【営業の神様】
今年転職して、営業という仕事の難しさを感じていた今日この頃。
ふと図書館で目にして釣られるがまま、読んでみた。
本の内容は、営業に難しさを感じていた主人公が、ふと立ち寄った喫茶店で営業の神様(ヤマナシさん)と出会うことにより、仕事で大事なこと、大切なことを実体験として学んでいくというストーリー。
話の中で営業の神髄とは何か。最も大切なことは何か。
この二点で話が展開される。
小難しいテクニックや小賢しい方法論ではない、マインドセットの本である。
つまり土台の話であり、営業だけではなく社会人全般に通じる内容でもある。
キーワードはスーパーウォンツ。
相手が心から欲するものを見極めること。それは愛されることであり、価値を認めてもらうことであり、自分の叶えたい未来を一緒に考えてくれる人。
このような人であれば、もはや何でも売れる。
つまり相手は商品ではなく、究極自分自身の実存を満たしてくれる相手を欲しているのである。
確かに胡散臭い単語ではある。愛や未来、価値など抽象的なものを言われてもピンとは来ない。しかしここに落とし穴がある。
商売である以上、そこには経済的価値が必ず発生するが、正直世の中の大半のものは無くても困らない。ではどうすれば感情を動かせるのか?
その部分を抜きにして、営業しても無理だと言うことだ。
東畑先生の、『聞く技術は、話を聞いてもらうことで培われる』というフレーズはまさにこれに通じる。
相手に聞いてもらうには、相手にしゃべってもらうこと。その為には相手を知ることであり、知りたい=愛の対象となる。
この本は読んでいる最中、自分自身の話だと感じた。
正直このような話はどこにでもあり、N=1の話でないのは重々承知しているが、それでも引き込まれていった。
もちろん、これを読んだからと言って、すぐに結果が出せるわけではない。
しかし確実に、今よりも半歩前には進めるなという気持ちになる。
そしてこの本の内容をさらに抽象化すると、ここに辿り着く。
ファンベース。推し活とも呼んでもいいかもしれない。
この構図と近似している。
youtuberや地下アイドル、二次元等、グッズやアパレルを出せばファンがそれを根こそぎ買う。商品の価値は別として、『その人』が商品を出すことに意味があり、『その人』から買うことに価値を感じる関係性だ。
カリスマも、トップセールスも、ヒットメーカーも、根底は同じ。
ベースは共通している。
営業の神様とは、お客にとっての神様(信仰対象)になることと裏表である。
そのような意味で、相手を知ることが出来なければ感情が動かないことは容易に想像できる。
それが知れただけでも十分価値のある内容であった。