ケロタンのお話 🐸
昔々あるところに、ケロタンという賢いカエルが住んでいました。
今まで、冷たい田んぼの中で一生懸命餌をとりながら、時には餌が手に入らずに死んでしまいそうになりながら、みんなが力を合わせて必死で生きていました。
そんなある日、ケロタンの村に白いひげを生やした神様カエルのような大きなカエルたちがやってきて、村の田んぼを人工田んぼにすれば、いつでもえさを食べることができるので、楽しくのんびり暮らせるようになる……という話をもってきたのです。
村の長老たちは大喜びで賛成しました。
「これで、もう餌がなくて死んでしまうカエルがいなくなるぞ。この人たちは救世主にちがいない」と言って村のカエルたちを説得して周り、村の田んぼは新しく人工田んぼに生まれ変わることになったのです。
人工田んぼは温度が一定に保たれているとのことで、とても快適に暮らすことができました。
時間がくると、白いひげをの大きなカエルたちの使いの、「お役人」という名前の少し偉そうな人たちが、みんなに餌を無料で配ってくれるのです。
カエルたちはのんびりと、田んぼの中でゲームをしたり、お話をしたりして楽しく暮らしていました。
長い年月がたち、カエルたちは次第に動かなくなり、どんどん太っていきました。
人工田んぼがあまりにも快適すぎて、まるで温泉にでもつかっているように、一日中寝そべって暮らすようになってしまったのです。
自分がぶくぶく太った惨めな姿になってしまったことに気がついたケロタンは、ある日周囲の異変に気づきます。
ほとんどのカエルが仰向けになって寝そべっているので、それまで気づかなかったのですが、中にはすでに息をしていないカエルも何匹かいたのです。
「し、死んでいる……😱」
死んだカエルたちをよく見てみると、全員真っ赤に皮膚がただれています。
全身火傷で死んでしまったのです。
そこではじめて、ケロタンは人工田んぼの水が沸騰していることに気がつきました。
「うわっ‼️あちちっ‼️ 🔥」
慌ててケロタンは田んぼから飛び出しました。
ケロタンの全身もうっすらと水ぶくれができていました。
誰かが、長い年月をかけて、ゆっくりと少しずつ、田んぼの温度をあげていたので、誰も気がつかないままだったのです。
田んぼから外に出たケロタンのそばに、「役人」たちがやってくる声が聞こえました。
ケロタンはあわてて木陰に身を隠して彼らのことを観察しました。
「そろそろ、死んでいくカエルが増えてきて忙しくなるなぁ」
「ああ、神様たちの食べ物として捧げられるんだから、このカエルたちも名誉なことだよ」
「我々はこうして役人をしているおかげで、神様に食べられなくて済んでいる上に、いろんな特権を頂いて贅沢させてもらってるんだから、神様には感謝しないとなぁ」
「そうだ、そうだ、神様にバンザーイ‼️」
そうして、たくさんの死体を引き上げていった役人たちを目でおいながら、ケロタンは恐ろしい真実を知ってしまったことに驚愕してしまいます 😱
「このままでは、村のみんなが死んでしまって神様に食べられてしまうぞ!‼️ なんとかしなくては……」
ケロタンは田んぼの周りをグルグル回りながら、まだ生きているカエルたちに声をかけていきました。
「おおーい❗️みんな❗️田んぼの温度は沸騰していてそのままでは死んでしまうぞ‼️ みんなあの役人や神様にだまされているんだ。
殺されて食べられてしまうんだぞ」
ケロタンは声を大にして叫びましたが、ほとんどのカエルの耳には届いていないようでした 😭
ケロタンの声が聞こえたカエルも、ケロタンの言うことを信じるものは誰もいません。
「おまえ、そんなこと言ってると神様のバチが当たるぞ」
「そうだ、そうだ、神様や役人さんたちはこんなにわたしたちに良くしてくれているじゃないか」
「お前みたいなことを言うやつを陰謀論者と言うんだ」
「そうよ、わたしたちの平和な田んぼのどこがいけないのよ」
ケロタンは思いました。
「ダメだ。みんな完全に洗脳されてしまっている……😰」
それでもケロタンはあきらめずに、田んぼの周りを何周も何周も走り回りながら、大きな声でみんなに真実を伝えようと頑張りました 🏃💦
そうしているうちにも、どんどん死んだカエルたちが役人たちによって神様のもとに運ばれていきました。
もう、広い広い人工田んぼには、ほとんど生きているカエルを見つけることができないほどになりました。
ケロタンは疲れ切って田んぼのふちでぐったりとしていると、遠くから若いカエルの声が聞こえてきました。
「おおーい❗️誰かいないかぁー❗️みんな田んぼから出ないと死んでしまうゾォー‼️」
その若いカエルは、ケロタンと同じように田んぼの中のカエルたちに声をかけてまわっていたのです。
「君も真実に気がついて田んぼから飛び出して助かったんだね」
ケロタンは言いました。
「ああ、ある時あまりの熱さに気がついて飛び出したんだ。
それから、役人たちが死んだカエルたちを引き上げて町に運んでいくのを見てしまったんだ」
「町ではどんな様子だったんだい❓」
ケロタンが聞きました。
「恐ろしいことに、神様たちが運ばれてきカエルたちをおいしそうに食べてしまうんだ 💀 もっと恐ろしいのは、まだ息があって動いているカエルを生きたまま食べてしまうのが一番うまいんだそうだ 😱
中には良心が残ってる役人もいて、あまりの残酷さに止めに入ったとたんに、頭からボリボリと食べられてしまったんだ。それを見ていた他の役人たちは真っ青になって震えているだけだった」
あまりの恐ろしいお話にケロタンは気持ちが悪くなってしまいました 😱
「こんな人工田んぼが他にもあるんだろうか」
ケロタンが言いました。
「ああ、あの運ばれてきたカエルの数からみると、まだまだたくさんの人工田んぼがあると思うよ」
「世界中の村を人工田んぼにして、そこから食料としてカエルを育てているのか……」
ケロタンが言いました。
「なんとかみんなに知らせる方法はないものかなぁ」
「要するに、沸騰してしまう前にぬるま湯の田んぼから飛び出して、もとの自然の田んぼに帰れば幸せに暮らせるんだということを、みんなに分かってもらえばいいんだよね」
若いカエルは言いました。
「うん、そうだね。そのためには真実が分かった僕たちが、あきらめないでみんなに声をかけていけばいいんだ‼️」
ケロタンは元気よく言いました。
そして、ふたりで人工田んぼに向かってもう一度大きな声で叫びました。
「おおーい‼️ ぬるま湯に浸かってると死んでしまうよぉー‼️
早く人工田んぼから上がって自然の田んぼに帰るんだ」
その元気で、勇気に満ちた声に何匹かのカエルが気づきました。
そうして、1匹、また1匹と、カエルたちが人工田んぼから命からがら這い上がってきたのです。
めでたし、めでたし……。
………………………………✨✨✨
さて、あなたもケロタンのように、まだぬるま湯に浸かっている人たちに声をかけてください。
「早く起きないと死んじゃうぞ」……ってね🤣
