5月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2754
ナイス数:64

黄泉がえり again (新潮文庫)黄泉がえり again (新潮文庫)感想
前作を読み終えた勢いで、1日で読み切った。今回は「いつか来る別れ」までのカウントダウンはなく、特殊な存在の少女を助けるために、蘇った戦国武将が大活躍する。痛快で力強く、守りたいという強い気持ちが伝わり、楽しいシーンが多かった。一度は消えてしまった黄泉がえりの人たちも、また復活する。少女は熊本、蘇った人たちは復興を意味するのかな。明るいラストは、地震で大被害を受けた熊本が一日も早く元気を取り戻すように、という願いが込められているように思えた。
読了日:05月28日 著者:梶尾 真治


黄泉がえり (新潮文庫)黄泉がえり (新潮文庫)感想
残り1/4くらいは半分泣きながら読みました。亡くなった人が蘇って現れるのは、強い思いを残していた人のところ。それだけに、また別れなくてはならないという現実は受け入れがたいものだと思う。ともに逝ってしまうものもいれば、命を与えて去るものもいる。どちらも幸せならば、それがその人の生死観なのでしょう。そういった多くの想いを理解したから、“彼”は地球を去らずに“無”になる道を選んだのだと思う。他者を思い遣る気持ちは、本能だけで生きる生命体をも動かした。人の想いは限りなく強い。そう気づかせてくれる小説でした。
読了日:05月27日 著者:梶尾 真治


メゾン・ド・ポリス3 退職刑事とテロリスト (角川文庫)メゾン・ド・ポリス3 退職刑事とテロリスト (角川文庫)感想
3作目にして初の長編。テロリストとの対決もさながら、ひよりの成長していく姿や、梅崎との距離が少しずつ縮まるところに加え、迫田の家族が登場するといった、ストーリーを通してキャラクタの深みが増すところも楽しめた。もしTV化するなら2時間スペシャルでしょうか。実現されるといいな。これでシリーズとお別れかと寂しく思いながら解説を読むと、すでに4作目を書いているとのこと。夏目について張られた伏線は、次巻で回収されることを期待しています。早く続きが読みたい!
読了日:05月24日 著者:加藤 実秋


啄木鳥探偵處 (創元推理文庫)啄木鳥探偵處 (創元推理文庫)感想
創元社さんのツイートで本書の存在を知った。最初「金田一耕助」と勘違いして二度見すると「金田一京助」さんだった。二人の交流が実際にどの程度あったのか、本当にこんな性格だったのかは不明だが、組み合わせの面白さに目がいって、楽しみながら読んだ。最終話に出てくる少年の正体には、あっと驚かされたが、これも有名人を使った小説ならではの楽しみでしょう。キャラクタだけ取れば、現代のライトなBLでも良さそうな気がしますが、時代の雰囲気を楽しめるという意味では、この有名人を使ったのは正解だったと思います。
読了日:05月22日 著者:伊井 圭


メゾン・ド・ポリス2 退職刑事とエリート警視 (角川文庫)メゾン・ド・ポリス2 退職刑事とエリート警視 (角川文庫)感想
ドラマから入ったので、ひよりの父親や草介の設定が異なっているのに違和感を覚えた。でもTVと切り離して、かつ役者さんをドラマの俳優さんと重ねて読めば、結構楽しめる内容だった。ドラマの方に迫力があるのは、原作がある状態で父親の設定を大胆にアレンジし、全話を通して小出しにしたからでしょう。小説にはひよりの淡い恋心も書かれていて、続刊でどう展開するのかが楽しみです。本格推理というより、軽めの変則的な警察小説でしょうか。テンポよく解決するので読みやすかった。3巻も買ってあるので、近いうちに読みたいです。(´∀`)
読了日:05月19日 著者:加藤 実秋


何かが道をやってくる (創元SF文庫)何かが道をやってくる (創元SF文庫)感想
田舎という閉ざされた共同体にやってくるカーニバルは、あえていうなら異質のもの。そして見世物小屋はどこか胡散臭いところがあって、そういう意味でも遠い世界。それらを楽しめるのは、一時的に滞在して、また離れて行くからであろう。それに恐怖を感じ、取り込まれまいとするのは、ある意味自然なことなんだろう、という視点で読み進めた。短編集と勘違いして購入した初ブラッドベリだったが、詩のような言葉選びの美しさが生きるのは、短編のような気がする。長編も楽しめたが、次は短編集を読もうと思います。
読了日:05月13日 著者:レイ・ブラッドベリ


レゾンデートル (実業之日本社文庫)レゾンデートル (実業之日本社文庫)感想
改稿がなされているとはいえ、これがデビュー作とは思えないほどに、綿密に計算されていたストーリーでした。前半は全く接点のない事件だったのに、気がつけばうまい具合に重なるところなど、本当に上手いなと思います。ダーティーヒーローが主人公のハードボイルドな作品である本書、軽い内容の医療ミステリー。どちらもしっかり書き上げている作者様の力量を感じます。他の作品も、ぼちぼち読ませていただきたい思いました(((o(*゚▽゚*)o)))♡
読了日:05月05日 著者:知念 実希人

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