終わったら、連絡して | 水底の月

水底の月

恋の時は30年になりました 

今日は、12:00くらいから大丈夫

 

はい。じゃ、そのくらいで

 

 

午前中に、そんなLINEが往復する

だけど、時間割がきちんとある雅治よりも勤務が予定どおりにいかない私のほうからドタキャンなことも多くて

 

ごめんなさい、救急が来た。

ちょっと電話は無理。

 

了解

 

それで、今日の電話は無くなる

 

だけど

 

たぶん30分はかかる

 

じゃ、とりあえず、終わったら連絡して

 

 

そんなLINEが入るのは、こそばゆくて嬉しい

どうしても今日話しておかないとならない話があるわけじゃないけど、ほんの数分でも声を聞けるとホッとする。待っててくれる感が嬉しい

 

 

「そう言えば、今度来る時は何と言ってでてくるの?」

 

「研修」

 

「何の?どこに行くって言って出てくるの」

 

 

「・・・そんなに、私の動きにパートナーは注目してないから」

 

「ん?」

 

「この間の試験も、私がどこに行ってたとか何の試験だったとか、そもそも試験があったことも気づいてなかったし。そんなもん?夫は妻の行動に興味を持たないの?」

 

「・・・男はそんなもんなのかもしれないね」

 

 

「雅治もそう?」

 

「・・・・」

 

 

ひとは、相手からのなんらかの刺激(ストローク)を得たくて生きているところがある。言葉でも、態度でも、肯定的なものが得られないなら、枯渇し、自らを傷つける否定的なストローク(暴言や暴力)でも求めてしまうことがある。

ストロークが相手からあるということは、自分がそこに存在しているという証明。だから無関心というのが一番こたえるわけで。

 

 

妻、はいつから家庭の中で、洗濯機や冷蔵庫とおなじくらいな存在感になるんだろうか

空気みたいな、いて当たり前の、それは褒め言葉や安定のセリフじゃない。無関心を小綺麗に言い換え、こちらにも感情があるということを無意識に否定されてる。

 

 

 

「奥様と、お出かけなさる?」

 

「それは・・・うん。一緒に出かけることは、あるよ」

 

 

「だったら、奥様がそこで興味を示されることや楽しみになさることに、雅治も意識して関心を向けて添ってあげて。私にしてくれるように」

 

 

「・・・・」

 

 

パートナーに言わせたら、もうステージが変わったというところだろう。言葉を交わさないわけじゃない。なんやかんやありながらも日常は過ぎていく。

 

 

 

「ごめんなさい。やめましょこんな話。せっかくの電話で話すようなことじゃない」

 


 


 

 

 

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