私に似た人 | 等質な二度目

等質な二度目

最短距離がベストじゃない。目指すは安住の地
there is no reason when we think about friends    by k.yokoyama

貫井徳郎著。

「小口テロ」が世間を席捲する世界、日本。

「トベ」と呼ばれる者が小口テロをそそのかす。

トベとは誰か、なぜ小口テロが起こるのか。

「慟哭」以来の彼の本。

やはりテクニックはピカイチです。

各章に分け、私に似た人を描いていく。

確かにどこかしらに自分と似た人を見つけてしまう。

どんでん返しは、まぁ期待しない方がイイです。

じっくり自分に似た人を読み込んでいくのが正しいかと。

要所要所に出てくる、総理大臣のコメント。

社会が歪んでいるのに、社会自体が無関心の只中。

この閉塞感が、今の日本とリンクしています。

読中からモヤモヤして切なかったです。

傷ついたし傷つけていたり。

弱者の悲鳴と混沌。

爽快な結末を期待したものの、逆に中途半端に終わらせる方が、この作品には合っていた気がします。

かなりオススメな作品です。