2021.8月中旬

2ヶ月半の入院生活を経てついに退院

不安しかない

でも家に帰れる やっと外に出れる

彼を家で今までと同じように育てれるか
また痙攣が起こったらどうしよう
何かあったらどうしよう
その想いが強かった

でも彼は頑張ってた

不随意に動く身体
音に対する発作、筋緊張で手足突っ張る
それはまだゼロになることはなかったが
今後は外来通院しながら調整していく


何より退院に向かったのは…食事

あれから更に食べれるようになり
ミキサー食ではあるけど、むせずに口から3食食べれるようになって鼻のチューブも抜けた

数日で口から食べるという急成長を遂げることができて本当に先生も看護師もSTの先生も驚いていた

よく頑張ったね
お口から食べたかったよね
すごいね  その力に1歩救われた


夫と子供達が迎えに来てくれた

もぅ私の気持ちは走って病院飛び出したい
そんな時に限って退院手続きに時間がかかる
予定より遅れながらも皆の待つ車へと向かう

子供達が車の中から覗いてみている
ドキドキした

もぅ分かる歳なので、事前に話していた

痙攣起こして救急車で行った後は泣いていたという9歳の姉。
無言で静かにゲームをしていたという
11歳の兄。

子供達がどう感じるか心配だった…


全く違う弟をみてどう思うか

辛いだろうな

痙攣起こして頭にダメージが起きたから
今は歩けなくなってるし、お喋りも出来なくなってる
でも頑張ってるからいつかまたゆっくりゆっくり出来るようになっていくから支えていこうね

2人とも静かに黙って聞いてくれた

子供なりに何か感じているのか
聞き返してくることもなく
静かに私の言うことを聞いてた

実際…彼がどこまで回復や成長するかは分からないと言われた

重症 予後は悪い

あとは子供の無限大の力を信じるしかないと

医者には言われた 

それはまだ言えなかった



そんな子供達とあの日以来の再会

『音に敏感だから静かにね』
ということもしっかり守り、優しく迎えてくれた

帰りの車内では

優しく口数の少ないお兄ちゃんは彼の後ろからずっと手を握って、頭や顔を撫でてくれている

助手席に座っていたお姉ちゃんは何度も何度も振り返って彼を嬉しそうに見つめる

泣きそうだったのをグッと我慢した

やっと家族みんな揃った


生まれ変わった彼との新しい生活のスタート


きっとうまくいく

これ以上

これ以上辛いことはない

そう願うしかなかった