1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童16人を含む21人が青酸カリで毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。
～版元紹介文より～
タイムスリップ要素があるミステリー。設定や演出や伏線の張り方がすごく良いので、非常に続きが気になる読ませる展開になってる。序盤と中盤はすごく面白い。それだけに終盤が少し強引な印象になってるのが残念だけど話自体が複雑になっちゃってるので綺麗に伏線回収するのは難しいのかもしれない。といっても決して支離滅裂な展開というわけでもないので、少しダレる感じはあっても面白くは読める。作中に出てくる意味深な絵の不気味さは秀逸。良い感じに物語を盛り上げてると思う。