人口減少対策のため移住、定住者を増やそうと大阪府河南町は新しいガイドブック「夢、かなうまち」3千部を発行した。
町役場秘書企画課で配布しているほか、「ふるさと納税」の寄付者にも配る方針という。
府南東部にある河南町も各地の自治体同様、人口減少への対策が課題となっている。実際、平成17年の国勢調査では約1万7500人だった人口は、27年で約1万6100人に。
こうした状況に歯止めをかけようと、町の魅力を発信する冊子の作製が決まった。ガイドブックはB5判8ページ。
「一戸建ての家に住みたい」「農業をしたい」といった希望を持って移住してきた人らのインタビューなどを掲載している。このほか、町役場や観光名所、各種施設を紹介するタウンマップも。
マップでは町内にキャンパスを持つ大阪芸術大グループの協力で、日本語や英語以外に中国語、韓国語の表記も含んでおり、外国人観光客などにも町を広くPRするという。
町の担当者は、河南町が大阪市中心部から電車とバスで約1時間という通勤圏で子育て環境にも優れており、農業もできるなどのメリットを強調。
「冊子に書いてあることが読んでくれた方々の心に響き、移住や定住につなげていくことができれば」としている。
http://www.sankei.com/west/news/170411/wst1704110026-n1.html
★50年後の日本人口、8800万人、減少ペース緩和か、出生率向上や平均寿命の伸びで★
厚生労働省は10日、2065(平成77)年の日本の人口が、最も実現性が高いとされるケースで8808万人まで減るとする将来推計人口を発表した。15年の1億2709万人に比べ50年間で3901万人(30.7%)減少するが、最近の合計特殊出生率(女性が生涯に産む子供の推定人数)の向上や平均寿命の伸びを反映し、65年に8135万人まで減るとされた5年前の前回推計に比べ人口減少のペースは緩和するとしている。
65歳以上の割合である高齢化率(15年で26.6%)も65年に38.4%まで膨らむが、前回推計の40.4%よりは高齢化の進行は収まることになる。ここ数年の政府の少子化対策が一定の成果を上げた格好だ。
将来人口推計は、15年までの実績値などをもとに50年先までの出生と死亡について「高位」「中位」「低位」の3通りを仮定し、計9通りの推計を出した。
出生と死亡が共に「中位」で推移する標準的なケースでは、人口は53年に9924万人と1億人を割り込み、65年に8808万人となる。15年からの50年間で首都圏の1都3県の人口(約3億6千万人)程度が消失する計算だ。年代別にみると、65年時点で0~14歳が898万人(10.2%)、15~64歳が4529万人(51.4%)、65歳以上が3381万人(38.4%)となる。
合計特殊出生率は、15年の1.45が24年の1.42で下げ止まり、65年には1.44となる。前回推計の1.35は上方修正されたが、人口を維持する目安とされる2.07を下回る状況は続いている。
平均寿命は、15年に男性が80.75歳、女性が86.98歳だったのが、65年には男性が84.95歳、女性が91.35歳まで伸びる。65歳以上の高齢者数のピークは42年の3935万人。高齢化率は53年に38%を超え、それ以降は38%台前半で推移する。前回推計では高齢化率は60年まで上昇し、同年以降40~41%で推移するとされていた。
参考値で示された100年後の2115年の人口は5056万人だった。
http://www.sankei.com/life/news/170410/lif1704100014-n1.html
★将来推計人口、楽観は禁物「戦略的に縮む」発想を、論説委員・河合雅司★
国立社会保障・人口問題研究所が描いた日本の未来図は、5年前の推計で2048年とした総人口1億人割れの時期を2053年へと5年遅らせるなど、多少は明るい姿となった。
だが、下り坂の斜度がやや緩やかになっただけで楽観は禁物だ。推計が前提とした2065年の合計特殊出生率は1・44と相変わらず低水準である。少子化の流れが根本的に変わるとみているわけではない。
しかも、人口減少スピードが和らぐとした根拠には課題がある。第1の根拠は晩婚・晩産に伴う30~40歳代の合計特殊出生率の上昇だが、30代後半以降の初産では「2人目を産もう」とはなりにくい。これでは出生数は下げ止まらない。
2つ目の根拠は平均寿命の延びだ。出生数が多少持ち直すため、2065年の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は5年前の推計の40・4%から38・4%に改善するとした。
だが、平均寿命の延びは高齢者数の増加を意味する。その分、高齢者向けサービスの量も増え、社会保障財源や介護職などの人材確保も求められる。
3つ目は外国人の流入だ。年間7万人程度を見込むが、社会情勢や国際情勢の影響を受けやすい。周辺各国も少子高齢化が進んでおり、皮算用通りにいくとはかぎらない。
今後の日本が、人口減少を前提とせざるを得ないことに変わりはない。喫緊の課題は働き手の確保だ。
安倍晋三政権は女性や高齢者が働きやすい仕組みづくりに取り組んでいるが、すでに人手不足に直面している企業などからは「外国人労働者の解禁」を求める声が強まっている。
ただ、言葉の壁や社会保障、治安対策など社会コストは小さくない。日本人が減るのに受け入れ続ければ、「国のかたち」は大きく変容する。慎重な対応が不可欠である。
女性や高齢者、外国人の活用もいいが、無理に現在の労働力の規模を維持するのではなく、働き手が減っても成り立つよう社会の作り替えを急ぐべきだ。
コンパクトな町作りや、「24時間型社会」からの脱却、国際分業、人工知能(AI)の開発などを進めれば、社会全体で必要となる労働力そのものを減らすこともできよう。
いかに「戦略的に縮む」のか。「国のかたち」を守りつつ、小さくとも豊かな国を実現するには、国民の知恵と覚悟が問われる。
http://www.sankei.com/politics/news/170410/plt1704100034-n1.html
