元カウンセリーの保護者の方から話を聞き知った、自傷している女の子。

その子に会うため、まず女の子の母親へ保護者の方から連絡をしていただく。


しかしその日は何度かけても繋がらなかった。

子供にかまってあげられないぐらい忙しいと言っていたので当然と言えば当然の事だった。

なので保護者の方にメッセージで僕の連絡先と軽く自己紹介、いつでも連絡をしてくれてかまわない旨を伝えてもらった。


次の日の深夜近く、僕のスマホが鳴った。

出てみると例の女の子の母親だった。

「はじめまして、こんばんわ。◯◯リョク(僕の名前)です。」

「あっ…カウンセリングをしてくれるとの連絡をいただいたのですが…    うちの子って治せますか?」

『… "治せますか? " か…』

「申し訳ありません。僕が行っています事は治療ではありませんので "治す" ことはできかねます。それとカウンセリングと言いましても僕自身は何も資格を有しておらず、ほぼ素人と変わりません。もしも "治す" ことをお求めになっていらっしゃるのでしたら病院で医師に診ていただくか、資格を有したしっかりとしたカウンセラーの方にご相談することをおすすめします。…もしお望みでしたら僕が信頼している医師かカウンセラーをご紹介いたします。」


僕は "治す" と言う言葉がとても嫌い。

特に自傷者に対して言う "治す" は物凄く嫌い。

自傷者本人が言う分には全然かまわないのだがそれ以外が言うのは嫌。

自傷が自傷者が、さも悪いかのように病気であるかのように表現されているように感じてしまうから。


なのでいきなりで母親さんには悪いのだか、淡々と受け答えをしてしまった。

いつもならもう少し愛想よく、世間話などを交えながらだんだんと話を進めていくのだが今回はそれをしなかった。



「…あ、えーと、なんでもいいんですけどカウンセリング?…とにかく先生にうちの子をみてほしいです。先生なら手早くやってくれるって聞いたので。」


…なんだかこの母親さんとしゃべってもしょうがないように感じた。

"とにかく早く解決したい"

それしか頭にないみたいだった。


なので留意事項を伝え、了承していただき、娘さんと会う日程を決めて、母親さんとの連絡は終わった。



「…なんか少し見えてきた。」