僕には幸せな事に、祖父・祖母が2世帯とも健在である。でも、決して彼らも若くはなくみな80歳以上またはその少し手前。どちらかというと母方よりも父方の祖母・祖父の方が高齢な事もあり体調面で心配な事が多い。
でも、孫としては寂しい事だけど、彼らは昔から母親をいじめてきた。小さい頃からの母の泣く姿を見てきた僕は今でも彼らの事を心から好きとはいえない。むしろ、大人になった今、昔は見えていなかった部分がたくさん見えていて嫌いな人間の部類に入るくらいである。
一方、母方に関してはほんとに今の僕があるのは彼らのおかげといっても大げさではないくらい育ててくれた人たちだ。彼らは町の区長や民選議員をやったりと人のために何でもしてきた人たちだ。その姿を見て、愛情を注がれた僕たち孫は誰1人として彼らを愛していないものはいないと思う。
そんな母方の祖父は僕が二十歳くらいの時に肺がんの摘出手術をした。おかげさまでその後も再発もなく今年を迎えた。しかし、今年になってまた新たなガンが発見され、ついこの間まで病院で薬で散らす治療を受けていた。
その治療も終わり、大事もなく過ぎるかと思われたが・・・・。肝臓に新たにガンが3つ発見されてしまった。家系的にはガン家系で曾じいちゃん達もガンで亡くなっている。
なんかこうも次々にガンが見つかってしまうと歳が歳だけに、自分の中でそろそろ心の準備をする必要があるんじゃないかって思ってしまう。おそらく、母方の祖父・祖母の死は僕には受け止められないと思う。そのときにどんな風になるかはまったく予想がつかないし、想像もしたくない。
でも、もう祖父も82歳。この間、何十年かぶりに母方の先祖のお墓に線香をあげてきたけど、いい事したって報われたりしないのであろうか。人はいつ死ぬかわからないし、確実にいつかは死ぬ。だから、自分には後悔したくないし、人に関してはできるだけの思い出を作っていきたい。
ただ、思う。いい事ばかりしてきた母方の祖父がなぜ父方よりも色んなガンに苦しまされなければいけないのか。こんなこといってしまう僕自身がどうかしてるけど、でも歴史を見たって、最近の有名人の死だってそういう人ばかりが早死にしていく。
僕はその事がまったく理解できない。
まぁ、今年に入って祖父に関しては落ち着いたと思ったらまた新たにという感じが続き、周りも安心できないし、何より祖父自身あまり精神力が強くないから滅入って他の病気にならないか心配である。
僕に何ができるのだろう。今までの感謝しきれない感謝をどう表現したらいいんだろう。