
★【スポーツの現場】スーパーボウルでレディー・ガガがトランプ批判?「多様性受け入れる情熱」宙づりパフォーマンス、世界が熱狂★
レディー・ガガが1億人以上の熱視線の中で、圧巻のパフォーマンスを披露した。米プロフットボールNFLの王座決定戦、第51回スーパーボウルが2月5日(日本時間6日)にテキサス州ヒューストンで開催され、ペイトリオッツとファルコンズが対戦した。
試合の間に行われるハーフタイムショーは豪華絢爛な出演者が舞台を彩る歴史を重ねており、これまで“ポロリ”や“エア演奏”といった騒動や物議もたびたび発生している。今年の主役は人気女性歌手レディー・ガガ。米国のドナルド・トランプ新大統領に批判的なことで知られる世界の歌姫の演目には、とりわけ注目が集まった。
●リンゴ・スターも「よくやった。ガガ」
レディー・ガガは圧巻のショーを披露した。会場を宙づりのまま飛び回る「ワイヤー・アクション」を見せ、自らのヒット曲「ポーカー・フェイス」や「テレフォン」を熱唱。豪華セットの舞台の上でダンサーと一緒に踊りまくった。
ハーフタイムショーが終了すると、大物アーティストから絶賛する声が相次ぎ、シンディー・ローパーは「素晴らしすぎて涙が出た」とツイート。リンゴ・スターは「よくやった。ガガ」とつぶやいた。
LGBT(性的少数者)の権利を守る運動を繰り広げてきたレディー・ガガは昨年の米大統領選で民主党のヒラリー・クリントン候補を支持。クリントン候補の選挙集会にも顔を見せ、支持を訴えたことがある。選挙前には妻のメラニアさんに対して、トランプ氏を批判するツイートを記し、トランプ氏が選挙で当選すると、ニューヨークのトランプ・タワーに自らかけつけ、「愛は憎しみに勝る」とのメッセージを掲げた。
レディー・ガガはスーパーボウル前に行われた記者会見で、「ハーフタイムショーで私が行うメッセージはこれまでの人生で一貫して主張してきたのと同じものになる」と回答。トランプ大統領の固有名詞に触れることはなかったが、「私は多様性を受け入れることへの情熱を信じてきたし、平等の精神やこの国の精神、愛と思いやりと優しさの精神を信じている」と語った。
さらに、音楽の力を強調し、「音楽は人種や宗教、国籍、性的指向、性別がなんであろうと関係がなく提供できる。私たちを結束できる力を持っている。このパフォーマンスはみんなのためのものです」と述べ、どんなハーフタイムショーになるか注目されていた。
ショーの後、ニューヨーク・タイムズが「政治的な声明を期待していた人たちは失望した」と報じたように、ショーではあからさまな政治批判はなかった。しかし、彼女はヒット曲「ボーン・ディス・ウェイ」を披露し、ネット上では「多様性を受け入れてきた米国の文化をアピールした」との声が相次いだ。ニューヨーク・タイムズも「この曲はどんなトランプ大統領に対する政治的な声明よりも彼女の気持ちを雄弁に物語っていた」と評価した。
アメリカンフットボールは、ベースボール、バスケットボール、アイスホッケーに並ぶ「米国4大スポーツ」の一つで、全米の熱狂ぶりは桁違いだ。
商業的な側面から見ても、無類のビッグビジネスといえる。ペイトリオッツがシーホークスに競り勝つ名勝負を演じた2015年大会は、視聴率が史上最高の49・7%に達した。米国内のテレビ平均視聴者数は1億人を超えるといわれ、08年大会では各企業がテレビ局に払うコマーシャル料金が、30秒で270万ドルをマーク。世界と比較しても規格外のスポーツエンターテインメントとしての地位を築き上げている。
ハーフタイムショーには、歴代で数多くの有名ミュージシャンや実力派ロックバンドが出演しており、伝説的なパフォーマンスが繰り広げられてきた歴史を持つ。エンターテインメント業界のカレンダーでは2月の「風物詩」といえ、サプライズ演出もあることで、世界中で心待ちにしている音楽ファンも多い。
伝説の中の“伝説”に挙げられるのが、1993年の第27回大会。「キング・オブ・ポップ」の称号を持つ故マイケル・ジャクソンによるステージだ。世界の平和と幸せを願う「ヒール・ザ・ワールド」を、たくさんの子供たちと一緒に歌い上げた。平和を希求し、慈善事業にも注力し続けたマイケルの神髄が凝縮されたパフォーマンスだった。
米国を代表する大御所ブルース・スプリングスティーンは2009大会で熱くシャウト。08年大会におけるトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズは、こびない飾らないバンド演奏で「フリー・フォーリン」を熱唱し、アメリカンロックの良心を描き出した。
米国のスポーツ大会ながらその半世紀に及ぶ歴史をひもとけば、英国ロックのレジェンドたちが舞台を彩ってきた。言わずと知れた「ファブ・フォー」の一員であるポール・マッカートニー(05年)を始め、モッズの旗手であり続けるザ・フー(10年)は、ビートルズのリンゴ・スターの長男、ザック・スターキーによるゴキゲンなドラミングも特筆だ。そして、生ける伝説であるザ・ローリング・ストーンズ(06年)も観客の魂をふるわせた。
昨年急逝した米ロック歌手プリンス(07年)の雨にぬれた「パープル・レイン」は語りぐさになっている。ほかにも、エアロスミス(01年)、U2(02年)、マドンナ(12年)らがその名を刻んだ。ハーフタイムショーを語る上で欠かすことをできないのが、テキサス州ヒューストンでの04年大会で起きたあの“事件”だ。
事の発端は、人気歌手ジャネット・ジャクソンのパフォーマンス。共演したポップス歌手ジャスティン・ティンバーレイクが、ジャクソンの衣装に手を伸ばして引いた際、あろうことか右胸があらわになった。この露出問題は大きな物議を醸した。結局、放送したテレビ局に対して総額55万ドルの罰金が科される顛末となった。
事件史といえば、米人気歌手ブルーノ・マーズと、米人気バンドのレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(通称レッチリ)が共演した14年大会でも発生した。2月の真冬にもかかわらずボーカルのアンソニー・キーディスとベースのフリーが、レッチリらしく上半身裸で熱過ぎるパフォーマンスをみせた。一方で、事前録音の音に合わせて演奏しているふりをする「当て振り」騒動がわき起こった。
スポーツだけでなく、エンタメ業界の最高峰に位置付けられるスーパーボウルのハーフタイムショー。時代の寵児や世界のブームの今を実感できる機会にもなる。極彩色にきらめく歴史は、今後も見逃せない。
http://www.sankei.com/west/news/170206/wst1702060035-n1.html
Lady Gaga: Pepsi Zero Sugar Super Bowl Halftime Show (FULL Performance)

