箱館戦争を巡る旅・1日目
函館には旅行・出張合わせて6~7回旅行しています。
しかし今回の函館旅行の目的はこれまでと全く違います。
それは、小説執筆のための
「取材旅行」!
箱館戦争の史跡を中心に道南を取材するために来ました。
本当は二泊三日くらいでゆっくり来たかったのですが、子供が三人がお留守番しているので一泊二日で頑張りました。
使用機到着が遅れ、出発が30分以上も遅れ、結局函館空港には予定より1時間近くも遅れて到着
そのため時間が無くなり、江差に行く予定を変更し、北海道茅部郡森町鷲ノ木町へ向かうことに。
函館空港から約1時間弱で鷲ノ木へ到着。
入り口がとても分かりにくく、狭いのでドキドキ。
ここは江戸湾を脱走し蝦夷地へと向かった旧幕府軍の艦隊が、最初に上陸した地です。
箱館戦争を戦った旧幕府軍の中心メンバーは榎本武揚(釜次郎)や土方歳三が有名ですが、
私の推しは大鳥圭介と荒井郁之助です
現在海岸沿いには函館本線の線路が走っています。
写真の赤いモニュメントがある辺りまで行きたかったのですが、階段が雪で埋もれていたため断念
しかしその階段の端っこに足跡があったので、雪の中頑張って観に行った私以上に熱心な方が居られることに、なんだか嬉しくなりました。
鷲ノ木の海岸の風景はこんな感じ。港にはなっていません。
旧幕府軍は。沿岸に投錨し、小舟と徒歩で浜に上陸したそうです。
旧幕府軍がここに来たのは新暦でいうと12月末にあたります。真冬で今以上に寒く海も荒かったでしょう。
上陸の際に亡くなった方もおられたようですね。
そのなかで主要メンバーだった方のお墓らしきものも一基ありました。
ちなみに今回トヨタレンタカーで出てきたのはルーミーでした。広々していて良かったです。
鷲ノ木から函館への道程は、旧幕府軍の大鳥圭介率いる陸軍部隊が箱館に向かったルートでもあります。
途中、大沼公園に寄り道。
大沼公園駅で特急列車に出会いました。
大沼の名物「大沼だんご」を買いに、「沼の家」へ。
以前食べておいしかったので、また来てみました。
みたらしあん・こしあん・ごまあんの中に、小粒の白玉団子が入っています。大沼の小島をイメージしているのだとか。
しかーし!
この日は三連休の中日とあって、早々に全て売切れてしまったとのこと…
残念ながら購入することは叶いませんでした。
その代わり、店主の方と楽しくお話させて戴けたのですが、
なんと最近漫画の「ゴールデンカムイ」に大沼だんごが登場したそうで、それで大きな話題になっているそうです!
その雑誌を見せて頂きましたが、すごく詳細に大沼だんごが描写されていて、あれは確かに食べたくなる!!笑
余談ですが、私はゴールデンカムイを読んだことはありません。
でも先々週かな、好きな番組「BS朝日・新絶景鉄道の旅」で
ちょうど函館本線を特集していて大沼だんごが登場し、それを見ていて食べたくなったのですが
函館本線と合流すると、また列車に出会いました。
2両…。故郷の美祢線を思い出さずにはおられませんでした。
今回泊まったのは「スマイルホテル五稜郭」
新しくて綺麗だしスタッフの方々も親切でした。
晩御飯は地元の回転すし「函太郎」でテイクアウト。美味しかったです!
函館に来るといつも函太郎なのですが、東京にもお店ができているし、
次会来るときは違うお寿司屋さんにチャレンジしてみたいです。
セイコーマートで買ったヨーグルト。
微糖なのに酸っぱく無くて美味しかったです。
北海道に来たらカツゲンは外せません。
でも実はあんまり好きじゃないのですが、久しぶりに飲んでみたら美味しかったです。
この日は朝早かったので疲れていもののお風呂に入ったらスッキリして、
結局2時くらいまで箱館戦争の本を読みふけってしまいました。
それに本で読んでいる話の舞台に居るのかと思うとドキドキして寝付けませんでした
箱館戦争を巡る旅・2日目
2時に寝たのに5時半に目が覚めました
9時には爆睡していた夫も6時に目を覚ましたので、予定を早めて出発することに。
朝の地元北テレビ局のニュース。鹿と接触の影響で運休…
こういうニュースを見られるのも旅ならでは。
この日は午前中雪予報。
猛吹雪の中を走り、木古内に近づくと晴れてきました
松前半島も見えてきました。
日本海が綺麗
山口県には帰省できないけれど、大好きな北海道で日本海が見られて嬉しいです。
木古内町に入ると、最初の目的地に到着。
旧幕府軍の軍艦・威臨丸(かいりんまる)が座礁した場所で、そのレプリカが設置されています。
なぜオランダチューリップ花園があるのかというと、威臨丸がオランダで製造させたことにちなんでいるそうです。
これ、かなり遠くから撮っているのではなく、レプリカがかなーーーり小さいのです
小さくても設置されているだけ立派!
ちなみに、威臨丸は箱館に向かう途中に房総半島で座礁しており
箱館戦争に参加することなく新政府側に回収されています。
ここサラキ岬で座礁したのは、明治4年、北海道に移住する仙台藩士を載せて小樽へ向かう途中でした。
木古内駅&道の駅きこないに到着。
新幹線の立派な駅舎の手前に在来線の可愛い電車が止まっていました
道の駅に箱館戦争モニュメント発見!大鳥圭介です。
推しと撮影
木古内から江差に向かう山道へ。まだ雪が沢山積もっています。
江差に来たのは、旧幕府軍の主要軍艦・開陽丸の復元船(写真)と資料館を見るため。
しかし猛吹雪!
吹雪が収まるまで市街地へ行ってみることに。
羊羹で有名な「五勝手屋」の本店を偶然発見!
立ち寄ってみました。
本店限定のお菓子を購入!
写真中央は本店限定の包装紙に包まれた羊羹。
おそらく土方歳三と開陽丸でしょう。
気を取り直して開陽丸記念館へ。
記念館は先ほどの復元船の船内で、えさし海の駅と併設されています。
開陽丸は旧幕府軍の軍艦の中でももっとも戦闘能力の高い最新の軍艦でしたが、
この記念館があるカモメ島近くで座礁してしまいました。
昭和に入って大掛かりな開陽丸引き揚げプロジェクトが行われ、多数の遺留品が引き揚げられて展示されています。
大砲が屋外展示されています。
右がアメリカ製のダルグレン砲、左は12ポンドカノン砲です。
こちらは開陽丸のスクリューシャフト。
こちらには榎本武揚のモニュメントがありました。
記念館は復元船の船内です。
いざ!
船内は2階建て。一階には大砲や砲弾などが展示されています。
どうやって大砲を売っていたか人形を使って展示してあるので解り易いです。
開陽丸の部品。
驚くほどの数の砲弾がありました。
他にも日用品や服飾品、武器、貴重な文章など様々な遺留品が驚く数展示されています。
ここを見るためだけに北海道に、江差に来る価値ありですよ!
甲板の上にも行くことが出来ました。
これは船尾側で、左がカモメ島、写真右手の辺りで開陽丸の残骸が見つかったそうです。
遅めのお昼ご飯は「ラッキーピエロ五稜郭店」でテイクアウト!
チャイニーズチキンバーガーの松と特上です。
うまうま~
腹ごしらえをしたら五稜郭の箱館奉行所へ
五稜郭タワーの足元には箱館戦争供養塔があります。
お花を持って来れば良かったなぁ・・・また次回!
ちなみにこの日はコロナウイルスの影響で五稜郭タワーは臨時休業。昇れなかったのは残念…
五稜郭の入り口。
ここには榎本武揚と黒田清隆のモニュメントが。
黒田清隆は箱館戦争の新政府側の参謀として戦った薩摩藩士で、
旧幕府軍が敗れて榎本ら主要メンバーが投獄された後、彼らの助命をもとめて活動したひとでもあります。
のちに内閣総理大臣にもなっています。
復元されている箱館奉行所!
以前から訪れてみたかったものの、ことごとく修繕中・休園が重なり、今回念願の初来館。
ちなみに靴は脱いで入ります。
大広間。
もとの箱館奉行所の間取りすべてが復元されているわけではないのですが、それでも驚くほどの広さ!
地元にある松下村塾になじみがある私からすると、天井の高さと広さに本当に驚きました。
五稜郭内にも大砲が展示されていました。ドイツ製クルップ砲です。
帰り、五稜郭タワーの交差点でご当地マンホールに出会いました!
「函館山から箱館戦争の展開を見渡そう!」
と、ロープウェイに向かったのですが、コロナウイルスの影響なのか、営業は17時からで、乗ることが出来ませんでした
夜景が有名ですが、今回はあくまで取材旅行。
昼間の函館市がみたかったのでとても残念です
仕方ないので、ロープウェイの駐車場で五勝手屋で買った和菓子を食べて休憩。
ここからも函館湾と大森海岸側の両方が見渡せたので良かったです
それから函館ベイエリアの箱館戦争にまつわる場所を巡ってみました。
ここは旧幕府軍の清遊の場所・咬菜園跡。
他にも緑の島、弁天台場跡などを巡りました。
47都道府県を旅行した私は、いろんな場所の路面電車を見てきましたが、
函館市内の路面電車が一番好きです。情緒があるし、見た目もいいし、乗っても便利で楽しいです。
飛行機の時間までちょっと時間が出来たので、北海道と本州の最短地点である「汐首岬」まで行ってみました。
対岸に見えるのは青森県です。
この海を見ながら箱館戦争の状況、幕臣や兵士の心情を想像してみると切なくなりました
箱館戦争、戊辰戦争、大政奉還、明治維新のいろんな本を沢山読みましたが、どの本も色んな解釈がありますね。
でも私は、箱館戦争は負け戦で行われたものではなかったと思います。
戦争に勝つためというか、榎本武揚・荒井郁之助・大鳥圭介の目的は、あくまで士族による蝦夷地開拓と北方防衛だったと思うし。例え徳川家による政権が実現しなかったとしても、その目的が果たされることを願って戦ったのだと思います。
その信念が解っていたからこそ、敵軍の将・黒田清隆も恭順や助命をしたのだと思います。
それにしても、歴史を知り、現地を訪れて見れば見るほど、150年という月日が長いのか短いのか、ますます判らなくなります。
ただ、当時の記録や人々の想いが、この先もずっと歴史から消えないといいなと思います。
函館最後の食事はハセガワストアの「やきとり弁当」
しかし、今回のは特別です。
期間限定の「梅と野沢菜ごはん・やきとり弁当」です!
焼き鳥は塩味で、ご飯にはカリカリ梅と野沢菜の混ぜご飯。
美味!!!
定番商品にしてほしいくらいです。
車内でお弁当を食べたあとは、時間通りにレンタカーを返却し函館空港へ。
しかしまたもや使用機到着遅れで出発遅延…
そして着陸時も滑走路混雑のため、上空をぐるぐるぐる~酔いそうでした。
それでもなんとか最終の新幹線に乗って、0時過ぎに那須に帰宅することができました。
お土産紹介。
函館空港で購入した、函館ご当地マンホールマグネット。ラス1でした
こちらも空港で購入。
五稜郭の陶器製鍋敷き。5色くらいバリエーションがあって迷いましたが、夏に五稜郭タワーから見下ろした時のイメージの緑にしました!飾ります。
こちらはセイコーマートで購入した、セコマオリジナルのお味噌汁と「ようかんパン」。
そして「やきそば弁当」
ようかんパンは北海道名物?らしくて、全道にありますね。
中はカスタードクリームとホイップ。
パン生地はブリオッシュ生地で柔らかくて美味しいです。
一泊二日でもとても楽しい、充実した取材旅行でした!
次は夏に行きたいな~
・・・恐怖の余談・・・
那須塩原行きの帰りの新幹線の中。
今回行けなかった碧血碑(へきけつひ・旧幕府軍の戦死者慰霊碑)を今一度ネットで調べていると、
「へきへつひ 心霊」
と沢山出てくることに気が付き、芋づる式に函館の心霊スポットについて調べてしまっていました。
どうしても戦争の舞台になり、多くの戦死者をだした場所なので、心霊にまつわる話が出てくるのは仕方無いのかもしれません。
箱館戦争の史跡に行くと戦死者の霊を連れて帰ってしまうなどの話もありましたが、箱館戦争の幽霊なら会ってみたいなと思いつつ新幹線を降りました。
駐車場に着き、夫が運転席、私は助手席に乗り込みました。
夫「駐車券ある?」
私「あるよ。えっと、どこだっけ(バックのなかをしばらく探す)無いなー、どこ?あれぇ~
・・・あったよ!」
券を手に前を向いた瞬間、
きゃああああああああああああああああああああああああ
車のボンネットに掴まるひとが!!!!
最初、男か女かも分らず、さっきまでの想像で、
本当に函館から戦死者の霊を連れて帰ってきてしまったと思いました
しかし良く見ると、女性…お婆さん?
兎に角、ドアロックをかけようと夫に「ロックして!」と言っても夫は焦る様子も無く、あろうことか窓を少し開けて「何ですか?」って話しかける始末!!
で、その老婆の言葉は
「もう終わった?終わったわけ?」
え?なにが?・・・
どうやら人間だったようで、何かつぶやきながらノロノロと歩いて去ってゆきました。
夫はどうやら私がバックの中を見ている間、そのお婆さんに気付いていたらしく、別に何とも思っていなかったみたい。(はよ言え!!
)
その後、自分の反応とそのお婆さんの顔を想い出すと笑えるやら涙が出るやら…
漫画みたいなオチの旅行でした