11月6日、日本武道館であった『つばきファクトリー コンサートツアー 2023秋 可惜夜〜山岸理子・岸本ゆめの 卒業スッぺシャル〜暁』に行ってきました。

オープニングアクトのOCHA NORMAが「シェケナーレ」の元気なパフォーマンスで会場を温め、「りこちゃん!ゆめの!」コールが会場に響く中、山岸理子ちゃん、岸本ゆめのちゃん卒業の武道館公演はメンバーがバキバキに踊るダンスパフォーマンスで幕を開けました。
1曲目から「妄想だけならフリーダム」で会場を盛り上げ、「最上級Story」「三回目のデート神話」とテンポの良い楽曲が続きます。秋ツアーと同じ「可惜夜」のタイトルがつけられているものの、この日のセットリストは、ツアーのホールコンとは全く異なる「スッペシャル」なものでした。
最初のMCで岸本ゆめのちゃんは「卒業とかは関係なく、いつもどおり必死に挑戦したいと思います!」と決意表明し、山岸理子ちゃんはリーダーらしく「11人でそろってステージ立てていることを本当に幸せに思います」と述べました。

「私たち2人のアイドル人生の思い出をギュッと詰め込んだ内容になっています」と岸本ゆめのちゃんが紹介した「卒業スッペシャルメドレー」の1曲目は、2人がハロプロ研修生とした参加した「おへその国からこんにちは」。当時のMVとステージに立つ現在の姿を対比させるビジョンの演出に、一気に「親目線」で感情が入りました。個人的に、この時期の研修生は推しのメンバーがいたこともあり、一番熱心に見ていた時期なので「りこりこもきしもんも、当時の研修生だったよなぁ…」と改めて感慨が込み上げてきました。
メドレーは、理子ちゃんと他のメンバーによる℃-ute曲、岸本きしもんと他のメンバーによるBerryz工房の曲へ展開していきました。「Love take it all」の理子ちゃんのカッコいいダンスから「行け 行け モンキーダンスモンキーダンス」最後のきしもんの「全力のサル顔」まで、℃-ute とBerryz工房のコンサートに研修生として帯同し、ベリキューを憧れの先輩として目標にしてきた2人の足跡を思い出させ、2人での「超HAPPY SONG」でまとめたことも含めて、ハロプロ研修生出身の「思い」や「誇り」を感じさせてくれるメドレーでした。つばきの「ファクトリー」がBerryz「工房」の精神を受け継ぐことを2人が最後まで示したと感じました。
あわせて、結成時のメンバー4人で1stインディーズシングルの「青春まんまんなか!」を、メジャーデビュー時のメンバーで「Just Try!」を、今のメンバーで「間違いじゃない 泣いたりしない」をと、つばきの歴史をたどる楽曲もあり、まさに卒業する2人のストーリーを詰め込んだ特別なメドレーでした。

続くMCでは、メドレーで選んだ楽曲にまつわるエピソードを語り合いました。
理子ちゃんが「FOREVER LOVE」を八木栞ちゃん、豫風瑠乃ちゃんと、きしもんが「サヨナラ激しき恋 」を河西結心ちゃん、福田真琳ちゃんと一緒に歌ったり、「彼女になりたいっ!!! 」の最後(「〇〇ちゃん、ちょーだい!」の部分)を2人がリトキャメの4人と一緒にやるところも見せ場でしたが、この日のリトキャメは4人それぞれがとてもきれいで可愛かった。特に栞ちゃんはポニーテールがよく似合い、キラキラした印象で目を引きました。真琳ちゃんは髪を下ろして、大人っぽいラフさを見せるオシャレに振っていた感じです。

「弱さじゃないよ、恋は」から始まるブロックでは、切なさを含んだつばきファクトリーの真骨頂というナンバーが並び、その楽曲の良さを感じました。
和気あいあいとしたメンバーの様子を映したVTRからの流れで「足りないもの埋めてゆく旅」に乗せて、メンバー1人ひとりが理子ちゃんときしもんに、一言ずつメッセージを送りました。
コンサート後半のブロックでは「アドレナリン・ダメ」「断捨ISM」と畳みかけて会場を盛り上げた後、この日が初披露となった新曲「アタシリズム」をパフォーマンス。
「マサユメ」「今夜だけ浮かれたかった」とライブの鉄板曲を並べ、最後は「初恋サンライズ」に合わせて日の出をビジョンに映し出し、「暁」を迎えて「可惜夜」が明けました。

「りこちゃん!ゆめの!」のアンコールに応え、先に登場したのは、黒のパンツスタイル姿の岸本ゆめのちゃん。凛々しい佇まいが「男装の麗人」という言葉を連想させます。
「ハロー!プロジェクトでの11年間で、たくさんの人に支えられ、愛をいただいて、ここまで来ることができました」と感謝の言葉とともに、「私はこの先もたくさん歌を歌って生きていきたいです」と決意を述べました。「また、あなたに会えることを願っています。出会ってくれたすべての人への愛と感謝の気持ちは、私らしく歌に乗せて伝えるので、受け取ってください」と挨拶し、Berryz工房の「BE」を情感たっぷりに歌い上げました。

続いて、白とパステルカラーを基調としたドレスに身を包んだ山岸理子ちゃんが登場して「かっちょ良い歌 」を披露しました。卒業曲も卒業メドレーと同様、彼女たちらしい選曲でした。
理子ちゃんは手紙を朗読して挨拶。「ハロー!プロジェクトのコンサートでバックダンサーをやりたいという理由で研修生に応募した」と振り返り、「活動していく中で、アイドルってこんなにかっこよくてキラキラ輝いているんだなって、ハロー!プロジェクトのすばらしさに気づかせてくれました」と述べました。また、「グループ内で一番リーダーに向いていないだろう私がリーダーになり、毎日プレッシャーに押しつぶされそうになりながら活動していました」と言い、「そんな頼りないリーダーに今までついてきてくれて、支えてくれたメンバーのみんなには、本当にありがとうの気持ちでいっぱいです」と述べて、一人ひとりのメンバーに宛てたメッセージを伝えた後、「つばきファクトリーでの活動は一生の宝物です。今までつばきファクトリーの山岸理子を応援してくださり、ありがとうございました」と感謝の言葉で結びました。

他のメンバーが登場して全員で「愛は今、愛を求めてる」をパフォーマンス。続いて、一人ずつ順番に今日の感想を述べる中で、メンバー全員が改めて2人に送る言葉を述べました。涙ぐむメンバーもいる中、リーダーを引き継ぐ新沼希空ちゃんは「2人とはハロプロ研修生の頃からずっと一緒にいて、家族よりも長い時間を共有してきたので、寂しいという気持ちもありますが、二人の夢を応援したいと思いますし、これからも私たちのことを一番近くで見守っていて欲しいと思いますので、これからもよろしくお願いします」と伝えました。
そして、最後は「勇気 It's my Life!」で爽やかにしめくくり、山岸理子ちゃん、岸本ゆめのちゃんが作るアーチをくぐって、一人ずつメンバーが退場する中、結成から一緒に活動してきた谷本安美ちゃんが、2人にキスしてステージを後にしました。
一旦ステージをはけた後、鳴り止まないコールに呼ばれたダブルアンコールでは、きしもんが理子ちゃんの手をとってエスコート。ゆっくり花道を通って客席に手を振る2人の姿は、まるで宝塚の男役と娘役の引退公演のようでした。

強い輝きを見せた山岸理子ちゃん、パフォーマーとしての存在感を見せつけた岸本ゆめのちゃん、つばきファクトリーをけん引してきた2人の清々しい感動に包まれた卒業コンサートでした。

セットリスト

OA シェケナーレ/OCHA NORMA

オープニング
01.妄想だけならフリーダム
02.最上級Story
03.三回目のデート神話
MC
* 山岸理子・岸本ゆめの 卒業スッペシャルメドレー
 04.おへその国からこんにちは (ハロプロ研修生)
 05.Love take it all (℃-ute)/山岸、新沼、小野、秋山
 06.FOREVER LOVE (℃-ute)/山岸、八木、豫風
 07.桃色スパークリング (℃-ute)/山岸、谷本、小野田、河西、福田
 08.青春まんまんなか!/山岸、新沼、谷本、岸本
 09.彼女になりたいっ!!! (ハロプロ研修生)/山岸、岸本、河西、八木、福田、豫風
 10.アジアン セレブレイション(Berryz工房)/岸本、小野、小野田、秋山
 11.サヨナラ激しき恋 (Berryz工房)/岸本、河西、福田
 12.行け 行け モンキーダンス (Berryz工房)/岸本、新沼、谷本、八木、豫風
 13.超HAPPY SONG (Berryz工房×℃-ute)/山岸、岸本
 14.Just Try!/山岸、新沼、谷本、岸本、小野、小野田、秋山
 15.間違いじゃない 泣いたりしない
MC
16.弱さじゃないよ、恋は
17.低温火傷
18.抱きしめられてみたい
19.可能性のコンチェルト
VTR
20.足りないもの埋めてゆく旅
21.アドレナリン・ダメ
22.断捨ISM
23.アタシリズム(新曲)
24.マサユメ
25.今夜だけ浮かれたかった
26.初恋サンライズ

ENC
挨拶 …岸本ゆめの
01.BE (Berryz工房)/岸本ゆめの
02.かっちょ良い歌 (ハロー!プロジェクト モベキマス)/山岸理子
手紙朗読 …山岸理子
03.愛は今、愛を求めてる
MC
04.勇気 It's my Life!
ダブルアンコール(会場への挨拶)山岸、岸本

 

公演直前の様子

「最上級Story」

「アタシリズム」

岸本ゆめの挨拶

「BE」

「かっちょ良い歌」

山岸理子手紙朗読

「勇気 It's my Life!」