昨日30日、ビジネス+ITより【 変わる戦闘機パイロットの役割 AIとのタッグで進む「空中戦の自動化」】との報道がありました!/( ̄へ ̄)



変わる戦闘機パイロットの役割 AIとのタッグで進む「空中戦の自動化」《後編》


2019.10.30


ビジネス+IT


以下、『有人システムへの篇重から脱却する「モザイク戦争」』から続く


人間の役割は、オペレーターからミッションの司令官へ


ACEでは、この原理の近距離空中戦への適用を目指している。DARPAによると、空中戦は「一般的にオペレーターが信頼する現在の物理ベースの自動化から、将来の有人/無人チーム連携実現に必要な、より複雑な人間とマシンの協力関係へと進行している」という。 


その目的は、1人のパイロットが、複数の半自動インテリジェント無人プラットフォームを有人航空機内から制御・調整できるようになることである。これにより、「人間の役割は1人のオペレーターからシステムミッションの司令官へとシフトする」とDARPAでは考えている。 


ACEでは特に、パイロットがより広く、よりグローバルな空軍ミッションに参加できるようにしながら、同時にその航空機および連携する無人システムが個々の戦術に関与できるような能力の提供を目指している」(DARPA 


ACEでは「自律の階層構造を作り出すこと」を目指している。高水準の認知機能、たとえば「全体的交戦戦略の開発」「ターゲットの選択と優先順位付け」「最適な武器または効果の判断」などは人間によって実行され得る。その一方、航空機の操作や交戦戦術といった低水準の自律は、自動システムに任せられることになる。 


DARPAにとって、視程内空中戦をAIに引き渡す目的は、将来的に機会が少なくなる空中戦そのものより、パイロットに「AIと自動化が高度な戦いを実際に管理できる」という確信を与えることにある。 


DARPAは「新人戦闘パイロットの場合、離陸や着陸を学ぶとすぐ、空中戦闘操作を教わることになる」と説明する。 


「一般に信じられていることとは逆に、新人戦闘パイロットが空中戦を学ぶのは、それがパイロットのパフォーマンスと信頼に磨きをかけられる試練の場だからだ。航空機オペレーターから、ダイナミックな空中戦タスクをコクピットから無人の半自動空挺装置に任せるミッション戦闘司令官へとパイロットを変身させるためには、AIが基本に対処できることをまず証明しなければならない」(DARPA 


ACEプログラムにおける4つの技術開発課題


DARPAの公募要領には、ACEプログラム向けの主要技術開発課題4項目の概要がまとめられている。その項目とは、「ローカル(個別およびチーム戦術)挙動における自動化空中戦性能レベルの上昇(技術領域1TA 1」)」、「空中戦のローカル挙動に対する信頼の構築と調整(「TA 2」)」、「性能と信頼のグローバル(複数の異種航空機)挙動への拡張(「TA 3」)」、「実物大空中戦実験インフラの構築(「TA 4」)」である。 


TA 1は「非従来型」パフォーマー(開発者)の参加を奨励するため、別の公募でアナウンスされる。ACEプログラムのこの部分は「人間のパイロットと対比することで、視程内の制御アルゴリズムを開発し、実証するものだ」とDARPAは説明する。さらにパフォーマーは「パイロットの戦術的意思決定を自動化し、その性能を漸進的に難易度が高くなる交戦に対してテストすることになる」と続ける。 


その実施は、モデリングおよびシミュレーション環境で開始され、その後に実際の縮小版無人航空機を含んだより現実的な採用に進む。最終的には実物大の戦闘で使われる航空機へと移行していく。 


DARPAは「111v1)空中戦」向けの個別戦術挙動に重点を置くという、スタンドアローンで範囲が限定されたTA 1の取り組みを、まずは展開していく。この「AlphaDogfight」と呼ばれるトライアルは、米国空軍イノベーション促進(AFWERX)を通じて管理される。具体的には、、AI空中戦アルゴリズムをトーナメント方式の競技として互いに戦わせている。 


「我々はAlphaDogfightトライアルを通して、トップクラスのアルゴリズム開発者を空中戦シミュレーションとゲーミングのコミュニティに引き入れるつもりだ」とジャボルセック中佐は言う。 


「開発者に空中戦向けの基礎的AI要素構築を支援してもらい、その上で我々のプログラムを進化させていきたいと考えている」(ジャボルセック中佐) 


TA 2のパフォーマーは、TA 1で開発された自律型戦闘アルゴリズムの信頼や疑念、不信のモデリングと計測、調整のための実験手法を開発し、パイロットと「空中戦」タスクや「ミッション司令官」タスクとの相互作用を実現する「ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)」の設計と開発を実施する。また、二重操作のタスク実施を利用して、パイロットの信頼のモデリングと計測を行う。 


TA 3の目標は、アルゴリズムを戦闘制御レベルに拡張し、AIが駆動する個々のプラットフォームのアクションを調整することである。パフォーマーは解決策の一部としてTA 1アルゴリズムを使用することになり、戦闘制御レベルのアルゴリズムを個々のプラットフォームと追加の個別アルゴリズムの間で調整されたアクションに対して、必要に応じて追加する。 


さらに、TA 3の参加者は大規模な軍事演習データ分析向けに軍事作戦レベルのデータセットとモデルを開発(「モザイク」戦術・戦略向けに現在存在していないデータセットに対処)。また、二重操作ミッション司令シナリオを開発し、大規模な軍事演習データ分析向けにローカル自律戦闘機能の拡張と戦闘制御開発を実施して、ローカルとグローバルの挙動性能統計間の関係を定量化する。 


最後に、TA 4のパフォーマーは他のTAから生み出されたアルゴリズムや技術の実行能力を持つ、実物大航空機実験インフラの開発を求められる。 


TA 4のパフォーマーは、TA 1から生まれた視程内アルゴリズムと安全パイロット、助言パイロットを統合し、実物大ライブ飛行実験(1v12v12v2の各交戦を含む)を支援できる実物大ライブ航空機を提供する責任を担う。この航空機はTA 2から生まれたHMIも統合し、実物大実験のTA 2信頼評価のための実験インフラも提供しなければならない。 

 

総額6,360万米ドルの賞金を用意


ACEの政府主導実験統合チームは、ジョンズホプキンス大学応用物理研究所の支援を受ける予定だ。同チームは、異なるTAに関連した相互依存する研究活動の促進と調整を行い、プログラム中に使用される商用の縮小版UAV(無人航空機)の購入、メンテナンス、および運用の責任も担う。 


DARPAの計画では、ACE2023年度末にかけて、3つの明確に異なるフェーズにわたって実施される。総額6,360万米ドルの賞金が、現在のBAABroad Agency Announcement:広範な局に対する公示)の下でTA 2からTA 4に割り当てられている。提案書の締め切りは、2019722日の就業時間終了時となっていた。 


フェーズ118カ月間で、モデリングおよびシミュレーションにおける重要機能の開発とデモンストレーションを行う。このフェーズの開始は、2020年度の第1四半期に予定されている。 


1人のTA 2パフォーマーが実験に基づく初期の信頼モデルを、モデリングおよびシミュレーション環境内の人間パイロットのパフォーマンスに基づいて開発し、HMIの設計と開発も行う。 


最高2人のTA 3パフォーマーが、TA 1アルゴリズムの拡張機能とミッション司令シミュレーションベースのシナリオ、および大規模軍事演習データ分析の開発を開始する。一方、1人のTA 4パフォーマーがフェーズ1初期に政府主導の航空機選択レビューをサポートする。 


TA 4パフォーマーはフェーズ1の期間中、TA 1パフォーマーとTA 2パフォーマーと協力し、後に続くフェーズ2とフェーズ3のための初期統合計画と詳細設計仕様を提供する。 


フェーズ2TA 2TA 4のためのオプション期間で、その実施は16カ月間と想定されている。このフェーズでは、TA 1パフォーマーがライブ環境での試験に使用される縮小版商用無人航空機上でWVR(視程内射程)アルゴリズムを精緻化し実行する一方、TA 2パフォーマーがEIT(欧州イノベーション・技術機構)と協力し、縮小版実験で使用される成熟したHMIのインスタンスを作成する。 


TA 3パフォーマーはライブデータで更新されたTA 1アルゴリズムを、大規模軍事演習データの情報に基づくより複雑な戦術・戦略レベルに拡張する。 


TA 4パフォーマーは初期の実物大航空機2機の準備を継続し、フェーズ2途中でさらに2機の航空機獲得のための提案書を提出する。実物大航空機改良の耐空性証明がフェーズ2初期に起こり、その後に安全性とオーバーライドの試験と最終1v1飛行証明デモンストレーションがフェーズ2の最後に予定されている。 


フェーズ3TA 2TA 4のためのさらなるオプション期間で、実施にはさらに16カ月間が想定されており、それまでに開発された視程内戦闘アルゴリズムとパイロット信頼評価の実物大プラットフォームへの適用に重点が置かれる。 


TA 4パフォーマーが実物大航空機操作のあらゆる側面に対する責任を担う一方、TA 2パフォーマーは実物大航空機上で実験に基づく信頼計測システムの更新と実行を行う。ここでは、パイロットが視程内戦闘タスクとミッション司令タスクの間で注意をどのように分配するか、またパイロットがどのくらい安心して戦闘自律機能に依存しているかが計測される。 


TA 3パフォーマーは、複雑度の高い、複数の異種航空機による軍事演習の性能向上のため、視程内戦闘アルゴリズムを軍事作戦レベルに拡張する責任を負う。 


大規模軍事演習からのデータ分析に基づく新たな戦略と戦術の探究と特定を目的とした実験とデモンストレーションが実施され、アウトプットはTA 2パフォーマーが実施する実物大航空機信頼評価での使用に向け、「DOT(米国運輸省)実例タスクシナリオ」内で例示化される。 


実験はライブ環境で人間パイロットに対して、周到に計画されたビルドアップ手法により実施される。1v1に始まり、2v12v2の訓練と競争が行われる。また、EITは実物大試験実施中に性能評価を支援し、共同の2v1および2v2アルゴリズム開発の縮小版リスク軽減試験を可能にする。 


小規模無人航空機から実戦可能な航空機へ


「空中戦」はAI対応無人航空機にとっては野心的な目標に見えるだろうが、DARPAは空対空戦闘を適切なテストケースだとみている。同局は、空中戦には「明確に定義された目標と計測可能な結果、そして航空機力学に本来備わっている物理的制限がある」と述べている。 


モデリングおよびシミュレーション環境でのデモンストレーション後は、徐々に現実度を増したプラットフォームを採用し、小規模無人航空機から実戦可能な航空機へとレベルを上げていくことが意図されている。



との事です。


なを、詳しくは下記のURLから各自で確認をお願いします


https://www.sbbit.jp/article/cont1/37080