10日に御浜町坂本地区の折山神社の境内で恒例の「紀州犬犬合わせ会」が行われました。
犬合わせといっても闘犬じゃありませんから・・。
近隣の紀州犬愛好家がそれぞれの犬を連れて交流を図るのが主体で、世話役の尾崎さん親子が紀州犬の系統とか猟能研修会の様子とかを超ベテランの紀州犬界では知らない人がいないまさにレジェンドともいえる下さんと共に様々なレクチャーしてくれる文字通り紀州犬の勉強会の様相も兼ねた実質的な集まりなのです。
後で日本犬保存会の知り合いと連絡を取り合いましたが、彼曰く「最近の紀州犬は一昔前の紀州犬とは違って穏やかになってきた」と感じているとのことで「一般の愛好家に受け入れてもらえる良い気性になってきた半面、洋犬化してきてひたすら穏やかなだけの紀州犬を求められる向きもあり」彼的には、それはちょっと違うのではないかと危惧されている様子がわかりました。
この犬合わせ会が紀州犬の内面の魅力もつたえられる会になってほしいとの意見もいただきました。
彼は保存会の審査員も務めるほどのベテランですが、あまりその心配は無さそうな感が僕的にはあります。
参加されてる人達は女性も多く、彼女達はもちろん自分ちの犬のその気性の良さを褒めたたえているものの、この犬の持つ内面的な秘めた魅力のことは充分に承知していて、その上でこの紀州犬の良さというものを分かっていると思います。
代わりに洋犬(この括り方も大雑把ではありますが・・・)とは、というような単純な思いではないと感じますね。
今回、もう一つ楽しみと心配を持って参加したことがあります。
それは先の保存会関係の彼の紹介で去年地元の一般家庭にお世話した雄の紀州がいまして、一歳と三か月になるその子が、一体どんな子に成長しているかということでした。
紀州の雄を初めて飼うということですから、くれぐれもと指導はしてきたつもりですが、まぁ気性は分かりませんからね。
しかしその懸念は無駄に終わりました。かなり良性な子で一年振りに会う僕にもすぐになついて、もう何年も一緒にいるような感じで甘えてくれていました。
ホント安心しましたね。嬉しかったです。
他犬にも温厚な態度で、それについても充分合格点でしたね。体も大きくて、まだまだ線は細いものの多分あと一年もしたら随分逞しくなるような感じで、先が楽しみな子でした。
紀州犬・・といえば「怖い、きつい、噛む」などのイメージが常に付きまとい、99%の人は二言目にはそう云います。
それが現実です。
しかしこの犬の持つ魅力は一言では言い表せまんが、まず日本的な素朴感のようなものとその佇まい、力強くきれいな姿態、それに伴侶犬としての頼りがいのある気性(防衛本能ともいえる)。ただこういうところが何だか不気味で怖いというイメージにつながるのかなぁとも思いますけどね。
人(特に犬好き)には好み、嗜好というものがあありますから一概には言えませんが、少なくとも僕らはこの紀州犬の本来の姿に魅了されてるわけです。
確かに恰好が良くても、すぐに「ガァガァ」と唸ったり威嚇する犬もいますし、近づくことすらできないようなヤバい犬もいます。
ですからそれは本来の紀州の姿ではありません。
元々は猟野で主人と仲間たちでイノシシやクマを狩っていた犬です。
体力も気力も充実した良性の犬でないと使えません(中には名犬とされる犬にも時たまそんなのもがいた見たいですが・・)そんな気性ではまったく危ないだけで役にも立たず家でもおいておけませんもの。
日本犬を守り、残してきた保存会の努力には心から敬意を表していますが、少し懸念はあります。
やはり見た目の綺麗さカッコよさが重宝され優先されます。飼い主たちは「やっぱり気性が良くなきゃ」などとは言っていますが、僕的には少し首をかしげてしまいます。
受賞した犬やその系統犬には交配が殺到するようで、それは今も昔も変わらないようです。
例えその犬がというかその系統の中に凶暴でどうしようもない犬がいたとしてもです。カッコよければ・・・。
そういった飼い主達の展覧会における競争意識、優越感それがもっぱらで、本質的なものからどこかかけ離れているようで少し残念に思います。
まず第一に考えなければならないのは紀州犬を絶やさないということです。
現にここ100年ほどの間に絶滅した日本犬は何種もいます。枚挙にいとまありませんもの。
ということで私見も含め紀州犬への思いを少しだけ述べさてもらいました(まだ、言いたいことは多々ありますけどね・・)
この犬合わせ会を主催してくれている尾崎さん(現役の猟師・・)達には心から感謝していますよ。
紀州犬を本当によくわかった方たちですから。
で家の犬達・・?もうすでに老犬の域に達していますが、それはそれで枯れた雰囲気が出てきて、まだまだ気力だけは旺盛だし、毎日外で(勿論、柵の中ですよ・・)遊んでいる姿を見てるのが楽しみです。
ということで終わります。