……」

承恩「神殿にいた妖怪達は何かを守っているようでした……もしかして…私達は…」

三蔵「皇后に利用されたのです。」

承恩「そんな!?じゃぁ私達のしてきた事は…」

三蔵「侵略です。」

承恩「…そんな…」

三蔵「牛魔王が最期の時…私に教えてくれました。……あの神殿は時を操る『時の創世』を守りし場所だと、皇后の本当の目的はそれを手に入れる事。」

承恩「…何故!?どうして!?」

三蔵「……とにかく今は皇后を止めなくては…」

皇后「それは困りますね…玄奘三蔵。」


三蔵と承恩の前には妖怪を従えた皇后が…
一方玉龍をさらった妖怪を追っていた悟空がようやく妖怪に追いついた…


悟空「玉龍!!」

玉龍「悟空!!来ては駄目!!」

悟空「何!?…お前は!!」


悟空の目の前では紅該児が玉龍を捕まえていた…


悟空「紅該児!!」

紅該児「…ようやくメインディッシュの到着だ!!」

悟空「何を言っている!!」

玉龍「…悟浄さんが!!……八戒さんが!!…」

悟空「どうした!?玉龍!!」

紅該児「前菜で~す。旨かったです!!」

悟空「……まさか!?……お前!!」

紅該児「はい。食べました。」

悟空「お前ぇぇ…!!」

紅該児「オォット!!動くなよ!!お前の大事な女に傷がつくぜ!!」

悟空「…っく!!」

紅該児「理解できたか?」

悟空「…玉龍を離せ!!」

紅該児「…まだ理解してないようだな。人質はコイツだけじゃないぜ。」

悟空、玉龍「え!?」

紅該児「…天竺国の人間全てが人質よ!!」

玉龍「…酷い!!」

紅該児「まったく…お前等は、全てを守りたいらしいな。」

悟空「何!?」

紅該児「あの河童も豚も、守る、守るって言ってうっとおしかったぜ!!」

悟空「…悟浄…八戒。」

紅該児「悲しむことは無いぜ!!…お前もすぐアイツ等の所に行くんだからな!!」

悟空「グアァァ!!」


強烈な一撃が悟空の腹に入る…


悟空「…く、…力だけじゃ、俺は倒せないぜ!!」

紅該児「…お前等は!!」


紅該児は悟空を蹴り腹這いになった所で何度も何度も踏みつけた…


紅該児「ムカつくんだよ!!…なんでそんなに向かってくるんだよ!!かなわない相手だって分かってんのによ!!あの河童も豚も!!なんで!!お前等は!!諦めない!?」


紅該児の足をつかむ悟空、しかしその手に力を入れる事は出来なかった…


悟空「……アイツ等に……聞いたろ?……俺達には…守りたい……物が…あるって…」

紅該児「…もう聞き飽きた!!死ねよ!!悟空!!」

玉龍「やめてぇ!!」


その時白い光が辺りを包んだ…


悟空「……止めろ…」

紅該児「今更命乞いか!?」

悟空「……止めろ!!玉龍!!」

紅該児「何!?なんだ!?これは!?」


白い光は玉龍から出ていた、玉龍の影が後ろに伸びていた、それはまるで龍のようだった…


紅該児「お前!!まさか天界の!?」

悟空「…駄目だ!!…玉龍!!……力を…解放するな!!」

玉龍「私は悟空を守る!!…例え戒律を破ったとしても…私は…」

紅該児「バカな!?天界の龍族が何故こんな所に!?」

玉龍「あなただけは…」

悟空「…やめろよ。…玉龍。」

玉龍「…悟空。」

悟空「今お前が力を使ったら、お前だけじゃない…天界の…お前の一族やゴウコウまで、天界にいられなくなる。」

玉龍「でも!!」

悟空「罪を背負うのは俺一人で十分だ…お前まで罪を背負う事はない。」

玉龍「でも…悟空…」

悟空「いいんだ!!……約束したろ?お前を必ず天界にまた連れて行くって。」

玉龍「……」

悟空「それに俺は…もう戦いから逃げないって決めたんだ。」

玉龍「…悟空。」


白い光が少しずつ消えていった…


紅該児「…この小娘が!!」

玉龍「きゃぁぁ!!」


紅該児は玉龍を殴りつけた…


悟空「玉龍!!」

紅該児「まさか龍族とはな……気を失ったか……天界の戒律を破ってまで守ろうとするとはな~。狂気の沙汰だな!!」

悟空「紅該児!!」

紅該児「…なんだ?」

悟空「いや…牛魔王!!」

紅該児「……」

悟空「あんたは…玉龍がなんでそこまでして守ろうとしたか……わかる筈だ!!悟浄や八戒が何を守ろうとしたか…わかる筈だ!!」

紅該児「…うるさい。」

悟空「俺達!!三蔵一行が!!それぞれ何を守りたいか!!!わかる筈だ!!!」

紅該児「…うるさい!!うるさい!!」

悟空「何故なら……あんたもずっと…希望を守ってきたからだよ!!!牛魔王!!」

紅該児「…えぇい!!奴は死んだ!!!俺様は紅該児だ!!」

悟空「その姿で…ずっと…皇后を守っていたんだろ!?」

紅該児「……うぅ…違う!!俺は……紅該児だ!!もういい!!弱いくせにベラベラしゃべりやがって!!」

悟空「…そうさ。弱いさ!!だからあんたは力を求めた!!……だからお前が出来た…けど、力じゃ守れない物だってあるんだ!!あんたはそんな事も忘れたのか!?」

紅該児「…いい加減にしろ!!……殺すぞ!!」

悟空「あんた…言ったよな。…今は戦いの時だって。……けど違う!!生きている加きり……過去も未来もずっと戦いだ!!」

紅該児「……ああぁぁぁ…!!猿がぁ!!」

悟空「俺の名前は猿じゃない!!青天大聖孫悟空!!…いい加減目を覚ませ!!」

紅該児「…死ねぇぇ!!」

悟空「牛魔王!!」


勢い良く走り出す悟空…


悟空『三蔵……俺達は、お前に会えてよかった。お前に会わなかったらきっと俺も、悟浄も、八戒も、只の妖怪として生きていただろう。でも…お前と出会って人間の暖かさや優しさ、愚かさを知った。人の出会いに偶然は無い、あるのは必然だけ…人間って本当にいいものだな。じゃぁな三蔵。希望を持って戦え!!それが俺達の願いだ!!』

悟空「アアァァァ!!」

紅該児「燃えろぉぉ!!」


二人を火柱が包む、その中には一人の影が見えた…


天竺へとやってきた三蔵一行、村は妖怪に襲われ、天竺国も襲われそうになっていた…

妖怪を手引きしているのが牛魔王と聞いた三蔵は、牛魔王の神殿へと…

牛魔王に天竺国皇后が村人を操って天竺国を襲っている事を知った一同…

その頃天竺国では皇后が元老院へと入って行く…


長老A「おぉ、皇后参ったか。…何やら最近、国が騒がしいのう。」

皇后「…はい。」

長老B「西域の村も妖怪に襲われてしまったと聞いたぞ!!!」

皇后「…えぇ。」

長老C「一体どうなっておるのだ!!」

皇后「……」

最長老「…皇后よ。玄奘三蔵はもう着いたのであろう?」

皇后「……」

最長老「……お主何を企んでおる?」

長老達「何と!?」

皇后「…何も……企んでなどおりませぬ。……先ほどの妖怪の件でありますが…」

最長老「話を逸らすでない!!」

皇后「…フッ……妖怪とはその者達の事でありますかな?」

長老達「何!?…き!!貴様!!」


長老達のすぐ側では妖怪達が今にも斬りかかろうとしていた…

その頃牛魔王の神殿の三蔵一行…


悟空「やはり…皇后が…」

牛魔王「お前の迷いは正しかったわけだな。」

三蔵「では…私は一体…」

牛魔王「三蔵…お主がもう少し妖怪達に耳を傾けていればな。」

三蔵「…え?」

牛魔王「…お主、今まの旅で会って来た妖怪達の声を聞いてきたのか?」

三蔵「…それは…」

牛魔王「妖怪と聞いただけで敵だと判断したか……しかしその妖怪が本当に人間に危害を加えていたのか、お主は見たのか?」

三蔵「ですが!!それは…」

牛魔王「人間とは嘘をつく生き物だ!!……何故襲われたか、自分の不利な事は言わんさ。」

三蔵「そんな…そんな事は無い!!」

牛魔王「現に今こうしてお主はここにいるではないか。」

八戒「…お前が嘘を……ついてるんだろ!!」

悟浄「クッ……師匠!!」

三蔵「八戒…悟浄…」

牛魔王「頼りにするも妖怪…」

三蔵「…もし……もし皇后陛下が嘘をついていると言うのなら……何故私を此処へ行かせたのですか?」

牛魔王「コレだよ……こんな物の為にお主は…」


牛魔王は手に水晶玉を持っていた…


悟浄「あれが…教典!?」

八戒「あんな物が!?」

牛魔王「…やはり…お前の狙いはコレか……お前の…本当の目的は、そんな物ではなかったはずだ……こんな物の為に、お前は…」

三蔵「それは!?」

牛魔王「……教えてやろう、三蔵!!此処はこれを守る為にある神殿。これは時を操る事が出来る『時の創世』…」


その瞬間牛魔王の胸の辺りから剣が突き出た…


三蔵「牛魔王!!」

牛魔王「グッ!!……バカな!!お前!!」

紅該児「あまり余計な事を言うなよ…」


牛魔王の背中には紅該児の姿が…


悟空、悟浄、八戒、玉龍「紅該児!?」

紅該児「ご苦労様~。三蔵一行~。これは貰って行くぜ!!」

悟浄「紅該児…どうして…」

悟空「あいつも皇后の手先!?」

玉龍「時の創世が!」

牛魔王「…っく!……奴は…私だ!!」

三蔵「大丈夫ですか?牛魔王!!」

牛魔王「奴は……私の…負の部分…」

悟浄「紅該児は一体なんなんだ!?」

牛魔王「奴は…神を呪った…我の部分……神によって…別れさせられたのだ。」

三蔵「え!?牛魔王、あなたは一体…」

牛魔王「…私は牛魔王では無い……私はただの人間…かつてはお前と同じ…聖職者だった…」

悟浄「だから同じ法力を…」

三蔵「何故!?どうして、こんな所に!!」

牛魔王「昔…私には妻と子がいた……幸せだった…しかし我らの幸せは…長くは続かなかった。」

三蔵「一体何が…」

牛魔王「あいつは……自分の…限りある命を…不安に思ったのだ。」

悟空「何故?」

牛魔王「娘が成長するにつれ……老いてゆく自分を……呪ったのであろう。……永遠の…命を…手に入れる為……あいつは妖怪と……契りを交わした。」

八戒「妖怪と!?」

牛魔王「人間として……越えてはならぬ…一線…そして神は……私に……妻を殺せと……私は!!!……神を呪った!!…何故…こんな辛い目に…あわせるのかと…」

玉龍「そんな事が…」

牛魔王「せめて…願いが……叶うなら…私が……罪を被る……どうか…妻だけは……神は願いを聞き入れ…私は此処で…時の創世を……守る事になった…しかし……妖怪とて…限りある命には…変わりない……いつか…くるとは……思っていた。」

三蔵「まさか!!あなたの言っている妻とは…」

牛魔王「頼む!!…三蔵……あいつを…皇后を……止めてくれ!!」


その時神殿が激しく揺れ天井が崩れだした…


八戒「なんだ!?」

牛魔王「…時の創世の…力で…建っているこの神殿が崩れ出したのだ。」

三蔵「あなたは!!!…分かっていたなら何故!?」

牛魔王「お主は……愛する者を…手に…かけれるか?」

悟空「三蔵!!」

牛魔王「お主と…話せて……よかった」

三蔵「牛魔王!!」

悟浄「危ない!!師匠!!」


上から天井の一部が三蔵の上に落ちてきた、牛魔王が三蔵に当たる寸前で止めていた…


牛魔王「…さぁ!!行け三蔵!!」

悟空「八戒!!三蔵と承恩を担げ!!」

八戒「おう!!…って二人もかよ!!」

悟浄「早くしろ!!」

八戒「あ~もう!!わかったよ!!」

玉龍「早くここから出ましょう!!」

三蔵「八戒!!離してください!!牛魔王!!…私は……今までの旅で!!!…一体何をしてきたのですか!?」

牛魔王「…もう……わかるだろう。三蔵!!お主も…通って来たのは…我と同じ!!!……血塗られた道!!!」

三蔵「牛魔王!!!」

牛魔王「神を……神を呪え!!!玄奘三蔵!!!!」

三蔵「牛魔王!!!」

牛魔王「……承恩…出来れば…お前とは……違う形で…会いたかった。」


三蔵の叫びとともに崩れ落ちる天井、牛魔王の姿はもうなかった…

その頃天竺国の元老院では、皇后の周りに長老達の死体が転がっていた…


皇后「フン……骨と皮だけの分際で…ワラワに命令するとはのう。」

妖怪「皇后陛下。神殿が落ちたとの方向が。」

皇后「では、我々も行こうかのう。……時の神殿へ!!アハハハ……!!」


大勢の妖怪と共に時の神殿へと向かう皇后…

その頃三蔵一行はなんとか神殿が崩れ落ちる前に外に出ていた…


悟空「…ハァ…ハァ…なんとか出れたな。」

八戒「あいつ一体何者だったんだ!?」

悟空「……只の…普通の人間だった。」

八戒「…だよな。…じゃぁやっぱり俺達は…」

悟浄「それより師匠と承恩は!?」

玉龍「大丈夫ですか?お師匠様?」

三蔵「…私は…私は。」

悟浄「師匠?どうしたんですか?」

承恩「…ん……うぅ…」

玉龍「あ!承恩さん!」

承恩「私は…一体…」

悟空「牛魔王に吹き飛ばされて気を失っていたんだ。」

承恩「すみません。皆さん。迷惑をおかけしてしまって。」

悟浄「いや、しょうがないさ。…それより、どうする?悟空。」

悟空「とにかく、黒幕が皇后と分かった以上…行くしかない!!」

承恩「え!?皇后が!!そんな…」

八戒「そうか、承恩は知らないんだったな……実は…」

悟浄「八戒!!…どうやら、話をしている暇は無さそうだ。」

八戒「ったく!!ちょっとは休ませろよ!!」

すでに三蔵一行は妖怪達に囲まれていた…


承恩「こいつ等は国を襲った妖怪…」

悟空「クソ!早くしなければ…」

悟浄「先に行け!!悟空!!」

八戒「此処は俺達の見せ場だ!!」

悟空「だが数が…」

悟浄「また、怒鳴られたいか?…お前一人で何でも抱えこむな…ちょっとは俺達を頼れよ。」

悟空「…悟浄。」

八戒「…さっきはあんな事言って……ゴメンな。……なんて言ったらいいか…お前の、その…下向いた姿なんて、見たくないからよ。」

悟空「…八戒。」

八戒「ほら!!早く行け!!」

悟浄「皇后を止めてこい!!」

悟空「…死ぬなよ。」

悟浄「俺達を!!」

八戒「信じろ!!」


妖怪達に斬りかかって行く悟浄、八戒…


悟空「ほら!三蔵!行くぞ!!!」

三蔵「……」

承恩「三蔵は私が!!」

悟空「頼む!!玉龍!!行こう!!」

玉龍「悟浄さん!!八戒さん!!必ず…必ず追いついて下さいね!!」

悟浄、八戒「あぁ!!」


三蔵、悟空、承恩、玉龍がその場を後にする…


八戒「雑魚が!!数が多いからってぇ!!」

悟浄「俺達の敵ではない!!」


次々と妖怪を倒して行く悟浄、八戒…


紅該児「流石だねぇ~。」


そこには紅該児の姿が…


悟浄、八戒「紅該児!!」

紅該児「ズンズンチャズンズズンチャ♪ちょっとの事で切れやすい♪でも切れ痔じゃないぜ♪ウン♪俺♪紅該児♪」

八戒「知ってるよ!!」

悟浄「気をつけろ!!八戒!!今までのアイツと違うぞ!!!」

八戒「テンションが?」

悟浄「それもあるが…殺気が全然違うぞ!!!アイツは…強い!!」

八戒「なるほど…なぁお前!!あの玉何処にやった!?」

紅該児「玉?……下の玉なら…」

八戒「言わせねぇよ!!違うわ!!牛魔王から奪った玉だ!!」

紅該児「さぁ~わかんないね~。」

悟浄「もう皇后の手に…」

紅該児「聞きたきゃ土下座。」

八戒「誰がするか!!」

紅該児「ま、したくなくてもすぐ…膝を付かせるけど~。」

悟浄「随分と舐められたものだな。」

八戒「まったくだ。お前は前の方がよかったぜ!!」

紅該児「さぁ…何処からでも……掛かってこい!!」

悟浄「言われなくても…」

八戒「行ってやるよ!!」


紅該児に斬りかかって行く悟浄、八戒…

その頃三蔵達は天竺国へ急いでいた…


玉龍「お師匠様!!大丈夫!?」

悟空「どうしたんだ!?三蔵!!」

三蔵「……」

悟空「しっかりしろ!!…あんたがしっかりしないと、俺達が今までやってきた事が無駄にだろ!?」

三蔵「……今まで…」

玉龍「きゃぁぁ…」


その時玉龍が妖怪達にさらわれた…


悟空「玉龍!!」

玉龍「悟空!!」

承恩「行って下さい!!悟空!!」

悟空「しかし!!」

承恩「あなたの一番守りたいのは誰なんです!!」

悟空「…承恩。」

承恩「三蔵は命に代えても守ります!!…だからあなたも!!」

悟空「すまねぇ!!」


悟空は玉龍を追ってその場を後にする…

バラバラになっていく三蔵一行、彼等には過酷な運命が待っていた……