ryofudo777のブログ(文庫おでっせい)

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私が50年間に読んだ文庫(本)たち。
時々、音楽・映画。

<バローズ、

ハミルトン>

 
 

1531「火星の古代帝国」

火星シリーズ⑩

エドガー・ライス・
バローズ
連作短編集   厚木淳:訳
創元推理文庫
目次
 
はしがき
第一部 古代の死者たち
第二部 火星のブラック・パイレーツ
第三部 火星の冷凍人間
第四部 火星の透明人間
 
太古の昔、
絶滅したと伝えられる
白色人帝国にさまよいこんだジョン・カーターは、
はからずも美しい孫娘のラナと再会した。
 
恐るべき魔境の呪いから
危機一発脱出した二人の前途には
悪名高き黒色人種ブラック・パイレーツが
待ちかまえていた。
 
いっぽうラナの故国ガソールは
北極の冷凍人間の大軍に包囲されて、
いまや陥落寸前である。
 
カーターは一刻も早くヘリウムにもどり、
大艦隊をひきいて救援にかけつけなければならない。
 
腹背に敵を受けた地球と火星、
両世界きっての剣豪、
ジョン・カーター畢生の大冒険!
 
                        <ウラスジ>
 
本巻はカーターの孫娘ガソールのラナを主人公とした
四つの連作短編から成っているが、
バナール対ガソールの戦争が全体の中心テーマであり、
ガソールの救出におもむく途上でカーターとラナが
数奇な冒険に遭遇するという形をとっているので、
首尾一貫した長編と見なすこともできるような作品である。
 
<厚木淳:あとがきより>
 
1.古代白色人帝国からの脱出
2.ブラック・パイレーツの都市からの脱出
3.極北の冷凍人間の都市からの脱出
4.透明人間の都市からの脱出
 
全部で400ページあまり。
 
シリーズの文庫中、最大ページ数。
 
……刻々と近づく、
シリーズのフィナーレに向けての準備か?
 
 
 
 
 

1532「火星の巨人ジョーグ」

エドガー・ライス・
バローズ
中編   厚木淳:訳  野田宏一郎:解説
創元推理文庫
目次
 
1.火星の巨人ジョーグ
2.木星の骸骨人間
 
*.火星地図
*.E・R・バローズの世界 
<野田宏一郎>
 
身の丈四〇メートルという
雲をつく怪力無双の巨人が火星に誕生した。
 
しかも、
この巨人を背後であやつるのは
奸智にたけた合成人間ピュー・モーゲルである。
 
この巨人はいかなる肉体の損傷にたいしても不死身であり、
精鋭を誇るヘリウム空軍の攻撃も、
ジョン・カーターの神速の剣技も通じない。
 
いまや彼らはヘリウムのプリンセス、
デジャー・ソリスを人質にし、
大白猿の空挺部隊をひきいて、
火星全土の征服に乗り出した。
 
巨人とカーター、
対決のときは刻々として迫る!
 
                        <ウラスジ>
 
 
このジョーグという巨人は、
自分の意志を持たない、
操り人形のような怪物ではあるが、
その破壊力は凄まじく、
早々に手をうたなければなりません――
 
ただし弱点がなく、ほとんど不死身なので、
本体よりも操縦者〈?〉の方を何とかしよう、
という作戦を取らざるを得ませんでした。
 
鉄人よりも正太郎を、
GR1よりも大作少年を、
ということ。
 
ただし、首は斬り落とさない。
 
で、
このピュー・モーゲルって合成人間、
斬り落とされた首がうるさいこと。
とにかく死なない。
 
飛頭蛮(飛首)か、チョンチョンか。
 
 
 
<余談>
今にして思えば、
結構、間隔をあけて読んでいたんだなあ、
という感想です。
 
取っ掛かりはここから。
 
この時に洩らした ”会話の少なさ” など、
どこ吹く風、シリーズ大団円が近づいて、
登場人物が(再登場も含めて)多くなると、
いきおい会話が活発になってきます。
 
 
<総括>
では<火星シリーズ>の総括として、
突然出現した感のある、
”野田宏一郎” 氏の言葉を――
 
 
火星シリーズ全編の筋立ては、
きわめて単純である。
 
……美しい女が他の種族に掠奪され、あるいは誘拐され、
あわや彼らの王妃に、奴隷に、実験材料に、
男のなぐさみものというきわどいところに、
単身あるいは仲間と共に乗り込んできた主人公が怪物を倒し、
敵と斬り結び、飛行艇を駆って無事救出に成功する……
 
まことにありふれた図式の飽きもせぬ反復だといえなくもない。
 
<野田宏一郎:「E・R・バローズの世界」より>
 
が、しかし、
と言ったところでしょうか。
 
 
とにかく、
<火星シリーズ> 全11巻
ここで完結。
 
<余談の余談>
ところで、
ご存知の方はご存知でしょうが、
この「野田宏一郎」という御仁、
日本におけるスペオペの第一人者、
翻訳者であり作家でもある、
野田昌宏さんの本名であります。
 
(アナグラムにもなってない変名だな)
 
しかし、なんで創元推理文庫に登場するときは
本名(別名)を使ったんでしょう?
 
早川に対する考慮か義理立てからでしょうか。
 
次の
「キャプテン・フューチャー」
は野田昌宏さんの手によるものだし。
 
早川との結びつきが強そうだしなあ……。
 
 
 
 

1533「彗星王の陰謀」 

キャプテン・フューチャー

エドモンド・ハミルトン
長編   野田昌宏:訳  早川文庫
 
太陽系内で
原因不明の宇宙船消失事件があいついで発生した。
 
貨物船、定期旅客船、タンカーなどあわせて52隻、
はては調査におもむいた
惑星パトロール指令エズラ・ガーニーと
美人諜報員ジョオン・ランドールの
宇宙船までも消息を断つ始末!
 
事態を重視した太陽系政府は、
ついに意を決して月面に合図を送り
キャプテン・フューチャーの出動を要請した。
 
調査の結果、
ハレー彗星がその原因であることをつきとめたものの、
なんとフューチャーメン一行までも
恐るべき科学力を用いる彗星人によって囚われの身に!
 
はたして太陽系の運命は……
 
痛快宇宙大活劇第12弾!
 
                        <ウラスジ>
 
こちらのシリーズはまだ続く。
 
で、前回の登場はこちら。
 
今回の敵は、ハレー彗星の内部(コア)に住み、
そこを支配する、”箒星人” の王、ソリックス。
 
”ほうき星” って今じゃ中々お目にかからない表現だなあ……。
稲垣足穂は好んで用いてたみたいだけど。
 
で、連中は「電気人間」。
 
そして異次元からの侵略者アルルスも登場。
で、こいつは四次元の生物。
 
<追記>
次の一発目も、キャプテン・フューチャー。