偽善に毒される第60回グラミー賞 | 中谷良子の落書き帳

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核武装・スパイ防止法の実現を

2018年のグラミー賞授賞式が行われ、R&B歌手ブルーノ・マーズと、ラップ歌手ケンドリック・ラマ―がほとんどの賞を独占しました。

背景ではためくアメリカ国旗の前に並んだ兵士たちが足を踏み鳴らしてオープニングを飾ったのは5部門を獲得したラップ歌手、ケンドリック・ラマー。ラップといえばモリー、コデイン、大麻や犯罪をラップするスタイルが蔓延していますが、彼は犯罪歴なし、ドラッグを一切やらず、逆にそういうものを撲滅させようとメッセージ性の強いラップを歌っている珍しいクリーンラッパーです。

「The only thing more frightening than watching a black man be honest in America is being an honest black man in America.」(アメリカで黒人が誠実になるのを見るより恐ろしい唯一のことは、アメリカで誠実な黒人になることだ。)とメッセージ。


授賞式では、賃金格差、差別、権力乱用、性的暴力や男女平等に取り組む「#TimesUp(時間切れ)」「#MeToo(私も)」運動を大々的に取り上げ、出席したほとんどのミュージシャンは運動への支援を表す白いバラを身に着け、授賞式に参加するという偽善的なセレブといわれる方々のパフォーマンスには吐き気をもよおしそうでしたが(そもそも男女は、それぞれ得意、不得意があり、格差があって当たり前。とんでもない深刻なセクハラ被害を受けている女性には同情しますが)、「いい人」に見られたい方々が大集結していて気持ち悪いことこの上ないですね。

ダンスを習っている者として、ショーとして、どのようなステージパフォーマンスを魅せてくれるのか?という観点からルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシート」を楽しみにしていました。惜しくもノミネートはされましたが、受賞はならず。しかしグラミー賞もどんどん変化しつつあり、黒人、移民系シンガーに押されており(ブルーノ・マーズもプエルトリコ&フィリピンの混血)、白人系シンガーの活躍の場がなくなりつつありますね。

ツイッターにもアップしたグラミーにおいてのルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシート」パフォーマンスは画像が悪く、HDでyoutubeにアップされていたので貼り付けます。サルサ、キソンバダンスを踊る女性ダンサー陣が綺麗で、PVにも出ていたミス・プエルトリコ代表も出てきて華やかで楽しい気分に浸れます。政治活動もいいですが、たまには怒りをため込まず、楽しいこと、美しいものを見て息抜きされるのも良いのではないでしょうか。

ルイス・フォンシ専属ダンサーが教える「デスパシート」ダンスの振り付け。


中谷良子ツイッター
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