11月24日、日本武道館であった「アンジュルム コンサートツアー2023秋 11人のアンジュルム 〜 BEST ELEVEN 〜」に行ってきました。

開演前に会場に広がった「伊勢鈴蘭!5周年!」コールとオレンジのペンライト。コンサート前日の23日は、鈴蘭ちゃんが太田遥香ちゃんとともに新メンバーとしてお披露目された日ということで、ファンからサプライズでのお祝いでした。
かみこリーダーのもと新体制初となる武道館公演。当日券は出たものの、残っているのはスタンドの最上部や見切れ席という印象でほぼ満員でした。女性客の多さも目立ちました。

コンサートはオープニングに続いて「アイノケダモノ」から始まり、最初のビジョン映像や照明も含めて、演出からダイナミックな力強さを感じました。続いて「乙女の逆襲」「泳げないMermaid」「マナーモード」と多様な楽曲を披露していきます。
最初のMCでリーダーの上國料萌衣ちゃんが「卒業なしで、こうして日本武道館に立てることがうれしい。11人の気持ちを一つにして頑張っていきたいと思います」と述べ、新メンバーの後藤花ちゃんの休業について、腕につけたシーブルーのブレスレットを見せて「はななを連れてきました。はななの分まで、みなさん全力で盛り上がっていきましょうね」と述べました。
続いて、佐々木莉佳子ちゃんが「ムーブな曲調と、1人ひとりの歌声を楽しんでください!」と曲振りをし、12月13日リリースの新曲「RED LINE」をライブ初披露しました。山崎あおいさん作の疾走感があってカッコ良い曲で、「プライド・ブライト」と対になるイメージ。コールが決まってくれば、ライブ映えする曲になりそうです。
前半のセットリストは、基本的に秋ツアーを引き継いだもので、アンジュルムの楽曲の良さを改めて感じながら、メンバーの歌をしっかり聞ける内容でした。メンバーそれぞれの歌の良さが引き立つ充実したライブだったと思います。
コンサート中盤のVTRはツアーと同じメンバー1人ずつのインタビューでしたが、この日は全員分が流れ、各メンバーの持ち味が伝わってきました。「アンジュの曲や海外の曲、他のアイドルの曲を聞いて、アンジュにあるものとないものを比べて、幅を広げることを考えています」とアーティスティックな面を見せる平山遊季ちゃん、日本各地の郷土料理を学んで再現していると言い、料理の腕をさりげなく「どやる」松本わかなちゃん、「あなたにとってアンジュルムとは?」という質問にすでに涙ぐんで「アンジュルムについて話すと泣いちゃうんです」と言いながら、「宝物です」と答えるかみこちゃんが印象に残りました。
メンバーカラーをとりいれた衣装にチェンジした後半は、ツアーでやっていたソロ・メドレーに変えて「赤いイヤホン」や「次々続々」といったライブの鉄板曲を組み込み、MCを挟んで、最後は「愛すべきべき Human Life」で本編を締めくくりました。セトリはツアーとは少し印象が変わった後半でしたが、ツアーで感じたのと同様、楽曲を正面から押し出し、アンジュルムらしさを見せつけたカッコいいコンサートでした。
途中のコール&レスポンスで会場を煽っていくところで、「当てられないと思ってる関係者とハロメン!」とかみこちゃんが指すと、1階スタンドの関係者席が手を振って声をあげました。なかなかない光景でしたが、ファンと一緒に楽しんでいる感じがして良かったと思います。

アンコールは、ライブ初披露の新曲「ライフ イズ ビューティフル!」で、明るくハッピーなアンジュルムらしく再登場。「ドンデンガエシ」「46億年LOVE」で盛り上げ、一人ずつ感想を述べた後、最後は「大器晩成」で会場が一体になるという、盛り上がらないわけがないセトリで、大箱ならではのお祭り感を味わうこともできました。
「小さい時から夢見てきた日本武道館のステージに立ててうれしい」と涙をこらえながら言う下井谷幸穂ちゃん、パフォーマンス中には元気でヤンチャな感じの表情も見えて、アンジュルムメンバーらしいなと思いました。
「今年は初めて武道館や先輩の卒業や、後輩の加入や、様々なことがあって『果たし状』みたいでした」と振り返る平山遊季ちゃん、ショートカットが似合ってカッコ良く、パフォーマンスもアーチストのようで、これから益々注目されていきそうです。
「演出も盛りだくさんで、メンバーとスタッフさんみんなで作り上げたライブが、みなさんの胸に響いていたらいいなと思います」と述べた松本わかなちゃん、歌の上手さに加えて耳に届きやすい声質なので、わかなちゃんが歌う歌割はとても映えます。
新曲について言及したあと「本番が始まる前にわかにゃがしおんぬの歌が大好きだよと言ってくれて、みなさんも応援してくれて、頑張れました」と言う為永幸音ちゃん。実際、表情も含めて様々な表現とともに歌声を聞かせてくれて、ビジョンに映し出された時に思わず目がいきました。
ツアーを振り返って「アンジュルムは、メンバーも形も色もどんどん変わっていくので、その様子を今回のツアーを通じてお見せできていたらいいなと思いました」と述べた川名凜ちゃん、自身のビジュアルやパフォーマンスもさらに進化していく印象を受けました。
橋迫鈴ちゃんは歌もダンスも安定して力強くなっていて、これからパフォーマンスを引っ張っていくことはもちろん、「頭にお花を2つ咲かせてきました!ベストイレブンです!」と後藤花ちゃんへの想いを見せるなど、グループそのものを引っ張っていきそうです。
伊勢鈴蘭ちゃんは開演前のお祝いコールに触れて涙を浮かべ、「今日のライブは本当にすごく楽しくて、みなさんのペンライトが温かったです」と述べました。歌声が魅力的なのに加えて、伊勢ちゃんは「放っておけない感じ」があります。
「今日観てくださったみなさんで、このライブを楽しめたことが幸せ」と述べた川村文乃ちゃん、りかみこの2人がスター的な存在感を見せる中、ガッチリ支えている感じのかむちゃんを加えてアンジュルム3人体制を感じられるコンサートでした。可愛い声質は楽曲をキラキラ輝かせるものになっています。
「アンジュルムを作ってるのが私たちで、アンジュルムを支えてくれてるのが皆さん」と言った上國料萌衣ちゃん、華やかなビジュアルや、アンジュルム愛溢れるリーダーであることはもちろん、この日感じたのは、歌が抜群に上手いこと。竹内朱莉ちゃんからフェイクや難しい歌割を多く引継ぎ、自分らしく歌いこなしていると感じました。特に包容力を感じるたけちゃんのフェイクに対して、凛とした透明感のある美しいフェイクは、また違った魅力があると思います。
最後に感想を述べた佐々木莉佳子ちゃん、「みなさんがアンジュルムに出会ってくれたタイミングって、ほんの一握りのもので、それを逃していたら出会っていないかもしれないと思うんです。でも、みなさんはそのタイミングをちゃんと掴んで私たちを好きでいてくれるから、私たちもみなさんを愛そう。幸せにしたいと心から思っています。アイドルという人生を選択できて本当によかったです」と締めくくりました。圧倒的なステージ映えするパフォーマンスとともに、マインドも含めて、この人が「今のアンジュルム」の象徴だと感じた瞬間でした。

 

 

セットリスト
オープニング
01.アイノケダモノ
02.乙女の逆襲
03.泳げないMermaid
04.マナーモード
MC
05.RED LINE
06.ミラー・ミラー
07.Uraha=Lover
08.もう一歩
09.Piece of Peace~しあわせのパズル~
VTR
10.赤いイヤホン
11.ぶっ壊したい
12.次々続々
13.明晩、ギャラクシー劇場で
MC(コール&レスポンス)
14.愛されルート A or B?
15.ハデにやっちゃいな!
16.限りあるMoment
17.愛すべきべき Human Life

ENC
01.ライフ イズ ビューティフル!
02.ドンデンガエシ
03.46億年LOVE
MC(一人ずつ感想)
04.大器晩成

 

公演直前の様子

「RED LINE」

 

「愛すべきべき Human Life 」

「ライフ イズ ビューティフル!」