出張 | 水底の月

水底の月

恋の時は30年になりました 

かねてから事務長に頼まれていた案件を「出張ついでにそちらも片づけてきますね」と絡め、学会出張を打診していた。

 

 

場所は横浜

 

 

 

「こんな時だから是非!とは本当は言いにくいけど、行ってきてもらえたら僕は助かります」

 

「わかりました、ありがとうございます」

 

 

私と同期入職で同い年の事務長は、今まで私が関わってきた事務方トップのタイプとはずいぶん違っていて。

以前の業界の癖が抜けない風情のせいなのか、いまだにその腹が読めない。事務長との何か、はたいていお金の絡んだ話だけれど、強い物言いはなく、かといって弱いわけでもなく・・・微妙に腹の探り合いで。

 

まあでも、読む必要もない。

読まなくても自分の仕事は回せるし。

 

 

 

第6波は、今までの行動制限を少し変えた

 

1年前ならば、どんな理由であれわざわざ都会など行けようはずがないけど。

今年は少し変わってきて、オンラインのみだった学会もハイブリッド形式が多くなったし、会場参加者も増えていると聞いた。

 

「でも・・・今年行くのは無理だと思うわ」

 

「そうか。まあ・・・ね」

 

こんな会話をしたのは、つい2週間ほど前で

 

 

 

いつもはみなとみらい線の沿線にホテルを取るけれど、今回は学会場近くにまだ空きがあった

 

 

「そう。だから僕も、いつもとは違うホテルを押さえようと思って。いくつか見てるよ」

 

 

雅治はどこにするの?と詳しくは聞かなかった

 

雅治は「僕はここに泊まる」なんて自分からはたぶん言わない

隠しているわけではなく、聞かれれば答える

そういう、シャイな爆笑ツンデレ

 

でも、私の動きは知っておきたい。つぶやきのような私の経時報告を、さらり聞いてない顔をしながら私の時を、行動をあらかた把握しているのが常で

 

ちゃんと読んでないだろう、聞いてないだろうな、のつもりが、案外そうじゃないと驚いたことが何度もあった

 

 

 

ほんの少し距離があるような無いような感じが

たぶん好き

 

逢うまでは、ツンデレ

 

 

たぶん

 

 

 

「○○と△△、どっちのホテルが会場まで行く導線は楽そう?」

 

「だったら、断然○○のほうだ」

 

 

私はそれを聞いて、駅に直結した○○を予約した

 

 

 

雅治は

 

いくつか選んでいたなかで

○○に一番近いホテルを取るはず

 

 

 たぶん

 

 

 

 

 

 

 

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