12月6日、日本武道館であった「Juice=Juice 10th Anniversary Concert Tour 2023 Final ~Juicetory~」に行ってきました。

加入の日付けとともにメンバーを紹介するオープニングに続いて「プライド・ブライト」から始まったコンサート。
結成10周年を迎え、「10th Anniversary」と銘打ったツアーファイナルのセットリストは、ツアーのものを基本に本編後半に「Juicetoryスペシャルメドレー」を、アンコールに回替わりでやっていた各メンバーのデビュー曲を「デビュー曲メドレー」として、2つのメドレーを組み込んだ武道館スペシャルでした。
今のメンバーでより多くの楽曲を聞くことができた反面、フルコーラスで聞きたい曲もメドレーに組み込まれてしまう難点を感じましたが、10周年記念を締めくくる公演の演出として、これはこれで正解かと思いました。
10周年を振り返るセットリストについて、植村あかりちゃんはMCで「久しぶりにやった楽曲が多くて『この曲やるんだ!』という曲もあって、振り付けを覚えていなかったり、昔とは違うユニゾンだったりするので、新しい曲を歌っているような感覚でした」と感想を述べました。

Juiceはフェイクを聞かせたり、アドリブで歌い回しを変えたり、歌唱力を活かしたライブの楽しみを見せてくれる印象がありますが、「生まれたてのBaby Love」をはじめ、この日は特に多くのメンバーがそうした歌い方をしているのが印象的でした。段原瑠々ちゃんや松永里愛ちゃんのように自由自在に歌って、安定した心地良さを聞かせてくれるメンバーだけでなく、驚きとチャレンジを感じさせるメンバーも含めて、生歌ならではの楽しみ、ブラックミュージックにも通じるセッション的な面白さがありました。
歌い方だけではなく、最近のJuiceは若いメンバーが前面に出て、ステージ全体の雰囲気がわちゃわちゃしたエネルギーや楽しさを感じさせ、「スキルの高い優等生」といったイメージに打ち壊す魅力があります。ステージ中盤の石山咲良ちゃんの「声枯れるまで!」の振り切った煽りは、その象徴として見えました。スタイルも良くて美形なのに、やんちゃで元気なキャラがギャップです。同期の遠藤彩加里ちゃんもパフォーマンスの質の高さと若い無邪気なキャラがギャップ。
パフォーマンスの面でも成長著しい3flowerですが、この日の有澤一華ちゃんは「きれいなお姉さん」感があって良かったし、やんちゃな美少女・江端妃咲ちゃんもビジュアルで少しだけ大人に近づいた印象がありました。入江里咲ちゃんはとにかく可愛い。このツアーは後輩メンバーによる「初めてを経験中」から「POPPIN' LOVE」という流れが可愛くて好きでした。
工藤由愛ちゃん、松永里愛ちゃんもユニット曲ではお姉さん組に入っていましたが、まだまだフレッシュ。
そして、そんな後輩メンバーをお姉さんたち、特にリーダーの植村あかりちゃんがおおらかに見守っている様子も今のJuiceの良さを感じさせます
また、「明日やろうはバカやろう」では里愛ちゃんの呼びかけで、武道館がペンライトで赤く染まりました。ピュアレッドは休養中の川嶋美楓ちゃんのメンバーカラー。里愛ちゃんは、アンコールで感想を述べた時も「私が一番、おみふに期待してるんです。おみふにはもちろん、ファンの皆さんにも、メンバーみんなで大きな景色を見せられるように頑張りたい」と美楓ちゃんへの思いとともに決意を語りました。

アンコールの「デビュー曲メドレー」ではその曲のMVがビジョンに流れ、ステージ上で歌う今のメンバーとともに、オリジナルの歌割で当時のメンバーが映し出されました。デビュー当時からの成長が見えるメンバーに加え、卒業したメンバー、引退したり、事務所を出たメンバーも含めて作ってきたJuice=Juiceの10年を見せる演出に感動しました。
また、その中で「ポップミュージック」は他の曲より少し長めの尺をとって披露したのは、この曲を作詞作曲した事務所の先輩KANさんへの追悼の趣旨だと推察しました。

最後に一人ずつ感想を述べていくところで、井上玲音ちゃんは「過去の曲をやることで、みなさんに未来を見せられたらと思いながら今日はやらせていただきました」と述べ、段原瑠々ちゃんは、ツアーファイナルのロゴに、これまでに卒業したメンバーのメンバーカラーが使われていると紹介。植村あかりちゃんが「歴代のメンバーたちからJuice=Juiceって本当にカッコいいねとか、励みになる言葉をもらうたびに、もっともっと頑張ろうと思えます。グループ名には個性あふれるユニットになって欲しいという願いが込められているんですけど、今のメンバーは個性しかないので、その個性をみなさんに愛してもらえるように頑張っていきたいと思います」と挨拶し、最後は「未来へ、さあ走り出せ!」でコンサートを締めくくりました。

最後にビジョンに今日の日付が映し出され、1日ずつ更新していく演出がありました。何かサプライズでの告知かと思って少し見ていたところ(そういう人が多かったようです)、客電がつき、退場が始まっても普通に日付を刻み続けていたので、「これからもJuice=Juiceは時を刻んでいく」というメッセージを表現したのだと理解しました。オープニングがメンバーの加入日(初期メンのあーりーがいるので、最初は結成日でもある)の表示から始まったものの伏線回収でもあったようです。

セットリスト

オープニング
01.プライド・ブライト
02.Next is you! (NEXT YOU)
03.プラトニック・プラネット
MC
04.Dream Rode 〜心が踊り出してる〜
05.FUNKY FLUSHIN'
06.ノクチルカ
07.Va-Va-Voom
MC
08.ブラックバタフライ/植村、段原、井上、工藤、松永
09.初めてを経験中/有澤、入江、江端、石山、遠藤
10.POPPIN’ LOVE
11.TOKYOグライダー
12.生まれたてのBaby Love
MC(石山咲良煽り)
13.明日やろうはバカやろう
14.選ばれし私達
15.STAGE~アガってみな~
*Juicetoryスペシャルメドレー
 16.イジワルしないで 抱きしめてよ
 17.「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
 18.微炭酸
 19.私が言う前に抱きしめなきゃね
 20.カラダだけが大人になったんじゃない
 21.Never Never Surrender
 22.CHOICE & CHANCE
 23.Magic of Love
24.Wonderful World (2023 10th Juice Ver.)
25.ボン・ヴォヤージュ〜想いの軌跡〜

ENC
01.Familia
*デビュー曲メドレー
 02.全部賭けてGO!!
 03.イニミニマニモ〜恋のライバル宣言〜
 04.プラスティック・ラブ
 05.Future Smile
 06.がんばれないよ
 07.好きって言ってよ
 08.ポップミュージック
 09.Fiesta! Fiesta!
 20.ロマンスの途中
MC(一人ずつ感想)
21.未来へ、さあ走り出せ!

 

公演直前の様子

「Dream Road~心が躍り出してる~」

「ボン・ヴォヤージュ~想いの軌跡~ 」

「未来へ、さあ走り出せ!」