今回はギターありきのメタルの中でも、比較的歌に比重があったりして聞きやすいんでないかい?というような曲を並べていこうと思います。
一番手は我らが元祖光速ギタリスト、クリス・インペリテリ率いるImpellitteri。
インペリテリといえばメタラーなら常識レベルのバカテクギタリストの一人で、じゃあギターメインじゃんか。と思いたくなるんですけど、Impellitteriって実は曲構成重視というか、ギターソロはそこまで前面に出てこなくて、歌ありきの曲が中心なんですね。
何故か見る媒体によってはネオクラシカルメタルに分類されたりしてますが、曲調は基本的にハードロックベースの純然たるパワーメタルだし、そりゃ日本で人気になりますわ。といったところ。
お次は歌モノメタルをやる最近のバンドの最右翼、ノーラ・ロウヒモ率いるBattle Beast。
ノーラさんのパワーヴォイスで好き嫌いが多少は出そうだけど、曲のクオリティ、ヴォーカルの安定感ともに抜群で、まあ最近のバンドではトップクラスでしょう。
心配されていたリードギタリストもしっかりテクニカル(?)な人を確保したし、大勢は盤石なんでないでしょうか。
しかしこの動画、珍しくほぼすっぴんなんじゃねーのっていうノーラさんのメイクもさることながら、この狭い空間でメンバーとわちゃわちゃしているノーラさんが意外なまでに小さいのなんのって(笑)。
勝手に身長170cmくらいはありそうな気でいたけど、150cm台くらいに見えちゃいますね。実際のところはどうなんだろう…
お次はドイツが誇るメタルディーヴァ、ジェニファー・ハーベン率いるBeyond The Black。
最近はちと太って健康的な体型になったジェニファーさんも、五年前はまだほそっこいおねーちゃんでした。
このバンドの最大のウリは、メタルくさくないジェニファーさんの歌で、バックはゴリゴリのシンフォニックメタルをやっているというところ。
Battle Beastとははっきりと毛色が違うので、どっちが好みかで別れるってこともなくはなさそう。
ただまあ、個人的にはBeyond The BlackでこのHallelujahと同等かそれ以上の楽曲が出てこなくて、ちょっと煮え切らない観があったりなかったり。
お次は歌モノメタルったらわいらやろ!?と言われそうな、ドイツの伝奇メタルバンド、Powerwolf。
このバンドはコープスペイントでデスメタとかそっち方面に勘違いしたくなるんだけど、これ以上ないくらいにコマーシャルなシンフォニックメタルをやるオーソドックスなバンドで、オペラを学んでいた経歴のあるアッティラ・ドルンの暑苦しくも安定感抜群の歌唱、キャッチーなメロディ、ゴリゴリのパワーメタルサウンド、それに加えて重厚なシンセサウンド…そして顔芸が好きなキーボーディストというのが特徴として挙げられる。
ちなみに歌詞の題材は人狼、吸血鬼、悪霊といった中世ファンタジー的なものを扱っており、そのあたりが好きな人には、筆者のようにより突き刺さるんではないでしょうか(笑)。
お次は歌モノと言っていいのか正直迷うけど、変わり種として(笑)、スコットランドが生んだアホ奇才、クリストファー・ボウズ率いるパイレーツメタルバンド、Alestorm。
ヴォーカル兼キーボーディストのクリストファー・ボウズが素晴らしいまでにダミ声で歌うのであんまりそんな気がしないけど、メロディセンスが抜群によくて、特に後述の別バンドでそのあたりはよく分かるはず。
まあとにかくアホでノリノリでキャッチーと、けったいな人気を誇るバンドです。
オマケでパティ・ガーディがゲスト参加したこの曲。
またおきゃんなパティさんの声がハマりすぎてて、パティさんが歌う部分だけまるっきり別バンドのよう(笑)。
これを聞いて、パティさんと新たなバンド作るか全面的に曲を作ってやってくれとか思ったメタラーは、全世界に五万人くらいはいるんじゃないかな!
お次はそのクリストファー・ボウズが立ち上げたGloryhammer。ナチュラルに歌うと全然違う声してるヴォーカル、トーマス・ウィンクラーが所属していたバンドでもある。
今のヴォーカル、ソゾス・マイケルはまったくタイプが違って、それはそれでいいんだけど、ここは敢えて今となっては途絶えてしまった、クリストファー・ボウズとトーマス・ウィンクラーのタッグをね。聞けよと()。
このバンドは抜群のメロディやゴリゴリとしたシンフォニックサウンドもさることながら、曲によってはキャッチー方向、Rhapsodyのようなゴリゴリメロスピと何気に振り幅の大きい曲構成と、何よりも初期はこのトーマス・ウィンクラーの程よく暑苦しいパワーヴォイスが最大の特徴。
何気にメロスピバンドでパワーヴォーカルって、あんまり聞かないのよね。
ちなみにトーマス・ウィンクラーはバンドを解雇され、その後Gloryhammerの分家とも言えるAngus McSixというバンドを立ち上げてます。
最後はちょっと蛇足気味に期待の意味も込めて、変顔をせずにはいられない顔芸ギタリスト、ソニア・アヌビス率いるCobra Spellをば。
このバンド、この曲でノックアウトしたかと思ったら、他の曲は特に様式美でもなんでもなくて若干肩透かしを食った観が否めないんだけど、古き良き八十年代のHR/HMのスタイルでやっているという意味では、もっと広い間口を持ったバンドなのかなと。
何にしても次のアルバムがどうなるか、という興味が湧いてくるバンドです。