銀河列車の旅~宮竜星 | ★アール姉さんのキャラクター製造所★

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列車の下に
青い海が広がっている
この星は
どうやら海で
造られているようだ

「次は宮竜星です
滞在期間は2日間となります
みなさん、ゆっくりと
おくつろぎ下さい」

アナウンスが流れた

どうやってこの星に
降りたらいいんだろう?

私は衝動的に
海の中に飛び込んだ
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ザッバ~ン

私の体は
海の中に沈んでいく

海の中は
とても温かい

おい、おい
お前は何をしに
ここに来た?
海の中に沈んでいく私の目の前に
亀がいる
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私が何をしに来たのか
私にもわからない
どうして海に
飛び込んだのかも
よくわからない
わからないと
何かいけないことなの?

私が聞くと
亀はジッと私の瞳を見た

お前はこのままだと
溺れて死ぬだろう
仕方ない
これを着たら
私の背中に
つかまりなさい

そう言うと
亀は私に着替えを渡し
海の中を
泳ぎだした

珊瑚の彫刻が見える
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小魚達のダンスも見える
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海の中は
信じられないほど美しい

時々私の足の裏を
小魚達がくすぐる
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私の指先にも
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挨拶しにきてくれる
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この星の海は
なんて優しくて
穏やかなんだ

このまま
ここにいたい

このまま
海に包まれて
私は溶けていたい
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私は海に心を眠らせた

「列車が発車します
お急ぎ下さい」

アナウンスが聞こえた

……列車が発車するということは
もう2日も経っているのか
ずいぶん
時間が経過していた
全く気がつかないで
私はここで
何をしていたのだろう?
ダメだ
もう何も考えたくない
このままここで
溶けてしまおう
私はもう
この星の海の
一部なのだ



お前は
何もわかっていない
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亀が再び現れた

この海をちゃんと
見るんだ
この星の海は
ただ美しいだけだって
お前だって
本当は
わかっているんだろう?

ここには
不安や緊張や危機が
存在していないんだよ
おかしいだろう?
生き物は
生きていく為に
必死にもがいているからこそ
美しく輝いているんだ
脅威にさらされることのない世界
ただの楽園なんて
なんの意味がある?

可愛くて美しいものだけが
ここにはいる
この海は
全て偽物で
ここの生き物達も
全て造りものだ
宮竜星という名前だって
竜宮を模倣してるだけなのさ
情けないだろう?

私かい?
私だって偽物さ

亀は力なく笑った

本当にお前は
未熟者だな
こんな所に
迷い込んで
いいかい?
真実を見極める眼を
身につけなくちゃいけないよ
世の中は
偽物で溢れているからね
ああ
時間がない
早く地上へ
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亀は口から
空気の輪をつくると
私を輪の中に入れて
列車まで運んでくれた

いいかい
逃げないで
ちゃんと真実を
見るんだよ
逃げてしまったら
本当の幸福には
辿り着けなくなる
お前も偽物に
なっていくんだ
偽物として生きるなんて
虚しいだけさ
生きるってことは
もがき続けていくこと

決して
忘れるんじゃないぞ

列車に私を
連れてきてくれた
空気の輪は
亀の最後の言葉を伝えると
パチンと弾けて
消えてしまった

あとには
何も残らなかった