ロレートの聖母 Madonna dei Pellegrini 1603-05年 260×150
カラヴァッジョ ローマ:サンタゴスティーノ聖堂

 アドリア海に面した聖地ロレートには聖なる家があり、多くの巡礼者が訪れる。この作品は巡礼者の前に姿をあらわした聖母マリアと幼子イエスを描いています。
別名「巡礼の聖母」と呼ばれるこの絵は、巡礼の長旅で黒く汚れた裸足の足を 観る者の方へ突き出した夫婦が、光輪がなければ、 とても聖母子とはわからない庶民的な姿の親子に、跪いて祈る姿を描いています。数え切れないほどの巡礼者たちが、聖母マリアに奇跡を求め、 あるいは神のとりなしを求めて、ロレートへ向かったと言われています。 カラヴァッジョもロレートに立ち寄って それらの巡礼者たちを目にしたに違いないと考えられます。
 美しい聖母のモデルは、カラヴァッジョの恋人で、 娼婦をしていたレーナと言われていますが、 凛とした顔つきには慈悲が、肉感的な身体からは母性が漂っています。
手前の巡礼者達からは、裸足で聖なる家を訪ね、 やっと、手を合わして祈ることが出来る歓びと幸福な思いが感じられます。 聖母に抱かれた幼子は祝福のポーズを取っています。

Santunario della Santa Casa(聖なる家)

店主

※妻のマルケ州で楽しもう!

聖地・ロレートはマルケ州にあります。
マルケは安くて美味しいワインIの産地で、伝統的なお菓子も色々あります。
その中から、今回は ロンツィーノ・ディ・フィーコ(lonzino di fico)をご紹介。


晩秋に、干しイチヂクやナッツやアニス種を砕いて練り、アニス酒を加え、棒状に成形。それに丁寧にアニス酒を付けた手で外側に風味付け何度も繰り返す(数週間)。
その後、いちじく葉で包み干して保存されます。いわゆる保存食品?保存菓子ですねニコニコ
冬のお菓子としてはもちろん、チーズと食べてもとても美味ラブラブ!
残念ながら~今は、ヴェネツィアの伝統菓子と同じように生産者が減少(スローフード協会から*プレシディオに認定)してるそうです。

マルケの美味しいチーズは…
カショッタ・ドゥルビーノ(Casciotta d'Urbino)。
16世紀には、ウルビーノ特産の羊の乳から作られるこのチーズをミケランジェロ含む多くの人が好んで食べていたそうです。
マルケ州で唯一、EUの「DOP保護指定原産地表示」認定受けている誇り高いチーズです。


*プレシディオ(食の砦)
プレシディオとは、イタリア語で砦という意味で、プレシディオに指定された生産者と生産物は2年に一度開催されるサローネ・デル・グスト(味のサロン)やチーズのイベントにおいてブースが与えられその生産物をプロモートする機会などが与えられます。