ひと区切り | 水底の月

水底の月

恋の時は30年になりました 

「今日・・・病院に行ってきた」

 

 

「検査の結果?」

 

 

「うん」

 

 

「どう・・・って?先生は」

 

 

 

「・・・・現状維持を狙った手術。手術前の状態がMAXで、それがいかに長くキープできるか。今回の手術、切ることで年単位の進行状況をどれだけ抑えられるか・・・という話、はしたよね。これで劇的に良くなる手術ではないし、術後の後遺症で結果良くならない、悪くなる可能性もある、って」

 

「うん、今出来ることを、というか可能性に賭けて、ってことでしょ」

 

 

「その通り。それが・・・」

 

 

「うん、何?」

 

 

「数値・・・手術前より良くなってる、って。こんなことは無いはずなんですけど以前より良くなってますよって言われたよ」

 

 

「えええっ!そうなの!ホントに?」

 

 

「うん、ホント」

 

 

 

 

もちろん、引き続きの経過観察はまだまだ必要で

数カ月おきにまた検査もある

 

 

 

「・・・良かった。手術して」

 

 

「あの御札のおかげだ、sanaが送ってくれた」

 

 

「ふふふ・・・」

 

 

そうなるように、皆が動いた

病院の中でも、お空の上でも

色々と、全部が結びついた

 

過去の、ほかのひとの症例データや統計がどうだろうとも

今回は、雅治に関してはどうしたって良くならなきゃいけない手術だった。それだけ願ってた。

 

ほっ、と力が抜ける

 

 

 

「・・・今日はお祝いね。奮発してケーキでも買って帰る?それともご家族で美味しいものを食べに行くとか?爆笑

 

「そんな・・・何もしないよ。sanaは大げさだよ、大げさ」

 

「大げさで結構。これを喜ばないで、ほかの何を喜ぶというの?」

 

 

 

 

 

昼休みの電話を切った後、

私は職場の近くにあるお花屋さんに行きチューリップの花束を買った

 

 

抱えて職場に戻ると、見つけた同僚たちがパッと顔をほころばせる

 

 

「わあ、チューリップ買ってきたの?お部屋に飾る?」

 

 

「うん、さっきとても良いことがあったからちょっと抜けて行ってきた」

 

 

「そうなんだ、良かったねぇ。・・・何か、春がもう来る、来たーって感じね」

 

 

 手術から5ヶ月。

そう、春が来た。とりあえず一区切り




「あ、sanaさんここにいた。事務長が話したいことがあるから来て、って言ってたよ」



「え?何?・・・何かやらかした?私あせる


 

 

 

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